地下室の扉の先には魔法の世界が! 悪の魔法使いから世界を守れ! という、魔法ファンタジーの物語「The Secret of Droon (秘密のドルーン)」。

1 巻がなかなか面白かったので全 44 巻読んでみました! 実は 10 ~ 20 巻辺りは少しマンネリを感じて読むのを止めようか迷ったりもしたのですが、後半戦開始となる 22 巻からまた面白くなってきたので、やめずに読んで良かったです!

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シリーズ

概要

日本語タイトル秘密のドルーン
著者Tony Abbott (トニー・アボット)
巻数全44巻 (通常版: 36冊、Special Edition: 8冊)
YL3.3~3.9
語数各巻 約7,400~約28,700語 (計582,707語)
魔法と冒険でいっぱいのドキドキ冒険ファンタジー

かつて地上世界と Droon、2 つの世界をつなぐ階段が存在した。しかし悪の魔法使いが地上世界の征服を企んだため、とあるウィザードがその階段を魔法で封じていた。しかし、年月が経ち封印が弱まり再び魔法の階段が現れる。Eric、Neal、Julie の 3 人は偶然にも地下にあったその階段を発見してしまい Droon の世界に迷い込んでしまう。そして Droon で起こる善と悪の争いに関わることとなる――。

The Secret of Droon は魔法が存在する世界 Droon を舞台にした冒険ファンタジー。もちろん子供向けなのでスリルや展開に物足りなさもあったけど、少年少女が未知の世界で冒険を繰り広げるというワクワク感や衝撃な展開が面白かった。全体的に、読んでいて感じた特徴は以下。

  • 先の気になる情報がちりばめられており、驚きの展開が多い
  • 戦闘や地形の描写がそれなりに細かく、英文の読解力が問われるようになってくる
  • ハリーポッターなど、より本格的な魔法ファンタジーを読む前に丁度良い題材
  • 独自の人名や地名が多く、時間を空けて読むと忘れやすい (マジで)。軽くメモしておくと良いかも
  • 全 44 巻はやっぱり長い! 特に 10 ~ 20 巻辺りはマンネリ感が強い……
  • 物語は後半 (22 巻から) の方が面白い。第 1 巻から登場する敵 Sparr の印象も変わってくる

このシリーズの良いところは、とにかく謎や伏線の回収、先の気になる展開が多い事。衝撃の事実の発覚で思わず声を出してしまうことが何回かあったし、予想外の展開も多かった。伏線回収まで時間がかかることもあったけど、基本的には気になる謎はキッチリ説明されて、最終巻を読み終わった時は満足感が高かった!

英文は、会話部分はそこまで難しくなかったけど、戦闘や地形描写がそれなりに詳しく記載されていたので、結構しっかり理解しながら読まないと途中でよくわからなくなるかな。まぁ物語の流れ的にはその辺は理解しなくてもたぶん大丈夫だとは思うけど。あと、人名・地名が数多く出てきたけど、馴染みのない名前が多いので覚えにくいし忘れやすかったかな。Wiki などを検索して確認しても良いけど、ネタバレが嫌ならある程度はメモしながら読んだ方が良いと思う。本当に全然思い出せないキャラクターとかいたし……。

それで、このシリーズの欠点としては物語が長すぎること。子供向けなので敵・味方共に止めを刺す展開が無いのだが、それにより同じキャラクターの再登場が多く、同じような展開が多い。特にシリーズ前半では悪の魔法使い Sparr が毎巻登場するので、ちょっとウンザリ……。まぁ Sparr に関しては、22 巻で意外な展開が起きて、彼に関する印象はガラッと変わったのだが。シリーズとしては全 25 巻ぐらいでまとめてくれるか、道中で敵の幹部なり手下なりを倒して冒険が少しずつ進んでいる感覚を味わうことができれば良かったかな。

最初の区切りは第 8 巻

まず、The Secret of Droon シリーズは通常のナンバリング巻 36 冊と語数が多めの Special Edition (以下 SP) 8 冊で構成されていたのだが、SP は内容的に独立しておらず特定の巻の続きだった。例えば、SP 1 巻は 16.5 巻、SP 2 巻は 21.5 巻みたいな感じなので、読む順番を守らないといけない。紛らわしい!

それで、このシリーズには明確な物語の区切りは無いのだが、読んでみた感想としては以下のように分類できるかなと。人間関係などがだんだん複雑になっていくので、中途半端な巻で中断すると登場人物や地名を忘れる可能性が高いと思う。以下の区切りを目安に一気に読み進めるのが個人的なおすすめ。

前半 (上)8 冊: 1 ~ 8 巻
前半 (中)9 冊: 9 ~ 16 + SP 1 巻
前半 (下)6 冊: 17 ~ 21 + SP 2 巻
後半 (上)9 冊: 22 ~ 25 + SP 3 + 26 ~ 28 + SP 4 巻
後半 (中)4 冊: 29 ~ 31 + SP 5 巻
後半 (下)8 冊: 32 ~ 34 + SP 6 + 35 ~ 36 + SP 7 ~ 8 巻
物語の本番は後半 (22 巻) から

物語の前半 (SP 2 巻まで) は Sparr を相手にすることが多いのだが、9 巻ぐらいから似たような展開が多くてマンネリ気味なのと、試合に勝って勝負に負けるみたいな感じでスッキリしない事が多く、多少読み続けることにストレスを感じていた……。いや、驚きの展開とか意外な事実が色々とあるので面白くもあるのだが。

しかし、物語の本番は 22 巻からだった! ここからは相手にする敵が変わり、新たな仲間も加わって展開が大きく変化した。スッキリとした結末が増えたので前半よりも楽しく読み進められたので、もし 16 巻 (+ SP 1 巻) とか 21 巻 (+ SP 2 巻) とかまで読んだのであれば、そこで止めずに 23 巻までは読んでみて欲しいと思う……!

