英検1~5級の語彙数、英単語レベルの比較
英検1級~5級までの難易度、語彙数、英単語の解析データまとめです。前半では公式または一般的に言われているデータ、後半では本サイトで解析した英検の語彙レベルについて記載しています。各級についての詳細は「英検関連の記事一覧」を参照ください。
目 次
実用英語技能検定 (英検) 1~5級の難易度比較
英検が定めている各級のレベル
英検各級の難易度目安は以下リンク先の英検サイトで説明されています。画像には各級に対する目安語彙数も掲載していますが、こちらは英検が定めているものではなくインターネット上で言われている大体の目安です。
ただ、この目安語彙数は範囲が広く、また根拠が不透明なので、本サイトでは別途目安となる語彙数を調べて掲載しています (結果は後述)。
また、TOEIC平均スコアや受験者数の詳細はTOEICが公開していますので、興味があればそちらも参照ください。
英検の合格率
英検 | 合格率 | ||
---|---|---|---|
最終合格率 | 一次試験 | 二次試験 | |
1級 | 約10% | 約20% | 約50% |
準1級 | 約15% | 約20% | 約80% |
2級 | 約25% | 約30% | 約80% |
準2級 | 約35% | 約40% | 約80% |
3級 | 約55% | 約60% | 約90% |
4級 | 約70% | 約70% | |
5級 | 約80% | 約80% |
※ | 一時/二次試験の合格率は一般的に言われている目安 |
※ | 4、5級は一次試験のみ。二次試験は実施されない |
英検取得者のTOEIC平均スコア
英検取得者のTOEIC平均レベルのデータが公開されています。近年のデータは無いので2013年のデータを掲載していますが、2級ぐらいからスコアに差がでてくるようです。
英検、TOEIC、TOFELとの対照表 (2017)
TOEIC、TOFELなどの試験と英検のレベルの関係がわかる情報が色々あります。
英語4技能試験情報サイトで2017年のデータが公開されていますよ!
英検リーディング問題のLexile指数
Lexile指数とは?
Lexile指数とは米国やその他各国で用いられている「英文の難易度」と「自分の読解力」を表す指標で、おおむね 0L ~ 1500L ぐらいの範囲で表されます。自分の指数と英文の指数を比べることで、文章の内容が理解できそうか否かを判断することができます。AmazonにLexile指標の説明やレベル別の洋書一覧があります。
英検のリーディング問題のLexile指数
2013~2014年に実施した英検試験の英文を対象に、公式にLexile指数を計測したデータがあります。結果は上記の通りですが、詳細は「英検・TEAPに関する読解度指標である本のLexile指標を用いた検証」を参照ください。
英検 | Lexile指数 | レベルが近い洋書例 | 洋書一覧 (Amazon) |
---|---|---|---|
1級 | 1280L~ 1360L | 1776: America and Britain at War (1300L) | 1300L-1395L |
準1級 | 1180L ~ 1200L | Think and Grow Rich (1230L) | 1100L-1195L |
2級 | 1000L ~ 1020L | Steve Jobs (1080L) | 1000L-1095L |
準2級 | 740L ~ 770L | Hunger Games (810L) | 700L-795L |
3級 | 530L ~ 570L | Alice’s Adventures in Wonderland (580L) | 500L-595L |
4級 | 460L ~ 520L | The Rainbow Fish (400L-495L) | 400L-495L |
5級 | 300L ~ 380L | Magic Tree House (200L-295L) | 300L-395L |
※ | 上記表の洋書はAmazon.co.jpのLixile指数に基づいているが、不正確な場合があるので購入前にAmazon.comやMetaMetricsでもLexile指数を確認した方が良い |
ただし洋書のLexile指数の値には疑問も……
個人的にですが、ハリーポッターよりも簡単な洋書75冊を自分で読んでみて読みやすさ (YL) を評価し、MetaMetricsで公開されているLexile指数と比べてみたのですが、Lexile指数と本の読みやすさは大きく異なっているケースもありました。日本では洋書の読みやすさを表す YL という指標もあるので、簡単な洋書から読み始めたいという場合は YL を目安にした方が良いかと思います。
YLとLexile指数の相関や、おすすめの洋書については「定番の洋書75選!」を参照ください。その他にも英語のマンガ・ライトノベル・ノベルゲームなどもまとめています (英語作品一覧 )。自分の好きなジャンルから英語に触れて見るのも面白いと思うので参考にしてくださいね!
