もはや30周年を超えているアメリカの傑作ホーム・コメディ・ドラマ「フルハウス (Full House)」! 2016年には同キャストで続編フラーハウスが配信開始されるなど、世界中で熱狂的なファンがいる作品です。私も幼少のころNHKでこの作品を視聴しました。懐かしいです。

Full Houseは英語の勉強にもオススメされている作品ですので、具体的な内容や使われている英単語の語彙レベルをご紹介します。

フルハウス (Full House)とは?

Full House とは?

米国のホームコメディ

Full Houseとは、妻を事故で失ったDannyが、妻の弟Jesseと親友Joeyの力を借りながら娘3人 (D.J.、Stephanie、Michelle) の子育てに奮闘するという、米国のホーム・コメディ・ドラマです。

「3人のパパ」が10歳、5歳、9か月という多感な時期の娘3人に悪戦苦闘しながらも、家族愛を育んでいく姿に世界中の人が魅了され、長く愛される作品となっています。



なが~い放送期間

この作品、実はとても古く、1987年の第1シーズンから実に8シーズン (8年間) もの長い間放映された長寿番組です。全192話、1日1話ずつみても半年以上かかりますね! 俳優たちの年齢に合わせて時間軸も進み、子どもたちの成長が目の当たりにできます。最初は言葉も話せなかったMichelleが歩くようになり、生意気な言葉を話しだしたり。小学生だったD.J.は高校生になり恋愛を経験するようになるなど。なぜか感慨深く感じてしまいます。そして、2016年からは続編のFuller HouseがNetflixで公開されているなど、今なお人気がある作品です。

日本ではNHK教育テレビで1993年~1997年 (1回目)、1997年~2001年と2005年~2009年 (2回目) の2回放送されています。かなりの期間に渡るので、ほとんどの方は1度は見たことがあるのではないでしょうか。

海外における評価

実は最初期は人気が無かった……?

「8年間も放映され、さらには20年後に続編が制作されるぐらいだから、それはもう大人気でしょう!」と思われるかもしれません。もちろん現在では大人気番組なのですが、Full House放映当初は人気がなかったようです。

そもそも米国でのFull Houseの放映は金曜日の夜8時台でしたが、1987年当時、その時間帯は「死の時間」として認識され、ヒットするドラマはほとんど無かったようです。実際第1シーズンではあまり人気がなかったようです。しかしながら、そのコメディありのハートフルな家族物語が人々の心を掴んだようで、第2シーズン以降は人気が出てきて人気ランキングで上位に入ってきたようです。

アメリカでは離婚率が高いため、友人の手を借りながらも片親だけで子育てをする姿が大きく共感を得たのかもしれませんね。

米Amazonでも高評価

米AmazonでFull House がDVDが販売していますが、その評価はなんと 4.8/5 (897レビュー)! 好きだからDVDを購入しているわけで高評価なのは当たり前ですが、多くのレビューが集まっているのは人気の証拠ですね。

登場人物

主要人物一覧

登場人物英語フルネーム
ジェシーJesseJesse Katsopolis
ダニーDannyDaniel Earnest Tanner
ジョーイJoeyJoseph Alvin Gladstone
DJD.J.Donna Jo Margaret Tanner
ステフStephStephanie Judith Tanner
ミシェルMichelleMichelle Elizabeth Tanner
ベッキーBeckyRebecca Donaldson
キミーKimmyKimberly Louise Gibbler
スティーブSteveSteven Hale

登場人物名の日英対比は上記表の通りです。なお、ジェシーとスティーブのラストネームは途中で変更されていますが、表では変更後の名前で表記しています。

意外に知られていないフルネーム

日本語音声では基本的に愛称で呼び合っているため、ミドルネームはもちろんファーストネームすら知らなかった登場人物もいるのではないでしょうか。英語音声ではたまにファーストネームで呼び合う時がありましたが、その時私はフルネームを知らなかったので、ファーストネームをニックネームか何かだと思ったこともありました。

ファーストネームを短縮して愛称を付ける文化は米国では一般的で、ある程度パターン化されています。日本でいえば、「内田さん」のことを「うっちー」と呼ぶ、といった感じですかね。いくつか海外ドラマを視聴していくと、なんとなくパターンが把握できてくるかと思います。しかし、中にはファーストネームと全く関係ない愛称がつくこともあります。どんなパターンがあるかは、WikipediaのHypocorism (愛称) の項目に掲載されていたので、興味があればどうぞ……私はその種類の多さに震えました。

米国の愛称は日本のあだ名とは異なる

愛称と上で書きましたが、日本の所謂あだ名とは少し異なります。英語圏の人の愛称は日本では短縮形と呼ばれ、正式な文章の署名などでも使えるようです。例えば米国の第42代大統領ビル・クリントンのビルは実は短縮形です。彼のフルネームはウィリアム・ジェファソン・クリントンですが、署名ではビル・クリントンとサインしていたそうですよ。