序盤の主な登場人物

少年 Eric と、彼と幼稚園の頃からの友人 Neal、Julie が地上世界の主な登場人物。この 3 人と、Droon に住む王女 Keeah、老ウィザード Galen、そして蜘蛛男 Max が冒険の主要メンバーとなる。また、巻によっては同行する仲間がいたりいなかったりするが、名前と種族名があるので最初は結構紛らわしい! とりあえず序盤 (16巻+SP 1 巻まで) の中で、複数回登場する主なキャラクターは以下の表の通り。

また、敵味方で魔法を使うキャラクターは何人かいたけど、使う魔法の種類で呼び方が変わるらしい。基本的にはウィザード、ウィッチ、ソーサラー/ソーサレスの 3 種類。黒魔道士と白魔道士みたいな違いなのかな?

地上世界の主なキャラクター
Eric主人公の男の子
NealEric の親友の男の子
JulieEric の親友の女の子
Droon の主なキャラクター
KeeahDroon の王女。修行中のウィザード
ZelloKeeah の父。国王
RelnaKeeah の母。王妃。消息不明
Galen500 歳以上の老ウィザード
MaxGalen に仕える Spider troll。体は蜘蛛で頭はトロル
Sparr悪のソーサラー。世界征服を企む
Demither海のウィッチ。Keeah や Sparr 達と何らかの因縁がある
一時的な旅の仲間達
LeepGalen のペット。pilka という種族。足が 6 本あるラクダみたいな姿
KhanLumpy という種族の王。枕みたいな姿
BatamogiOobjaという種族の王。狐のような耳をしている
Friddle発明家。耳が大きく、眼鏡をしている
Shago大泥棒。ネズミのような顔

導入のあらすじと簡単な感想 (8冊: 1 ~ 8 巻)

YL (読みやすさレベル) は自己評価。語数は AR BookFinder より。

地下室に別世界 Droon へ通じる階段を偶然見つけてしまった Eric、Neal、Julie の 3 人は、Droon で世界征服を企む悪の魔法使い Sparr や、彼に対抗する王女 Keeah と老魔法使い Galen と出会い、Droon そして地上世界の危機を救う戦いへと身を投じる事となる。

#1: The Hidden Stairs and the Magic Carpet
YL3.3
総語数7,439
邦訳かくし階段と魔法の空

少年 Eric は友人 Neal や Julie と共にサッカーで遊ぶ約束をしていたが、母から地下室の掃除を頼まれていたことを思い出し意気消沈。幸いにも Neal が手伝ってくれると申し出て、2 人は地下室へ向かった。部屋のあまりの惨状に驚く 2 人だったが、そこに Julie もやってきて 3 人でサッカーボールで遊び始めた。すると、階段下に小さなある部屋に気づくのだが――。

地下室の階段下にある小さな部屋は別世界への入り口だった! という、ありがちだけど、やっぱりワクワクする導入! 悪のウィザードが地上世界を狙っているだとか、森で正体不明の生物から襲われているところに謎の少女が助けにくるとか、冒険ファンタジーの王道で面白い。Droon の地名や人名が序盤からポンポンでてくるので慣れないと少し面食らうかもしれないけど、話自体は複雑ではないので読みやすい。終盤は少しアッサリ気味で物足りなかったけど、全 44 冊もある長いシリーズなので、今後の展開が楽しみだ!

#2: Journey to the Volcano Palace
YL3.5
総語数7,881
邦訳火山宮殿への道

Droon で悪のウィザード Sparr に追いかけられる悪夢を見てベッドから落ちた Eric。このことを友人の Neal と Julie に相談するも、2 人も同じように Droon の夢を見ていた! そこで彼らは地下室へと向かい、小部屋に入りライトを消した。すると、以前と同じように階段が現れた! 今度は Droon の何処に通じているのだろうか。疑問に思いながら、3 人は階段を降り始めたのだった――。

今回は砂漠と火山が舞台。前巻で、自然の力を司る The Red Eye of Dawn という宝石を手に入れた Sparr により Droon の平和が脅かされており、その宝石を Sparr から奪取するために Eric 達が協力するという流れ。火山での探検はなかなかスリルがあって面白かった! しかし Sparr は宝石の力で火傷を負って一度撤退していたという描写があったので、思ったよりもドジっ子なのかもしれない (笑。そして Droon には色々な種族がいるけど、その種族名と個体名がそれぞれ出てくるのでちょっと紛らわしいな! しっかり覚えていかないと大変だ。

