Beast Quest シリーズ18冊読んだ感想! 【英語多読】
100 巻以上続いているイギリスの人気ファンタジーシリーズ「Beast Quest (ビースト・クエスト」。
冒険ファンタジーが大好きな自分としてはある程度読んでみたいと思っていたので、とりあえずシリーズ 3 (18 巻) まで読んでみました!
目 次
Beast Quest シリーズ
全体的な感想
日本語タイトル | ビースト・クエスト |
著者 | Adam Blade (アダム・ブレード) |
巻数 | 100巻以上 |
YL (1~18巻) | 4.0~4.2 |
語数 (1~18巻) | 各巻 約8,600~約10,400語 (計170,309語) |
RPG 的な王道冒険ファンタジー
国を護る聖獣が悪のウィザードに呪われ、魔獣として国を滅ぼしかけている。 王から勅命を与えられた少年 Tom は仲間と共に魔獣に立ち向かう! という、ドラゴンクエストなどの RPG を彷彿とさせる、まさに王道の冒険ファンタジー。物語はシリーズ単位で区切られており、各シリーズは 6 冊 (シリーズ 14 以降は 4 冊) となっている。
読んでいて感じた感想は以下。
- 1 冊の語数が多くないので展開はシンプル
- 各シリーズ 6 冊区切りなのと、冒険の目的がハッキリしているので読み進めやすい
- 本格的な冒険ファンタジーの中では簡単な方だが、地形や戦闘描写などは凝ってきている
- より高難易度の剣と魔法の冒険ファンタジーを読む前の力試しとしては良い
- 移動と戦闘の描写は多い一方、ストーリーは薄い。一応、シリーズ 3 ではストーリー性と過激な描写が少し増す
- 主人公 Tom がひたすら活躍する一方、仲間の活躍は少なめで物足りない
以前読んだ Dragon Masters や The Secrets of Droon は常に巻き込まれ型の展開で、冒険の目的や区切りが曖昧だったのが残念に思ったけど、Beast Quest は冒険に明確な目的があったので、ストーリーの進捗を把握しながら読み進めやすいのは非常に良かった。あと何冊読めば一区切りつくのかというのは、巻数が多いシリーズを読む上では結構大切なんだなぁと改めて思わされたな。
展開自体は、王国を守るために 6 体のビーストを倒す、6 つのパーツに分かれた鎧を集めるなど、極めてシンプルだったけど、ビーストを 1 体倒すごとに何かしらアイテムを入手し、それが主人公の強化に繋がっている点も RPG 感があって良かった。火のドラゴンを倒すと、盾が火に強くなるみたいな。やはり、せっかく大変な冒険をこなしたのであれば、なにかしら報酬が欲しいという気持ちがでてくるからね。ビーストを倒すことでどのような強化が為されるのか、という点は結構楽しみだったわけさ。
英語の文法自体はそこまで複雑ではなかったけど、山や森、海や谷など国中を移動して目的地まで冒険する様や肝心のビーストとの対決はしっかり描かれているので、語彙や動きの描写はそれなりの難易度があると思った。剣と魔法の冒険ファンタジーが英語で読めるかどうかの確認として読んでみるのも良さそう。
ただ、ストーリーがかなり薄かったのは残念だったかな……。例えばシリーズ 1 の 6 冊では呪われた 6 体のビーストを解放するわけだけど、2 ~ 5 巻は国を移動してビーストと戦う部分が殆どで、驚きの展開とか後々明らかになる謎とかは一切なかった。ビーストに襲われた村やその村人の登場は多少あったけど、会話やドラマの割合は少なく、あくまでもビーストとの対決が主目的。個人的にはドラマや会話を楽しみたかったので、その辺りは物足りなかった。
あとは好みにもよるとは思うけど、主人公 Tom 以外の活躍が少ないのも個人的には残念だった。第 1 巻から Elenna という少女が仲間になるけど、Tom はビーストを倒すたびに強化されていく一方、Elenna には一切変化がなかった。ビーストとの対決も殆ど Tom のみで行っていたので、パーティー戦を期待していると肩透かしを食らってしまうのではないかな。まぁ Elenna は先走りがちな Tom を諫めたり、危機を助けたりと重要な役割を持ってはいるのだが、やはり活躍の量は物足りなかったかな。と言っても、シリーズ 4 以降では違った展開になっている可能性はある。100 冊以上でているので、Tom だけが強化され続けていくというのもちょっと考えづらいし……。