短縮名を紹介する表記

短縮形を持っている人物の正式名を紹介する場合、ラストネームの前に短縮形を挿入するようです。例えばDannyの場合は以下のようになります。

Daniel Ernest "Danny" Tanner

Full Houseの英語のレビューなどでは登場人物名を上記のように紹介しているケースがあるので、「愛称がそれっぽく挿入されている」ではなく「短縮名も合わせて紹介する一般的な形式なんだな」と思ってくださいね。

Bobさん(@bobsaget)がシェアした投稿

DJではなく、D.J.

日本ではDJと呼ばれている3姉妹の長女ですが、英語圏 (主に米国) ではD.J.とピリオド付きで表記します。これは、D.J.がDonna Joの省略表記だからです。日本ではあまり馴染みがありませんが英単語を省略表記する場合、本来は最後にピリオドを付ける必要があります。

MisterMr.
NumberNo.
DoctorDr.

Mr.やDr.など大多数の単語はピリオドが省略されていても誤解を生むケースは少ないと思いますが、No.は注意しましょう。文脈によってはYes/NoのNoなのかNumberなのかで問題になるかもしれません。あ、文末に省略後が来た場合、ピリオドを2回つける必要はありませんよ。1回で大丈夫です。

〇 Sit down, D.J.
× Sit down, D.J..

Kimmyって……

左:Kimmy役 Andrea Barber

ところで、Kimmyって美人だと思いませんか? かなり強烈に性格付けされていたので昔視聴した時は思いませんでしたが、今改めてみると美人だなぁと。思いません?

Full House のココがオススメ

子ども中心のため、簡易な表現が多い

Full Houseのエピソードでは、「3人のパパ」による「3人の娘」の子育が主題に置かれることが多いため、自然と子どもに合わせた口調が多くなります。特に第1シーズンでは子どもの年齢が10歳、5歳、9か月とかなり幼いため、使われる単語も基本的なものに限られることが多いです。

生きた表現が多彩

英語学習用の教材ではなくネイティブ向けの一般的なドラマですので、ネイティブなら自然に使うような単語・表現が多いです。TOEICなどの試験ではあまり役立ちませんが、海外旅行に行ったり、海外の友人と交流を取る際は役に立つこともあるでしょう。

子どもの成長とともに、会話の内容が洗練されていく

全192話にも渡るシリーズですので、子どもがリアルに成長していきます。一番成長が顕著なのはMichelleですが、会話の内容が一番最初に代わるのは長女のD.J.です。話数を重ねるにつれ、徐々に会話の内容が大人びていきますが、本当に緩やかなため急激に難しくなったと感じることはありません。

Full House サンプル画像

Netflix – Full House – Season 1
https://www.netflix.com/title/80014892

Full House サンプル画像

Netflix – Full House – Season 8
https://www.netflix.com/title/80014892

Stephanieも最初はD.J.と比べてると小さいのですが徐々に身長が伸び、最後ではD.J.と同じぐらいになります。中盤のシリーズを飛ばして終盤のエピソードを見ると、とても驚きますよ! なお、その後も身長が伸びたようで、続編Fuller Houseでは完全に身長を追い抜いています。

日本語訳が確認しやすい

市販のDVDやNetflixでのサービスでは音声・字幕どちらも英語と日本語が収録されているため、よくわからなかった単語や言い回しは言語を切り替えることですぐに確認できます。紙媒体の小説やマンガと比べると楽ですよね。YouTubeなどエピソードを1話ごとに購入できるサービスもありますが、言語が日本語のみだったりすることもあるのでお気を付けください。

Full House のココがチョット……

古い

そう、古いのです。いくら大人気ドラマといえど、こればっかりはどうしようもありません。1990年代生まれの方は、1987年~1995年の文化をほぼ知らないので、理解できない場面もあるかもしれません。特にブラウン管TVなどの家電関連は古く感じるのではないでしょうか。もちろんスマホなんてんありませんよ。

むしろ若い方は昔の文化を知る機会だと思ってくださいね!

海外ドラマなので文化の違いに若干戸惑う

米国のドラマですので米国の文化が背景にあります。基本的にはあまり問題ありませんが、自動車はストリートパーキングが基本であることが前提の会話があったりするのなど、まれに混乱することがあるかもしれませんね。まぁ、それほど気にするほどではありませんよ。

恋愛描写が多い

これは私個人の意見ですが、ちょっとキスシーン多くないですかね? フルハウスは全年齢向け番組となっているので暴力やドラッグ関連のシーンは殆どありませんが、恋愛描画はチョット多く感じます。文化の違いでしょうか……?