#3: The Mysterious Island
YL3.5
総語数7,718
邦訳呪われた神秘の島

雷鳴が轟く中、地下室にいる Eric と Julie は空中に浮かぶサッカーボールから目が離せないでいた。Neal にも見せようと彼を電話で呼び寄せ、地下室に 3 人が集まると、なんとサッカーボールは Droon の地図に姿を変えた。これを Keeah からのメッセージだと判断した 3 人は再び Droon へと通じる小部屋へと足を踏み入れ、今度は海の上へとたどり着いたのだった――。

船上、そして孤島が舞台。Droon に着いた途端に海の上というのはなかなか過酷な状況で、さららに序盤から魔法の宝石をめぐって激しい展開だった。難易度の割りには過激な内容だな……! あと、前巻で登場した Demither が支配する島が主な舞台だったけど、虫が多くてなかなかツラそう。とういか、Demither は思ったよりも大物だったね。最後の展開も予想外だったし、Demither は今後も重要な役割を果たしそうだ! でも今回の MVP は Neal。彼はかなり大変だったと思うけど、だいぶ活躍したよ。

#4: City in the Clouds
YL3.5
総語数7,991
邦訳空中都市の伝説

前回の冒険から 2 週間。学校帰りのバスの中で Eric 達が Droon のことを話していると、突然 Neal の足が虫になってしまった! 以前 Keeah が Neal に誤って掛けてしまった魔法が再発したようだ。彼らは急いでEric の家の地下室へ向かい、Droon へと旅立った。するとそこは空中! 彼らは急いで階段下に浮遊してきた謎の銀色の物体に飛び移った――。

今回の舞台は空中都市 Ro。Ro は普段は姿を消して Droon を彷徨っているが、年に一度だけダイヤモンドを採掘するために特定の場所に姿を表す。そしてそこを Sparr に狙われて……という流れ。飛行船やら飛行機やら出てきて、思ったより科学が発達した世界なのかとも思ったけど、浮遊動力が魔法なのかもしれないな。それに Keeah の母の情報や Sparr が残した未来についての発言など、気になる要素はまだまだ出てくる。この先も色々とありそうだ。いやしかし、Neal の受難再びだったな。また虫になるとは思っていなかった……!

#5: The Great Ice Battle
YL3.4
総語数7,725
邦訳未翻訳

Eric が Sparr の手助けをする。以前 Sparr かわ言われた内容に恐怖を抱く Eric は、Julie や Neal と野球で遊んでいる最中も Sparr のことが頭から離れない。彼の様子を Droon からのメッセージととらえた 3 人は、地下室から Droon へ向かい洞窟の中に到着した。しかしそこで彼らを出迎えたのは、唸り声を上げる赤眼の生物たちだった――。

舞台は Droon の王都 Jaffa City。今までこの都市の名前は出ていたけど、遂に王都に来た! しかし Sparr の手により太陽が遮られ、建物も市民も雪と氷で覆い尽くされてしまうという大惨事に! Sparr は巻を追うごとに強大になってきている気がする。最初は結構扱いやすかった気がするのに。そして、かつて王妃が力を封じた巨人 Zor の情報が出てきたりと、まだまだ物語は解決の方向に進まず危機が迫ってきている感じ。果たして Sparr との決着はいつつくのか気になるな。流石に最終巻まで引っ張るということは……ないよね?

#6: The Sleeping Giant of Goll
YL3.6
総語数8,267
邦訳未翻訳

土曜日の朝。前回の冒険から 2 週間、今日も Droon の夢を見なかったことにがっかりしていた Eric と Neal。そこに Julie がやってきて、Droon の世界で空を飛び、多数の黄金の冠を見た夢のことを喜々として話し始めた。夢は Droon へ行くサインと考えた 3 人は早速出発し、今度は円形に並んだ木々の中に到着した。しかし木々の様子がおかしい。そう思ったのもつかの間、3 人は突然動き出した木々に捕まれ、身動きが取れなくなってしまった――。

Sparr は、The Red Eye of Dawn と同じ力の一つである Golden Wasp を取り戻そうとしていた。その目的に利用するため Zor の復活を企んでおり、それを妨害しようといつものメンバーが立ち塞がるという話。Zor は銅の巨人で、かつて世界を支配していた古代帝国 Goll があった場所に眠っているとか、Sparr の出身は実は……とか、さらに話が膨らんでいく。敵は力もサイズもどんどん強大になってきているな。子供達も負けずに活躍していってもらいたい。しかし、どう発音するのかイマイチ分からない固有名詞が増えてきたな……!