このシリーズを楽しめるかは、主人公のドキドキする旅や戦闘を楽しめるかどうかが大きなポイントなのかな。その辺りが好きならシリーズ通して読んでみても良いと思う。そうでないなら腕試しとしてとりあえず第 1 巻と第 6 巻を読むぐらいで良いのではないかな~。
著者は複数人いる
著者名は Adam Blade となっているが、実際には複数著者の共同名。Beast Quest は巻毎に著者が異なり、シリーズ 1 ~ 3 は 5 名の作家が携わっているらしい。ただ、読んでみた感想としては巻毎に難易度や作風の違いは感じられなかったので、意識しなくても良いとは思う。
英国版と米国版
Beast Quest は英国版がオリジナルで、邦訳版タイトルも英国版から取られている。一方、米国版では一部の表現や単語だけでなく、タイトルやビーストの名前も変更されている巻がある。難易度や語数は英国版・米国版でほぼ差がないハズだが、こだわりが無ければ英国版を選んで読んだ方が良いとは思う。ちなみに、日本の Amazon にある Beast Quest の Kindle 本は英国版。
主な登場人物
とある農村に住む鍛冶師見習いの少年 Tom が主人公。Tom の母は彼が幼少の頃に病で命を失っており、父は冒険に出たまま行方不明となっているため、親戚の村長の家で暮らしている。そんな彼が、危機に陥った村を助けてもらうように国王に直訴に向かうという流れで物語は始まる。
メインキャラクター | |
Tom | 農村に住む鍛冶師見習いの少年 |
Elenna | Tom の相棒となる狩人の少女 |
Storm | Tom の愛馬 |
Silver | Elenna の家族でもあるオオカミ |
その他 | |
Hugo | Avantia の国王 |
Aduro | Hugo に仕えるウィザード |
Malvel | Avantia 王国の破壊を目論むダークウィザード |
Taladon | Tom の父親。行方不明 |
Seth | Malvel の忠実な部下 (シリーズ 3 ~) |
Kerlo | Gorgonia 王国に繋がるゲートの門番 (シリーズ 3 ~) |
Series 1: Where It All Began (1 ~ 6 巻)
王国を守護する 6 体のビーストが悪の魔法使い Malvel に呪われ、国を滅ぼそうと暴れはじめた。王から勅命を与えられた少年トムは仲間と共にビースト達を Malvel の呪いから解放せんと立ち向かう!
#1: Ferno the Fire Dragon
YL | 4.0 |
総語数 | 10,026 |
邦訳 | 火龍フェルノ |
農村に住む鍛冶師見習いの Tom は冒険に憧れる普通の少年だった。そんな彼が住む村ではある日、何者かに畑が焼かれ、川も干上がるという事件が発生する。Tom は助けを陳情しに王都に旅に出るが、そこで彼は行方不明だった父の情報と、異変の原因を知ることになる。その原因とは、ダークウィザード Malvel が国を守護する 6 体のビーストを呪い暴れさせていること。王に資質を認められた Tom は 6 体のビーストを解放しに旅にでる。最初の目標は、火龍フェルノ!
冒険に憧れる少年が国を救うために冒険に。そして道中、狩人の少女 Elenna を仲間にし、火龍に立ち向かう! うーん、まさに王道の冒険ファンタジーだ。語数が 1 万語前後なのでどうしてもボリューム不足で展開はかなり早いが、これより簡単な児童書と比べると本格的な冒険をしているし、命の危機もあるスリルが楽しめて良い。新たな仲間ができたり、Tom と Elenna の関係も進展していくのかな? 先が楽しみだ!