視聴方法

Netflixで配信中!

このFull House、現在はNetflixでも配信されており、PCやスマホがあればいつでもどこでも全話視聴できるという大変ありがたい状況です。というのも、この作品、面白いのですがとても長~いシリーズで (全8シーズン、192話)、実は私第4シーズン以降は飛び飛びでしか見てなかったのですよね。だからNetflixで視聴できるのは大変ありがたく、ジムでランニング中に視聴するなんてことも簡単にできますよ。

Netflixでは音声・字幕の日本語/英語切り替えはいつでも可能なので、リスニングや字幕多読にオススメです。

DVDで見る

DVD版も発売されており、全8シーズンのコンプリート版もあります。私もかつて第1~3シーズンのDVDを購入して、第1話はセリフ全暗記するぐらい見ました!

まさかの続編 “Fuller House”

Full Houseは世界中で大人気の作品でしたが、さすがに2010年を過ぎると過去の作品となっていました。……いましたが、2015年にまさかの同キャストによる続編の情報が公開され、事実2016年にFuller House Season 1がNetflixで配信されました。Netflix独占配信ですが、過去シーズンはDVD版も販売されています。

Full House の語彙レベル解析

概要

Full Houseの登場人物が話すセリフの語彙レベルを26000語レベルで分類していきます。語彙レベルはアルクのSVL 12000 (1~12000語レベル) と極限の英単語・終極の英単語 (12001~26000語レベル) を基準としています。解析手順については「英文の語彙レベル解析手順について」を参照ください。

基準となる英単語リスト語彙レベルレビュー記事
SVL 120001~12000レビュー
極限の英単語 Vol.1~412001~24000レビュー
終極の英単語24001~26000

本記事で解析の対象にする単語

Full House Season 1 – Episode 1のセリフを解析対象とします。

Full House の語彙レベル

総語数

上記はセリフで使われた1806語を、語彙レベルで分類した結果です。戦闘や大ゴマが多く、セリフが少ないマンガ「ワンパンマン」でも1冊で約3800語あったので、ドラマ1話分の語数はそう多くありませんね。

英単語の種類

単語の重複を除外し、英単語の種類で分類した結果が上記です。457種類の英単語が使われていました。基本的には簡易な単語が多いのですが、munchkin (子ども、小人) や piggyback (おんぶ) など学校英語では習わない表現がある程度出てきています。この辺りを覚えられれば、日常会話で使える語彙が豊富になっていきますね。

Full House の目標語彙数

95%カバーできる語彙数は2,900、98%カバーは10,200

目安カバー率目標語彙数
英文を楽しむ総語数の95%2,900
キチンと理解する総語数の98%10,200

Full House Ep.1の字幕を読む上で、目安となる語彙数は2,900です。英文を「楽しむ」には総語数の95%、「キチンと理解する」には98%が目安と言われていますので、まずは95%カバーできる語彙数を目指しましょう。海外ドラマなどで98%カバーを目指すと、とたんに必要語彙数は高くなります。これは語数が少ないわりに、英語学習者には馴染みのない (ネイティブなら知っている) 英単語が使われるからです。ただし、ドラマは映像が内容理解を助けてくれるので、知らない単語はバッサリ切り捨てることも一つの手です。それでも案外楽しむことができますよ。

この辺りの詳細や自分の語彙力の把握方法については以下記事を参照してください。

範囲外の単語

Full House Ep.1 の英文を26000語レベルで分類しましたが、範囲外の単語が3語ありました。参考までに掲載しておきますね。

26000語の範囲外の単語 (3語)

razzle, tippytoe, wavy



Full Houseで英語を学ぶ

Full House での英語の学び方

海外ドラマをリスニングの教材にできるのは、中・上級者

Full Houseに登場する単語は確かに基本単語がほとんどですが、ネイティブのドラマの会話は、発音・英単語・文法・口語独特の表現を知っており、かつ英文を理解するスピードが一定以上ないと音声だけで即座に内容を理解することは難しいです。

初めてリスニング力を鍛えるという方は、NHK WorldやVOAなどの英語のニュースやリスニング初心者用の教材を使い、ディクテーションなどでしっかりと基礎を学んだ方が効率が良いと思います。

海外ドラマでも、字幕があれば多読の教材にできる!