#7: Into the Land of the Lost
YL3.5
総語数9,050
邦訳未翻訳

シンクの水漏れを修理している Eric と Eric の父。そこに Neal と Julie が訪ねて来たが、配管が破裂し水浸し! 3 人は Eric 父に頼まれ地下室に道具を取りにいくと、部屋に置いてあったサッカーボールに Keeah からのメッセージが浮かび上がった。慌てて 3 人は小部屋に入り Droon へと向かい、岩が多い平原へと降り立つ。そこには、Leep に乗って駆けている Keeah と Max、そして 彼女達を追う Sparr の姿があった――。

幽霊が住まう街 Agrah-Voor を舞台に、2 つ目の魔法のアイテム Golden Wasp の争奪戦! Keeah が催眠状態にされたり、街が滅茶苦茶にされたり、今回も結構 Sparr にいいようにやられてしまったな。最後はなんとか治安を回復させるも、ここのとろこは Sparr が一枚上手のイメージ。そろそろ反撃して追い詰めていって欲しいが、まだ 3 つ目のアイテムもあるしなぁーと思っていたところで、最後の展開にはかなりビックリ! 果たして Eric 父の運命は……!? 相変わらず先が気になる展開を作るのがうまいね。

#8: The Golden Wasp
YL3.5
総語数9,552
邦訳未翻訳

Julie が誤って自分のブレスレットと Droon のブレスレットを間違えて地上世界に持ち帰ってしまった直後、Eric 父が子供達の目の前で消え、代わりに小型犬に似た Droon の生物が現れた! なんとか生物を確保した Eric 達は、Eric 父と Julie のブレスレットを取り戻すため Droon へと引き返した。着いた先は Jaffa City。しかし様子が慌しい。どうやら、Zorfendorf で Droon 中の国王と王妃達が一堂に会するらしい――。

Sparr の居城 Plud にて、Golden Wasp を使った Sparr の企みを防ぐ話。最近は Sparr に一歩先をいかれていた感じだったけど、久しぶりに完勝! まさか Eric 父が Droon に来るとは思っていなかったし、父にもちゃんと活躍の場があるとはね。 良い展開だった。しかも、また最後には気になる情報が出てきてさぁ。果たして Keeah は地上世界とどんな関りがあるのか……気になる。この巻はかなり満足できて面白かった!

導入のあらすじと簡単な感想 (9冊: 9~16 + SP 1 巻)

Eric 達に企みを阻止された Sparr は姿を消した。しかし新たに出現した謎の怪物や Demither が活動を開始する。そして力を蓄え復活する Sparr。Droon を守るため冒険を続ける Eric 達であったが、その過程で Keeah や Demither の過去、Sparr と Galen の関係など、驚くべき事実が次々と明らかになっていく。

#9: The Tower of the Elf King
YL3.5
総語数9,747
邦訳未翻訳

夏。Neal の家の庭にあるプールで遊んでいた Eric だったが、昨晩見た Droon の夢の事が気掛かりとなっていた。彼は夢の中で、3 つの赤目を持つ恐ろしい顔を見たのだ。同じように Julie は牙があり火を噴く口を、Neal はブタのような鼻を夢の中で見ていた。夢で見た怪物と対峙するため彼らは Droon へと向かうと、彼らはプールの上空に出た。いやまて、これはプールじゃない。煮えたぎった大釜だ……!

Sparr が消息不明となり、新たな怪物が登場! Ninn 達も主人を失い、新たな怪物に仕えているらしいが、Ninn の子供や女性が登場して少し驚いた。いや、そりゃいるか。Ninn 達は知能が高くないから誰かしら指導者が必要らしい。まさか Ninn 達にも (わずかではあるが) 感情移入させられるシーンがくるとは……。怪物の正体自体は意外だったけど、無駄に引っ張る展開では無くて良かった。そして最後は Keeah の身を案じる感じて終わる。次の巻では彼女に再会できるのかな? 気になるね。

#10: Quest for the Queen
YL3.6
総語数10,428
邦訳未翻訳

学校。母を探しに 1 人で旅立った Keeah を心配していた Eric だったが、洗面所にて石鹸の泡が Galen の顔の形になり、算数の小テスト中にはチョークが浮かび上がり黒板に “SHE IS LOST” の文字を書き記したのを見た。授業後、Eric、Neal、Julie の 3 人は慌てて帰宅し、Droon へと向かった。着いた場所は海岸。しかしそこでは、小舟が岩に衝突しそうになっていた――。

Keeah を追ってたどり着いたのは、法で魔法の使用が禁止されている森 Bangledorn。そこでは丁度、7 年に 1 度の Droon Quest という名の障害物競争が開催されるタイミングであり、Droon 中から様々な種族が集まっていた。その中に、怪しげな 2 人組がいて……という流れ。今回は海の魔女 Demither が話題に出てきて、今後は Demither と対決していきそうだね。しかし Keeah についてはさらなる謎が明かされ、もしや彼女は……という非常に気になる展開にもなって来た!果たして Demither と Keeah の謎はいつ明らかになるのか。

#11: The Hawk Bandits of Tarkoom
YL3.6
総語数11,598
邦訳未翻訳

Droon へと通じる唯一の手段である地下室の小部屋を掃除しながら、Eric と Julie は Keeah の持っている魔女の力について考えていた。そんな時、Neal と彼の飼い犬 Snorky が庭に来ているのに気づき、2 人も庭へ向かった。しかし Snorky は Eric の家の中を走り回り、地下室の小部屋へ逃げ込む。さらに運悪く、Droon への道も通じてしまった! 3 人は急ぎ Snorky を追って Droon へと降り立ったのだった――。