#2: Sepron the Sea Serpent
YL | 4.1 |
総語数 | 9,492 |
邦訳 | 海竜セプロン |
第 2 のビースト、海竜セプロンを解放するため Avantia 王国の西の海へ向かった Tom と Elenna。しかし彼らは道中訪れた渓谷で、セプロンが起こした津波に襲われる。辛くも逃れた 2 人だったが、その目に映ったのは津波で崩壊した村だった。
津波やらなんやらで大変だった回。火事も大変だけど、津波で農地が一網打尽というのも災難だし、海の敵は対処が難しいから難敵だったなぁ。Tom は 1 巻の頃は無邪気に冒険だとはしゃいでいたけど、王国各地の惨状を見て責任感が強くなってきたような感じも見受けられるし、今後も頑張って欲しいね。ところで、今回は地形の描写が多くて状況をイメージするのが少し多変だった。でもこれぐらいの描写には慣れていかないとな。
#3: Arcta the Mountain Giant
YL | 4.1 |
総語数 | 9,665 |
邦訳 | 山男アークタ |
米国版 | Cypher the Mountain Giant |
第 3 のビーストは山男アークタ! 王国の北を目指していた Tom と Elenna は、山脈の景色に見惚れながらも、北部最大の街に向かっていた。しかし道中、アークタによって引き起こされた地滑りに巻き込まれ、パーティーはバラバラに。何とか合流を果たし先へ進むも、そこには地滑りで半壊した街があった。
今回は地滑りの恐怖が。津波も怖いが、地滑りもヤバいな! しかし物語のパターンができてきた気がするぞ。ビーストの起こした自然災害を乗り越える → 災害に襲われた街・人々を助ける → ビーストのヒントを得る、という感じなのかな。RPG みたいに道中で魔物と戦うみたいな展開は無さそう。まぁ語数的にそこまではできないか。でも着実に盾が強化されているのはワクワクするね。次はどんな展開になるかな?
#4: Tagus the Horse-Man
YL | 4.0 |
総語数 | 10,386 |
邦訳 | 馬人テーガス |
米国版 | Tagus the Night Horse |
第 4 のビースト、馬人テーガスを解放しに王国の中心地域の草原に来た Tom と Elenna は、多数の動物達が興奮しながら走り寄ってくることに気づいた。そしてその原因は草原で発生した火災だった! Tom の活躍によりなんとか火災はおさまる。しかし、近くの街から数人の男たちがやって来て Tom を牢屋にいれてしまった。彼らは Tom を放火犯と思っていたのだ!
2、3 巻とは異なる展開でなかなか面白かった! 確かに馬人は遠目では馬と騎手に見えるから勘違いも仕方がない。しかし Tom はビーストのことを話せなくても、国王の勅命で活動していると伝えれば良かったのにね。あと、ウィザードの Aduro も助けに出てきなさいよ (笑。そして和解シーンもアッサリしすぎだったかなぁ。この辺はやっぱり子供向けだなと思わされるね。
#5: Nanook the Snow Monster
YL | 4.1 |
総語数 | 9,717 |
邦訳 | 雪獣ナヌーク |
米国版 | Tartok The Ice Beast |
次の目的地は第 5 のビースト、雪獣ナヌークがいる極北の地! 北へ向かって旅を続けていた Tom と Elenna はついに雪と氷に覆われた雪原地帯に到達した。遊牧民たちが暮らすその土地では王国にとっても重要な薬草が取れる地域。しかし Tom 達は突然の吹雪で立往生してしまう。方向感覚を失い、まともに進むことができない彼らの運命は果たして。
Tom は遊牧民の族長から頼りにされていたけど、Tom はまだ 12 歳ぐらいらしいんだよね。まぁ言動も行動も大人びているし、そもそも Elenna と 2 人で旅しているから大人扱いということなのかな? あと、思ったのは今までで一番盾が活躍した気がする。盾もだいぶ強化されてきてはいるのだが、基本的にその時一番欲しい能力はビーストを解放しないと手に入らないというジレンマがあるので、イマイチ盾の活躍する場面がないんだよな。これがアクション RPG とかだったら、新しいダンジョンに行く時のギミック攻略に役に立つのだろうけど。まぁシリーズが続いていくのであれば活躍の場も増えるであろう。
さて、次巻でシリーズ 1 が終わるけど、どんな結末になるのか。Malvel との対決までやるのかな? 語数的にビーストを解放して終わりなきもするけど。うーん、どんな展開になるのか楽しみだ!