Netflix 英語字幕設定

Netflix – Fuller House Season 1
https://www.netflix.com/title/80051137

私がオススメするのは、多読の題材にすることです。多読の世界ではおなじみのSSS英語学習では「辞書が必要ないぐらい簡単な本で、自分の興味があるトコロだけを読み進めていこう!」という方法が推奨されていますが、この方法をFull Houseの字幕に当てはめれば良いのです。

字幕の内容だとあまり理解できなくてつまらない場面でも映像が補助してくれるため興味が持続しますし、1話における語数も2000語弱と字幕を読むことに疲れるほどの量ではありません。そして、以下のようなドラマの多読ならではの恩恵も得られます。

  • 返り読みする癖がなくなる
  • 英語の音声を (理解できずとも) 長時間聞くことに慣れてくる
  • 頻繁に登場する単語は、映像から意味を覚えられる

海外ドラマの字幕で、返り読みしてしまう癖をなくそう!

返り読みしてしまうのは、文章の内容が理解できなかったからです。対処方法としては「英文を英文の語順で理解する」とよく目にしますが、実はもう一つ対処方法があります。それは「内容が100%理解できていなくても気にしない」ことです。

小説だと気になって思わず返り読みしてしまう方でも、ドラマでは勝手に進んでしまうため返り読みする暇はありません。もちろん字幕の内容を100%理解することは大変ですが、映像である程度状況がわかるので、字幕が理解できずともチンプンカンプンになることもありません。どうしても気になるなら、1話見終わった後で改めて確認してみれば良いのです。

このようにドラマの字幕で多読をこなしていくと、理解できなかった文章をいちいち返り読みする癖がなくなります。小説だって7割も理解できればちゃんと楽しめますから、返り読みの癖がなくなればサクサク楽しめるようになってきますよ!

具体的な多読方法

具体的にどのようにすれば良いかという点ですが、多読なので細かい注意事項等はありません。DVDを購入するなり、Netflixと契約するなりして、ただFull Houseを楽しむだけです! 多読とは、英単語を暗記したりリスニング力を鍛えることを目的としているわけではなく、物語を楽しむことが目的だからです。

ですが、もし英語だけで物足りない場合は、2回目に英語字幕+日本語音声を試してみてください。

  1. 英語字幕 + 英語音声で楽しむ
  2. 英語字幕 + 日本語音声で楽しむ

最初に日本語音声で見てしまうと内容が全部理解できてしまい、2回目を見るモチベーションが下がってしまいます。もし日本語音声を試すなら2回目にしましょう!

Jesse から学ぶこの単語! – Buck –

さて、それでは Jesse おいたんから単語の意味を1つ教えてもらいましょう! 今回の英単語は “Buck” です。この単語はSVL 9の単語で「雄ジカ」という意味がありますが、米国では別の意味で使われることもありあす。どんな意味だと思いますか? 日本ではまず使いませんね。

Full House Episode 1では、叔父のJesseが家出をした長女 D.J.に部屋に帰るように説得する場面がありあす。子どもの扱いになれていない彼は、D.J.に “Five bucks if you move back in.” と、取引を持ちかけるのですが……

Full House サンプル画像

Netflix – Full House Season 1 Episode 1
https://www.netflix.com/title/80014892

buckの意味、何となくつかめてきましたか? 会話を少し追加すると以下のようになります。

JesseFive bucks if you move back in.
D.J.Fifty.
JesseTen.
D.J.Forty nine.

そう、Jesseはお小遣いで解決しようと「部屋に戻ったら5ドルだそう」と言っています。

19世紀ごろ、金銭の代わりに鹿の皮 “buckskin” を利用していたそうで、その名残でbuckがお金の単位となっているようです。日本ではドルしか使いませんから、馴染みのない方も多かったのではないでしょうか。映像や状況とセットで覚えた単語は忘れにくいものです。皆様もここで覚えた “buck” を有効活用してくださいね!

英語のレビュー、記事を読む

短文レビューを読む

米Amazonのレビューが読みやすいのではないでしょうか。レイアウトも慣れているかと思いますしね。レビュー数はなんと897、そして評価は 4.8/5 と、ものすごい高評価ですよ!

レビュー、紹介記事を読む

基本的に紹介記事はFull Houseが好きな人が執筆しているので、読んでいて楽しくなりますよね! というわけで、いくつか紹介記事をピックアップしました。それなりの長さの英文なので短文のレビューよりも歯ごたえがありますが、このような記事になれてくると英語が楽しくなってきます。

英語のインタビュー、ニュースを見る

Full Houseの俳優がインタビューに答えている動画があります。残念ながらFull House自体は古いので当時のインタビュー動画は殆どみつかりませんでしたが、2016年以降はFuller Houseの放映開始に伴い俳優のTV露出が多くなっています。いくつかYouTubeで見つけてきたので、良ければリスニングの練習のつもりで視聴されてはいかがでしょうか? 字幕がないので少し難しいですが、馴染みのある俳優ですのでそれなりに楽しめるのではないかと思います。

フルハウス
DVD 全巻セット
フラーハウス
1st シーズン DVD