400 年前に死んだ双頭の魔法生物 Kem が現れる。それはかつて滅んだ古の帝国 Goll の時代の街 Tarkoom、そして鳥人の盗賊 Ving の復活を示唆していた……、という、今回は滅んだ街を舞台にした冒険。珍しく Galen の活躍が光ったね。そして最後に Sparr の存在を匂わせてきて、彼との対決が徐々に近づいてきた雰囲気がでてきた。近々 Demither との再会もあるだろうし、物語がどう転がっていくのかまだまだ気になる。しかし、流石に Snorky を Droon に連れて行く流れは強引だったな。

#12: Under the Serpent Sea
YL3.6
総語数11,398
邦訳未翻訳

Eric は夢で見た嵐の日のことを友人に相談していた。夢では、彼は 4 歳であり、嵐に怯え地下室に隠れていた。そして地下室の小部屋の扉が開き、大人の女性と4 歳ぐらいの女の子が出てきて、女性が女の子に赤い光を与え、2 人は窓からどこかへと飛び去ったのだという。これは夢ではなく、Eric が幼少期に体験した記憶なのではないか。そう考えた 3 人は疑問を解消するため、Droon へと向かった――。

今回の舞台は Demither の本拠地。ついに、Keeah が地上世界に来ていたことと、Keeah と Demither の接点に関する謎が明かされた。まだ問題は残っているけど、ある程度スッキリして良かった。しかし Sparr は活動を再会した。今後は Sparr の 3 つめの魔法のアイテムの行方に迫って、その後は Sparr と最終決戦という流れになるのかな?

#13: The Mask of Maliban
YL3.7
総語数12,246
邦訳未翻訳

Eric は魔法が使えるようになっていた! 前回の冒険で Keeah に魔法で助けてもらってから、不思議な力を感じるようになっていたのだ。しかし Neal とJulie に見せようとすると魔法が発動しない。そこで彼は自分が魔法を使えることを秘密にすることにした。そして Neal と Julie が学校の集会中に居眠りをして Droon の夢を見たということで、 3 人は Droon へと向かうことにした――。

今回の主な舞台は超巨大亀の背に陣する悪と危険の街 Tortu。脱走した仮面職人 Hob がTortu の王子 Maliban の下へ向かったという情報を得て、Eric 達が Tortu へ向かうという流れ。ついに Eric 達も魔法を使えるようになっていくのか!? というワクワク感もありながら、Eric が悪の魔法使いに取り込まれるのでは……みたいな不安も残る。Sparr も本格的に活動を開始しそうだし、今後の展開も目が離せないな……!

#14: Voyage of the Jaffa Wind
YL3.7
総語数13,999
邦訳未翻訳

サッカーの試合中、頭の中にルビーオーブのビジョンが見えた Eric は Neal と Julie にそのことを伝え、試合のハーフタイム中に Eric 家の地下室へ向かった。Droon に着くと、そこは Jaffa City 壁外の浜辺。近くの塔には Keeah と Max がいたので 3 人は向かった。楽しく会話をしていた彼らだったが、Max がはずみでルビーオーブを転がしてしまう。するとオーブが浮かび上がり、Max を中に取り込んでしまった! そしてオーブは、海の彼方へと飛んで行ってしまった――。

今回は Max の救助が目的で、彼の行方を追って船で航海! 乗組員は過去巻で登場したいつものメンバーが何人もいて、なかなか楽しい内容。Sparr も相変わらず悪いことを企んでいたけど、彼との対決も佳境に入ってきた感じがある。Eric も魔法使いとしての活躍が増えて、Keeah や Galen が居なくてもなんとかなる展開が増えてきた。これは Neal と Julie も今後は魔法を使うようになるのかな?

しかし 10 巻あたりから 1 冊の長さがだいぶ長くなってきたな。この巻は第 1 巻の 2 倍弱もある。全体的にもう少しコンパクトに物語をまとめてくれていれば良かったんだけどなー。

#15: The Moon Scroll
YL3.7
総語数13,345
邦訳未翻訳

自宅で家族とアルバム写真を見ていた Eric だったが、Julie が慌ててやって来た。なんと Julie の一家が近々引っ越すというのだ! すでに彼女の家の庭には “For Sale” の看板があった。そこに Neal がやって来ると、いつの間にか看板には Keeah から呼び出しのメッセージが描かれていた。Keeah に Julie の事を相談しようと決意しながら 3 人は Droon へ向かう。しかし到着直後、多数の Ninn 達に見つかったのだった――。

Galen の指示に従い、Moon Scroll に記された強力な魔法の杖 Urik を手に入れるのが今回の目的。まずは Julie の引っ越しという問題が発生したけど、Droon とは (おそらく) 無関係な部分で問題が発生するのは盲点だったな。Ericと Neal にとって Julie は家族みたいな存在だったみたいで、ショックをつけているシーンはなかなか悲しい。他にも Urik を捜し出す過程で Sparr の子供時代のことが少し明かされたけど、過酷な幼少期を過ごしていたようだ……。詳細は持ち越しだったので、Julie の引っ越しの件と合わせて次巻が楽しみた!