#6: Epos the Flame Bird
YL | 4.1 |
総語数 | 9,677 |
邦訳 | 炎鳥エポス |
米国版 | Epos The Winged Flame |
第 6 のビースト、炎鳥エポスの生息地は王国の東にある火山。北の地から東を目指し大森林を進んでいた Tom と Elenna。だが、森の出口が近づく火山が見えてきたところで、突然火山が小さく噴火し、岩石が雨のように降って来た! 木を背にしてやり過ごした Tom 一行が見た物は、今まさに溶岩が村を襲おうとする光景だった。
火山に炎の鳥と、また一段と危険度が高い冒険だったけど無事にビーストを解放できて遂にシリーズ 1 完結! 悪の魔法使い Malvel も姿を現し、何とか倒したけど、再登場フラグは大いに立っていたので、今後も相手にするのだろうな……。その他には Tom の父親の情報がある程度開示され、それと共に世界中には未知のビーストが大量にいることが判明 (まぁそうじゃなければ 100 巻以上続いていないわけだが)。話の流れからするとシリーズ 2 では父を追って世界中を旅する感じになるのかな?
シリーズ 1 はまさに RPG って感じの展開だったな。まぁちょっと展開がワンパターン気味なのと、危険な冒険に見えて、その実誰も命を落とさないヌルさは少し気になる部分ではあったかな。1 巻のプロローグで騎士が 1 人命を落としたので、もっと命のやり取りが発生する物だと思っていたよ……。まぁ主人公は 12 歳だし、子供向けの物語ということか。でも各シリーズが 6 冊でまとまっているのは読みやすくてありがたい。このままシリーズ 2 も読んでいくぞ!
Series 2: The Golden Armour (7 ~ 12 巻)
6 体のビーストを解放した褒美として、Tom は魔法の力が備わった黄金の鎧を授けられることに。しかし鎧は悪の魔法使い Malvel に盗まれ、6 つのパーツに分割されて隠されてしまった。Tom と Elenna は鎧を取り戻すため、新たに Malvel によって生み出された 6 体のビーストに挑む。一方 Malvel の手は、魔法使い Aduro にも迫っていた。
#7: Zepha the Monster Squid
YL | 4.1 |
総語数 | 9,713 |
邦訳 | 黄金の鎧: 怪物イカゼファー |
ビースト達を解放した褒美として、Tom は黄金の鎧を授けられることに。その鎧は Avantia 王国の遺物で、装備した者には魔法の力が備わるという。しかし Tom を脅威とみなした悪の魔法使い Malvel により鎧が盗まれ、6 つのパーツに分けられて隠されてしまった。しかも Malvel は鎧を守るために新たに 6 体のビーストを生み出していた。Tom と Elenna は鎧を取り戻すため再び冒険に出る。最初の目的地は黄金の兜が隠された地。そこはかつて海竜セプロンと激闘を繰り広げた地でもあった。
新たな冒険の目的は黄金の鎧の回収! なるほどね~、そうきたか。そしてシリーズ 1 と同様にビーストが立ちはだかる。今回は解放する必要がないから普通に戦うのだが、敵のビーストを攻撃したり、かつて解放したビーストが助けに来てくれるという点で新鮮さがあった。そして最後には Aduro にも悪の手が伸びたことで、単純に鎧回収だけが目的で無くなった点も良かった。鎧回収だけだと緊急性が低いからね。今後の展開を楽しみにしておこう。
ところで今回のビーストの日本語の名前、最初はイカゼファー??って思ったけど、怪物イカ・ゼファーか (笑。あと、Malvel は 6 体のビーストでそのまま Tom を襲えば良いのでは? とか、さっさと Aduro を始末すれば? とかは考えてはいけない。Malvel は悪の親玉としてお約束の行動をとってくれており、Tom の成長を促してくれているのだ 。うん。
#8: Claw the Giant Monkey
YL | 4.1 |
総語数 | 9,537 |
邦訳 | 黄金の鎧: 大猿クロウ |
米国版 | Claw the Giant Ape |
黄金の鎧の一部、チェーンメイルを確保しに王国の南東にある暗黒のジャングルにやって来た Tom と Elenna。草木が茂ったジャングルを進み、不気味に沼地を越えると巨大な猿のビースト、クロウが突然襲って来た。しかもクロウの首にはチェーンメイルが結び付けられていた!