英検の問題数と試験時間
問題数
種類 | 問題数 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | 3級 | 4級 | 5級 | |
リーディング | 41 | 41 | 38 | 37 | 30 | 35 | 25 |
ライティング | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | ||
リスニング | 27 | 29 | 30 | 30 | 30 | 30 | 25 |
スピーキング | 自由会話 | 5 | 5 | 6 | 6 |
※ | 4級、5級はライティングなし |
※ | 英検1級のスピーキングは自由会話で明確な問題数は決まっていない |
試験時間 (分)
種類 | 試験時間 (分) | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | 3級 | 4級 | 5級 | |
リーディング | 80 | 70 | 65 | 55 | 35 | 35 | 25 |
ライティング | 20 | 20 | 20 | 20 | 15 | ||
リスニング | 35 | 30 | 25 | 25 | 25 | 30 | 20 |
スピーキング | 10 | 7 | 7 | 5 | 5 |
※ | 4級、5級はライティングなし |
※ | 1級~3級のライティング時間は目安 |
1問に掛けられる時間 (秒)
英検の語彙レベル
概要
本サイトでは英検1~5級の試験で使われている英文の語彙レベルを26000語レベルで分類しています。26000の語彙レベルはアルクのSVL 12000 (1~12000語レベル) と極限の英単語・終極の英単語 (12001~26000語レベル) を基準としています。解析手順については「英文の語彙レベル解析手順について」を参照ください。
本記事では、各級で解析した結果を1~5級で比較できるようにデータを掲載しています。各級の詳細は以下記事を参照ください。
基準となる英単語リスト | 語彙レベル | レビュー記事 |
---|---|---|
SVL 12000 | 1~12000 | レビュー |
極限の英単語 Vol.1~4 | 12001~24000 | レビュー |
終極の英単語 | 24001~26000 |
解析対象の英文
2017年第1回 (2017年6月実施) の試験で使われた英文
英検では過去3回分の過去問を公開しています。本記事では2017年第1回 (2017年6月実施) の試験で使われた英単語の単語レベルを解析しています。
ライティングとスピーキングは英検が提供している問題と解答のサンプル英文を解析の対象としています。
試験問題の語数
1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | 3級 | 4級 | 5級 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
総語数 | 9623 | 7233 | 6048 | 4520 | 2581 | 1934 | 720 |
英単語の種類 | 2048 | 1542 | 1082 | 830 | 545 | 441 | 245 |
※ | 語数には人名、地名、商品名などは含まれていない |
英検1級~5級の筆記・リスニング・スピーキングのテストで使われた英単語数です。英単語の種類とは、単語の重複を除外した時の数です。なお、4~5級はライティング、スピーキング問題が無いのでその分さらに語数が少なくなっています。
語彙数15000語でカバーできる英単語
語数 | TOEIC 公式模試 | 英検 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1級 | 準1級 | 2級 | 準2級 | 3級 | 4級 | 5級 | ||
1000語 | 35% | 27% | 36% | 51% | 65% | 80% | 85% | 92% |
2000語 | 53% | 45% | 55% | 74% | 84% | 93% | 92% | 99% |
3000語 | 67% | 59% | 70% | 85% | 92% | 96% | 96% | 99% |
4000語 | 76% | 69% | 80% | 91% | 95% | 98% | 97% | 100% |
5000語 | 83% | 75% | 85% | 95% | 97% | 98% | 98% | 100% |
6000語 | 88% | 80% | 89% | 96% | 98% | 98% | 98% | 100% |
7000語 | 90% | 83% | 91% | 97% | 98% | 98% | 98% | 100% |
8000語 | 93% | 86% | 94% | 98% | 98% | 99% | 98% | 100% |
9000語 | 94% | 88% | 95% | 98% | 98% | 99% | 98% | 100% |
10000語 | 95% | 90% | 96% | 99% | 99% | 99% | 99% | 100% |
11000語 | 96% | 92% | 96% | 99% | 99% | 99% | 99% | 100% |
12000語 | 96% | 93% | 97% | 99% | 99% | 99% | 99% | 100% |
13000語 | 96% | 94% | 98% | 99% | 99% | 99% | 99% | 100% |
14000語 | 96% | 95% | 98% | 99% | 99% | 99% | 99% | 100% |
15000語 | 96% | 95% | 98% | 99% | 99% | 99% | 99% | 100% |
英検5級~1級試験で使われた英単語 (の種類) が15000語 (SVL 12000 + 極限の英単語 Vol.1) でどの程度カバーできるのかを確認した表です。例えば英検1級で使われる英単語は語彙が1000語あれば27%カバーでき、10000語あれば90%カバーできるという事です。比較用にTOEIC公式模試の結果も掲載しています。
語彙数の目標は95%カバーできるレベル?
英検1~2級の場合、英単語の95%理解できるラインが一般的に言われる英検の語彙数 (の最大値) に近い語彙数となっていました。しかし英検3~5級の語彙レベルはSVL 12000の語彙レベルとキッチリそろっているわけではないため、95%ラインは目標語彙数よりも大きな値になりました。そこで、英検3~5級は中学校の英語教科書を利用し、目安となる語彙数を調べています。具体的な語彙数は以下の通りです。
英検 | 目安の語彙数 |
---|---|
1級 | 14400 |
準1級 | 8900 |
2級 | 5100 |
準2級 | 3000 |
3級 | 1650 |
4級 | 1100 |
5級 | 600 |
詳細は各級の語彙を解析した記事を参照ください。TOEIC公式模試については別途記事にまとめていますので、興味があればそちらもご覧ください。
使われた英単語の種類
使われる英単語の種類の数 (筆記、リスニング、スピーキング別)
筆記試験で使われた語彙レベル
リスニング試験で使われた語彙レベル
スピーキングのサンプル英文で使われた語彙レベル
英検のサイトに掲載されている、1級~3級のスピーキングテストのサンプル英文で使われた英単語の分類結果です。英検1級はサンプル英文が無いので、「英検バーチャル二次試験 1級 (1級の試験内容ページ下部にリンク)」内で使われている英単語です。
英検1級~5級の筆記試験パート1で使われる語彙レベル
筆記試験パート1の語句選択問題は、他パートと比較して使われる語彙レベルが高い傾向にあります。そこで、パート1の解答選択肢に使われていた語彙レベルを調査しました。
5級から2級までと、準1級、1級では単語レベルの差が顕著に表れています。特に1級は12000語レベル内に収まらない単語も多く使われているので、15000語レベルの英単語が掲載されている極限の英単語 Vol.1や英検1級対策用の英単語集を使って対策をすることをオススメします。
各級の解析詳細、またはTOEICの解析結果もあるので、興味があれば参照ください。
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