#16: The Knights of Silversnow
YL3.7
総語数12,962
邦訳未翻訳

Julie 引っ越しの日。手に入れた魔法の杖 Urik を使って引っ越しをどうにかするべきか否か迷っていた Eric と Neal だったが、やはり Julie が遠くに行くことに我慢できず Urik を使うことにした。そして見事魔法が作用し、引っ越し問題は解決! と思いきや、周囲で不思議な現象が起こり始め、3 人は慌てて Droon へと向かった。そして階段を降りた先にあった部屋に、取り乱した Keeah が現れた――。

遂に明かされた Sparr の出生の秘密、そして Ninn 達の悲しき過去……! まぁ Sparr については過去の発言から予想していた通りだったけど、Ninn 達にも辛い過去があったとは。どれもこれも古代帝国 Goll の皇帝 Ko ってヤツが悪いんだ。まぁ Ko はもういないのだが。そして最後の対決ではやはり Sparr が一枚上手だったわけだが、次の巻でどう決着がつくのか。初めての Special Edition なのでワクワクだ!

ところで、Kahfoo という名前の蛇がいて。子供達が Kahfoo の名前を発言すると、その後に誰かが “Bless you” と返していたのはなんでだろうとしばらく思っていたけど、achoo (くしゃみ) と勘違いされていたのに気づいたときは笑ってしまった。

#SP1: The Magic Escapes
YL3.8
総語数16,966
邦訳未翻訳

Eric の家の裏庭にあるリンゴの木に登って語り合う Eric と Neal、Julie の 3 人。しかし Eric が木から降りると赤い稲妻が走った。次の瞬間、彼は黒い階段を登っていたことに気づいた。一瞬前に見ていたのは現実ではなかったのだ! そして一人 Sparr を追いかけていた Eric だったが、ついに Sparr は階段最上部の扉をくくりぬけてしまった――。

ついに舞台は Droon の外へ。と言っても、黒階段の扉の先が予想とは全く異なる場所で驚いた。というか、その後の展開も予想外! てっきり Sparr と派手なラストバトルでも繰り広げるのかなと思っていたけど全然違った。でも Sparr や Galen の関係、魔法の杖 Urik の製作者、Eric の地下に虹の階段がある理由など、今まで語られていなかった部分が色々と明らかになって読み応えがあった! まぁ Sparr については完全解決にならなかったけど、一先ずの決着という感じ。代わりに新たな敵になりそうなのが 2 人現れたので、しばらくはこの 2 人とのやりとりになりそう。あと Demither もか。

導入のあらすじと簡単な感想 (6冊: 17~21 + SP 2 巻)

Sparr の脅威は一旦去った。しかし、彼の代わりに Droon に紛れ込んだ 2 つの悪が Droon の平和を脅かし始める。そして再度 3 つの力を集めんと姿を現す Sparr。一方で、Eric 達の魔法の力もまた、成長の兆しを見せていた。

#17: Dream Thief
YL3.8
総語数13,250
邦訳未翻訳

Eric は怪物と勇敢に戦い、捕まっていた Keeah を助け出した! Keeah から感謝され、民衆から称えられた Eric は、その瞬間これは夢だと気づく。そのまま気分よく夢を見続けていたが、不思議な手から物を渡された後に突然景色が変わり、前回の冒険で出会った小ドラゴンの Jabbo と出会った。Jabbo は、かつて Eric が Sparr から渡された Eye of the Viper を手にしており、その力を使って Droon を支配しようと考えていた。Jabbo によって生み出された怪物に襲われる Eric。しかしこれは夢の中だから大丈夫なはず――。

今回は、Eye of the Viper で力を手にいれ、Droon 征服を企むようになった Jabbo との対決。Droon 中の夢を盗むという大それた真似をしていたけど、もともとはパイ職人で善良 (?) だったからか、対決自体はアッサリ目だったかな。でもその後、あの人物が登場したのは驚いた! この人が物語に絡んでくるとは予想していなかったなぁ。また、Neal と Julie は彼らなりに活躍はしていたけど、やはり魔法を使えるようになった Eric と比較すると物足りなさはあって。それが、今回の最後では Julie が何かしら力を得たと仄めかされて終わったので、今後の展開が楽しみになってきたぞ。

#18: Search for the Dragon Ship
YL3.7
総語数12,584
邦訳未翻訳

学校の授業で Eric と Julie は走っていた。いや、走っていたのは Eric だけで、Julie は宙に浮いて移動していたのだ! 前回の冒険で空を飛ぶ力を手に入れ、はしゃぐ Julie。その時、突然サッカーボールが宙に浮かび、ボール表面に Galen からのメッセージが浮かび上がった。メッセージを読んだ 3 人は、下校のチャイムが鳴るや急いで Droon へと向かった 3 人だったが、そこでは Salamandra が Galen に何かを要求していたのだった――。