沼を歩くと蛭が纏わりついてくるという描写があり、今までで一番不気味さが伝ってきたね……。もっとそういう描写増えても良いのよ。しかしシリーズ 2 のビーストはシリーズ 1 よりも強敵だね。そして Tom が解放したビーストを呼ぶ様は FF の召喚獣を思い起こさせる。ビースト vs. ビーストは規模がデカくて良い。でもバトル系の描写ばかりだと飽きるので、もっと人と交流するシーンも読みたいのだが、どうかなー。ビーストとの対決がメインの物語だから、あんまりなさそうではあるな。
そういえば、今回プロローグで登場した人達は再登場しなかったな。ということは、第 1 巻以来の犠牲者なのかな?
#9: Soltra the Stone Charmer
YL | 4.0 |
総語数 | 9,182 |
邦訳 | 黄金の鎧: 石魔女ソルトラ |
魔法の地図が示したブレストアーマーの在処は Tom の故郷の村の近くだった! 久しぶりの帰郷に喜ぶ Tom。しかし村が近づくにつれ、違和感を覚え始める。普段なら聞こえるはずの鳥の声はせず、あるのは鳥の石像のみ。そしていよいよ村の畑まで到達した彼らが見たのは、石化した村人の姿だった。
遂に Tom の故郷が舞台! 育ての親との再会など見所が多くてなかなか面白かった。それに今までのビーストは完全に獣で凶暴だったけど、今回は人に近い姿で、石化や魅了の力が脅威になるという点は怪談めいた不気味さがあって良かった。まぁでも、正直ビーストとの対決自体はそこまで長引かなくて良いので、今回みたいにストーリー部分を充実させて欲しいな。
#10: Vipero the Snake Man
YL | 4.1 |
総語数 | 9,399 |
邦訳 | 黄金の鎧: 蛇男ヴィペロ |
次なる鎧の一部、レッグアーマーを求めて王国南の砂漠の入り口までやって来た Tom と Elenna。しかし尋常ではない暑さだったため、Storm と Silver をどこかで休ませておくことにした。幸い近くに小さな街を見つけたので様子を見に行った一行。しかしそこでは、水も人の気配も感じられなかった。
尋常でない暑さ、砂嵐、そして水不足と砂漠の脅威がよく表現されていたかな。でも Tom と Elenna は結構無茶というか、細かいこと考えずに冒険にでるよね。もうちょっと準備しなさい (笑。まぁ綿密な用意をする場面を永遠と描かれてもしょうがないし、そんなもんか。さて、鎧は兜、チェーンメイル、ブレストアーマー、レッグアーマーと揃ったので、次は腕の装備かな? でもそうすると 6 つめのパーツは……なんだ? 気になる。
#11: Arachnid the King of Spiders
YL | 4.2 |
総語数 | 9,331 |
邦訳 | 黄金の鎧: 巨大グモアラクニド |
米国版 | Arachnid The Spider King |
黄金の鎧の一部、ガントレットが隠されている山脈の麓を目指し旅を続けていた Tom と Elenna は、麓近くの街に辿り着く。そこでは国王の誕生日を祝って賑わっていた。しかし二人は、最近近くの洞窟で友人を亡くしたという女性と出会い、街では最近不気味な出来事が発生しているという話を聞く。
蜘蛛の化け物を倒し、5 つめのパーツもゲット。そしてガントレットを装備すると剣の腕が上がるらしい。相変わらずスゴイ性能だ。黄金の鎧を装備したらたしかに超人になるし、Malvel が警戒するのもうなずけるな。そして今回は洞窟が舞台だったから stalactite (鍾乳石) と stalagmite (石筍) が頻繁に出てきた。正直、今までどっちが上から生えていて、どっちが下から生えている奴かちゃんと覚えていなかったけど (文脈から推測できるし)、何回も出て来たから覚えた~。stalactite が天井から、stalagmite が床から伸びてるヤツだな。