遂に動き始めた悪のソーサレス Salamandra 。今回は空飛ぶ船を使って何かを企む彼女との対決。さすが魔法を盗みまくっていただけあって Salamandra が強い……! Sparr を圧倒したのもうなずける。そして、再登場した仮面職人 Hob は、意外にも良い働きをして見直した。と思ったら、やっぱり Hob は Hob だった。まったく……。Julie は空を飛べるようになったけど、Droon でも空を飛ぶ手段は限られているので自在に空中を移動できるのであれば、かなり有用な能力だね。他にも色々とできそうなので、一層の活躍が期待できそうだ。あとは Neal がどうなるかだ。

#19: The Coiled Viper
YL3.7
総語数12,460
邦訳未翻訳

学校の課題で家系図や先祖についてレポートをまとめる必要があり図書館で集まった Eric、Julie、Neal の 3 人。彼らは、Sparr が探し求め、Keeah や Demither が隠した The Coiled Viper について考えていたが、図書館員の Neal の母が家系図のための資料を持ってきてくれたので調査を始めた。すると、とある本には耳の後ろにエラがある人物が描かれており、新聞には1863 年の市民戦争の最中に突然赤い稲妻の嵐が発生したという記述を見つけ、過去の映像記録の中には額に V 字の傷がある男性が写り込んでいた。この人物はまさか――。

珍しく地上世界を舞台に、The Coiled Viper をめぐって Sparr や Ninn 達と対決! Keeah の恰好は地上では浮いているので別の服に着替えるという展開はなかなか面白かったけど、もう Sparr が復活するとはね。正直、彼が出てくるとだいたい良いようにやられるし、そもそも Sparr の登場が多すぎて飽きが……。Eric 達はいつも敵の行動に対処するだけで、能動的に何かアイテムを集めて強化するとか、Sparr の仲間を一人ずつ倒して相手の勢力を削るとか、そういう物語的な進展が全く無いのはこのシリーズの欠点だよなぁ。まさか本当に Sparr を最終巻まで引っ張るつもりなのかな……?

#20: In the Ice Caves of Krog
YL3.7
総語数11,480
邦訳未翻訳

学校の美術の授業中、Eric は前日の朝から自身の魔法の力が変わってきていることを友人の Neal と Julie に話していた。普段は青い光を発するハズが、銀の光を発するようになったらしく、Eric がその様子を 2 人に見せた。しかしその直後、天候が変わり急に雪が降り始めた。まさか Eric の魔法が暴走したのか? 疑問に思った彼らは急いで Droon へと向かい、雪の降る森へと降り立った――。

今回は、蘇った古の獣 Krog の退治話。そして、Sparr が強化されたからか、脈絡の無い Eric の魔法強化イベント発生と正体不明の星の王子の登場。これで味方陣営もちょっと強化されたのだろうけど、その展開は雑だな (笑。しかし、王女はいたけど王子は初めてだったかな。どこの王子なのだろうか? 王子はいずれ再登場しそうなので背景話に期待しておこう。

#21: Flight of the Genie
YL3.7
総語数12,740
邦訳未翻訳

早朝。Eric と Julie は、それぞれ夢で見た内容を一刻も早く友人に伝えるべく、Neal の家にやってきて、彼の部屋に侵入した。Neal を起こし、Eric は夢の内容を語り始めた。どうやら、巨大な王冠を被った Neal が王宮の王座にいて、民衆に対して話しかけていたという。そして 3 人は Eric の家の地下から Droon へと向かったが、早速 Ninn と Groggle の襲撃を受けたのだった――。

前巻で星の王子に貰った黒いボトルには、Ut の街が入っていて、100 年に 1 日だけ街全体が外に出る。そしてその街には精霊 Hoja が閉じ込められているので、皆で助けに行くという話。そしてまたまたやってきた Sparr。うーんしつこい! でも、読者が感じているしつこいという気持ちは、Keeah 達 Droon の皆も思っているのだろうな (笑。そして Eric が見た Neal の夢はどういうことかと思っていたけど、なるほど~という感じ。そういうことね。これはなかなか面白い展開だった。

ところで今回登場した Hoja。過去巻で登場していて、確かにそんな記憶がうっすらと残っていたけど詳細が思い出せなくて。調べたら 15 巻に登場していた。でもどんな活躍したか全然覚えていない……! 登場キャラが多いからなぁ。

#SP2: Wizard or Witch?
YL3.7
総語数16,766
邦訳未翻訳

朝、ベッドで寝ていた Keeah は奇妙な声を聴いて飛び起きた。通路の奥から聞こえてきたのは Sparr とおぼしき声。王座の間へと向かった Keeah は、 1 人立っていた Sparr と、眠らされていた王と王妃を見つけた。なぜ Sparr が Jaffa City にいるのか? そう問う Keeah に、 Sparr は Keeah が彼を城の中に招待してくれたと言う。そして彼の手の中には The Red Eye of Dawn が。怒った Keeah が魔法を放つと、それはウィザードではなくウィッチの魔法だった。それを見た Sparr は、Keeah に仲間になれと勧誘し始めた――。