#12: Trillion the Three-Headed Lion
YL | 4.1 |
総語数 | 9,043 |
邦訳 | 黄金の鎧: 三頭ライオントリリオン |
最後の鎧のパーツ、ゴールデンブーツを求めて王国中心部までやって来た Tom と Elenna だったが、なんと馬人テーガスが三頭ライオンと争っている光景を目にする! 劣勢のカーデスを助けるべく、早速 2 人は参戦する。
今回のプロローグは馬人テーガスの視点で、しかもいきなり敵のビーストと争うという今までになかった展開は良かった。まぁその後の展開はいつも通りではあったけど、黄金の鎧も集まり、Tom はとんでもないパワーアップしてしまった。強すぎる……! 剣が力不足気味になってきたので、シリーズ 3 では剣のパワーアップがあるかな? しかし、この巻で Aduro の救出まで行くと思っていたけど、それは次に持ち越しなのは少し残念。まぁシリーズ 3 までは読むつもりだったので、そこで見事解決してくれれば良いか。
ところで最後のパーツはゴールデンブーツだったか。最初 6 つのパーツに分かれたと知った時は、頭・右腕・左腕・胴体・右足・左足だと思ったけど、実際には頭・胴体・胸・両腕・両脚・両足だったな。チェーンメイルとブーツの発想はなかったなぁ。鎧に詳しい方はすぐわかったのかな……?
Series 3: The Dark Realm (13 ~ 18 巻)
黄金の鎧を取り戻した Tom 達の目の前に不気味な門が現れた。その先は Malvel が支配する闇の王国 Gorgonia。鎧を取り戻したことで Aduro に力が戻り見事 Malvel の手から脱出したが、代わりに Avantia 王国の 6 体のビーストが捕らえられてしまった。さらに Malvel は新たな悪のビーストを Avantia 王国に送り込もうと画策する。
#13: Torgor the Minotaur
YL | 4.0 |
総語数 | 9,064 |
邦訳 | 闇の王国: 牛怪人トーゴー |
目の前に現れたライオンの門をTom 達がくぐると、そこは Malvel が支配する王国 Gorgonia だった。幸い、Aduro は力を取り戻し Malvel の手から脱出する。しかし Avantia 王国の善のビーストが捕らえられ、Malvel の新たなビーストが Avantia 王国を狙えっていた。悪の企みを阻止するため、Tom は Gorgonia 国内で Malvel に立ち向かう。最初の相手は牛怪人トーゴー!
色々な出来事が起こった巻でなかなか面白かった。いやしかし、Aduro は無事逃げられたのかい! その展開は前の巻の最後に入れておきなさいよ (笑。そしてまた Malvel の手に落ちる善のビースト達……。善のビーストの株が下落中。いや、Malvel が強いということだな、うん。今回は前回に続いて馬人テーガスを救う回だったけど、ケンタウロス vs. ミノタウロスという状況はなんか面白かったな。他にも Gorgonia 国内の村は Tom に非友好的だったり、Malvel に犯行する人間がいたり、謎の門番の存在だったりと、ストーリー的にも気になる要素が出てきて良かった。
そういえばせっかく揃えた黄金の鎧、城の武器庫に戻ってしまい Tom はまた初期装備に戻ってしまった。でも鎧の魔法の力は残ったままという、ご都合主義 (笑。まぁずっと鎧装備だと絵面がイマイチだしな。しょうがいないね。
#14: Skor the Winged Stallion
YL | 4.1 |
総語数 | 9,079 |
邦訳 | 闇の王国: 魔馬スコール |
川辺で牛怪人トーゴーとの戦闘の負傷を癒していた Tom 達。その時、水面に Aduro の幻影が映し出され、2 体目の悪のビースト魔馬スコールの存在が告げられた。そして捕らわれているのは炎鳥エポス。Tom 一行はスコールを倒すため、熱帯雨林へと向かう!
今回は新たな登場人物として、Malvel の手下の Seth が登場。Tom より 1 ~ 2 つほど年上らしい。強キャラ感を出して登場したけど、結構アッサリ Tom に負けてしまった。まぁ Tom は強化されまくっているからな……。というか、すでに Tom は Seth と知り合いらしい。なんでも 2 匹の幼竜を解放した時に出会ったとか。Special Bumper Edition で “Vedra and Krimon: The Twin Dragons(双竜ベトラとクリモン)” というのがあるから、ここで出会ったっぽい。まぁなんにせよ、Seth 君にはもっと頑張って欲しいところ。
#15: Narga the Sea Monster
YL | 4.1 |
総語数 | 9,732 |
邦訳 | 闇の王国: 海獣ナーガ |
捕らわれの海竜セプロンを救いに、Tom と Elenna は海へ向かう。しかし道中、賞金稼ぎを名乗る男性 Jent とその仲間達に遭遇。なんと Tom 達には Malvel により賞金が掛けられていた! Jent 一行と一戦交える 2 人だったが、Elenna が Jent に捕まり連れ去られてしまった――。
まずプロローグにレジスタンスの姉弟が登場したけど、なかなかの悲劇で良かった。シリーズ 3 に入ってから展開が多彩になってきたけど、描写も少し過激になってきた感じある。個人的にはうれしい変化。あとはもう少しストーリー性があればなぁ。でも、今回はレジスタンスのメンバーと Tom 達に面識ができて、隠れ家も教えてもらったので、次巻では再会もありえるかな? レジスタンスの活躍なんかも描かれれば良いな~。
#16: Kaymon the Gorgon Hound
YL | 4.1 |
総語数 | 8,591 |
邦訳 | 闇の王国: ゴルゴン犬ケイモン |
雪獣ナヌークを救うため Gorgonia 王国の南に進んでいた Tom 達は、峡谷で綺麗に咲き誇るブルーベルの群生地を見つける。しかしよく見ると、その中心には岩に繋がれたナヌークがいた! 慌ててナヌークを救おうと掛ける Elenna と Silver。しかし、突如ブルーベルの雄しべが刃となり、彼女達に襲い掛かったのだった。
今回はゴルゴン犬との戦場が城であり、建物をうまく活用して戦う 2 人の描写はとても良かったかな~。しかし今回特筆すべきは Silver だな。第 1 巻から登場していた Silver がここにきて(一時) 退場とは……。まぁ 18 巻あたりで復帰しそうなきもするけど。しかし新たに Tom が手に入れた謎の影の力も気になる。果たしてどのような活躍をしてくれるのか……?
#17: Tusk the Mighty Mammoth
YL | 4.1 |
総語数 | 9,298 |
邦訳 | 闇の王国: 超マンモスタスク |
魔法の地図により、火龍フェルノが捕らわれているのはレジスタンスのキャンプの近隣にある森と判明。早速現地へと向かった Tom と Elenna だったが、森で繁殖しているシダ植物に苦戦し、ついに Elenna が捕らえられてしまう。一方でフェルノにも危機が迫っており、苦渋の決断で Tom は 1 人フェルノの元に向かうが――。
遂にレジスタンスのキャンプ地が登場! まぁ思っていたより結構アッサリした展開だったけど、Seth が再登場し、しかも思ったより強敵だったのは良かった。というか、今の Tom と互角に渡り合えるのはスゴイな! しかし、ひたすら Tom ばかり強化されていくのは、やはりパーティーとしてはバランスが悪いよなぁ。Elenna の弓矢強化とか、Storm や Silver に魔法の鞍やハチマキを装備して能力アップとかで、もっと Tom 以外も活躍できる要素を増やして欲しいな~。さて、次巻はついにシリーズ 3 の最終巻。どうなるのかな?
#18: Sting the Scorpion Man
YL | 4.1 |
総語数 | 9,377 |
邦訳 | 闇の王国: サソリ男スティング |
魔法の地図を見ても捕らえられているハズの山男アークタの居場所が判明せず、途方に暮れていた Tom と Elenna だったが、Tom の持つ魔法のコンパスを頼りに西へ向かっていた。すると前方に矢を受けて傷つき倒れている少年を見つける。しかし Tom は彼を助けるか迷っていた。なぜならその少年は、Malvel の手下である Seth だったのだ――。
今回の序盤の展開は驚いた! 多分 18 冊読んできた中で一番驚いた展開だった。ナルホド、そういうケースもあるのか。そういう驚きの展開とか伏線とかがもっと序盤からあればより楽しめたのだけどなぁ……。まぁともかく、6 体目のビースト・スティングとの対決も終わり、Malvel の城も崩壊したということで闇の王国の冒険も終わった! しかし、てっきり闇の王国の住人も Malvel から解放されるものと思っていたけど、そうでもないみたいだ。まだまだ先の展開があるということかな。
さて、これで 3 シリーズ分読み終わった! 各シリーズが 6 冊で終わるし、冒険の目的がハッキリしているのは良かった。でも個人的にはストーリーや会話を楽しみたかったので物足りなかったかなぁ。正直、各シリーズの最初と最後の巻以外は、基本的にビーストと戦うだけの話だからな……。それでもシリーズ 3 は 1、2 と比べれば展開が多彩になって、過酷な場面も増えたのは良かった。しかし第 100 巻ぐらいにもなれば、物語的にも捻りが効いたストーリー展開になっているのかな? そういう意味では先が気になるけど、とりあえず Beast Quest は 18 冊読んで満足した!
Beast Quest シリーズ 語数・YL 一覧 (18 巻まで)
No. | YL | 語数 | タイトル | 出版年 |
---|---|---|---|---|
Series 1: Where It All Began (58,963語) | ||||
1 | 4.0 | 10,026 | Ferno the Fire Dragon | 2007 |
2 | 4.1 | 9,492 | Sepron the Sea Serpent | 2007 |
3 | 4.1 | 9,665 | Arcta the Mountain Giant | 2007 |
4 | 4.0 | 10,386 | Tagus the Horse-Man | 2007 |
5 | 4.1 | 9,717 | Nanook the Snow Monster | 2007 |
6 | 4.1 | 9,677 | Epos the Flame Bird | 2007 |
Series 2: The Golden Armour (56,205語) | ||||
7 | 4.1 | 9,713 | Zepha the Monster Squid | 2008 |
8 | 4.1 | 9,537 | Claw the Giant Monkey | 2008 |
9 | 4.0 | 9,182 | Soltra the Stone Charmer | 2008 |
10 | 4.1 | 9,399 | Vipero the Snake Man | 2008 |
11 | 4.2 | 9,331 | Arachnid the King of Spiders | 2008 |
12 | 4.1 | 9,043 | Trillion the Three-Headed Lion | 2008 |
Series 3: The Dark Realm (55,141語) | ||||
13 | 4.0 | 9,064 | Torgor the Minotaur | 2008 |
14 | 4.1 | 9,079 | Skor the Winged Stallion | 2008 |
15 | 4.1 | 9,732 | Narga the Sea Monster | 2008 |
16 | 4.1 | 8,591 | Kaymon the Gorgon Hound | 2008 |
17 | 4.1 | 9,298 | Tusk the Mighty Mammoth | 2008 |
18 | 4.1 | 9,377 | Sting the Scorpion Man | 2008 |
※ | YL は自己評価 |
※ | 語数は AR BookFinder より (計170,309語) |
※ | AR BookFinder 記載の語数データは米国版 Beast Quest だと思われる。米国版でも英国版と語数はほぼ同じはず |
その他の洋書・児童書についてはおすすめの洋書75選で。
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