やってきました 2 冊目の Special Edition は、Keeah 視点で語られるので新鮮さがあった! Keeah がウィザードとして力をつけてきたことで、ウィッチの力も強くなってしまう。そこで Droon 各地を回り、知己の仲間を集めて Keeah の問題を解決して、さらに Sparr も見事撃退してくれたわけだが、久しぶりに内容が爽快で読み進めやすく面白かったな~。いつもこれぐらい爽やかに終わると良いのだが。まあ通常巻は SP 巻に向けた溜めの話なんだろうな……。さて、結局 Sparr は 3 つの力を揃えてしまったけど、Keeah の魔法の力はかなり強まったし、Eric も力をつけた。力関係は拮抗している感じなのかな? できれば反撃開始となって欲しいけど、シリーズ的にはまだ半分だからストレス溜まる展開は続くのだろうなぁ。

導入のあらすじと簡単な感想 (9冊: 22~28 + SP 3~4 巻)

ついに 3 つの力を手にした Sparr はさらなる企みを開始し、遂にあの人物とその配下の魔物たちが復活を遂げる。Eric 達は Droon を守る戦いを続けていくが、Neal や Galen 、そしてなにより Sparr にも大きな転機が訪れようとしていた。

#22: The Isle of Mists
YL3.6
総語数12,486
邦訳未翻訳

Eric、Julie、Neal は学校の駐車場で、空飛ぶ船に乗る Salamandra を見つけてしまった! 船を追って 3 人は学校の上空へと飛び出し彼女と対面する。どうやら、彼女は Droon では強力な魔法があらたに生まれようとしており、Sparr と彼女がそれを狙っているのでDroon には近づくなと警告しに来たとのこと。彼女が姿を消した後、3 人は急いで Droon へと向かい Jaffa City に到着した。しかしそこにいたのは、3 歳ぐらいの Keeah だったのだ――。

Salamandra が再登場。以前は強大な敵という感じだったけど、どうも 3 つの力を集めた Sparr と対峙して危機感を感じた模様。これは Eric 達と微妙な共闘関係になりそうだな~と思って読み進めていたら最後にどんでん返しが! 完全に予想外の展開だった! これはラスボスはあの人になる感じかな? 正直 Sparr は飽きたよ……と思っていたからこの展開はうれしい。まさに後半戦の幕開けって感じの内容で面白かった。

#23: The Fortress of the Treasure Queen
YL3.7
総語数12,649
邦訳未翻訳

Eric が前回の冒険で手に入れた黒い木彫りの鳥は言葉を話す魔法の鳥だった! しかし Droon の物を地上世界に持ち込んでしまった Eric は早く Droon に戻す必要があると焦る。だが時すでに遅く、Eric、Julie、Neal 3 人の目の前でクッキーのビンが消えてしまった。これはマズイと急いで Droon へ向かう 3 人だったが、そこには姿を消した Sparr を追う Keeah がいた――。

今回は 14 巻でチラっと登場した、魔法を集めている女王の砦が舞台。皇帝 Ko がかつて所有していた潜水艦をめぐって対立するという物語の流れ自体はいつも通りだったけど、パーティーメンバーに Sparr がいることで雰囲気が全然変わって。そうそう、こういう話が読みたかったんだよ~という感じで面白かった。しかし魔法使えるメンバーが増えると、一層 Neal の存在感が……。そろそろ何か覚えて欲しいな。

#24: The Race to Doobesh
YL3.6
総語数14,513
邦訳未翻訳

映画館でファンタジー映画を満喫した Eric 達だったが、Neal が購入したポップコーンからドラゴンを探せという声が聞こえることに気づくと同時に、誰かに見張られている気がしていた。前回、冒険から帰って来た時に地下室で Droon に関する会話を誰かに聞かれてから、誰かに監視されているのかもしれない。3 人は誰にも見つからないように Eric 家の地下室に向かい、Droon の地へ降り立った。そこは、パイ職人の小ドラゴン Jabbo がいるファイアーフロッグ山脈だった――。

Ko の軍団用の武具を製造している鍛冶工場破壊が今回のミッション。MVP はパイ職人の Jabbo と魔具職人の Pasha だったかな。Pasha の名前は確か 1 巻から登場していた気がするけど、ここにきて本人が登場するとは。頼もしい人間が味方になったね。それに処遇が宙ぶらりんとなっていた Jabbo の今後も決まって良かった。最後には、Eric 家の近所に引っ越してきた一家の少女 Meredith が登場したけど、果たして敵か味方かはたまたモブか。続きが楽しみだ!

しかし Sparr を相手にしていた頃は試合に勝って勝負に負けたみたいなスッキリしない展開が多かったけど、最近はそんなことなく楽しく読めてとても良い。

#25: The Riddle of Zorfendorf Castle
YL3.7
総語数13,868
邦訳未翻訳

Eric 達は授業で近くのビーチに来ていた。彼らの近くには最近引っ越してきた Meredith がいたのだが、Neal が誰かが掘った穴に落ちそうになり、Eric は咄嗟に魔法を使ってしまう。しかも、Keeah からのメッセージでサッカーボールも浮かび上がってしまった! 直後、Meredith が近づいてくる。見られた? そう思った Eric 達だったが、Meredith は Eric の横を通り過ぎ、溺れそうになっていた男性を助けに行った。Meredith には魔法を見られていないかもしれないと安心しながら、Eric 達は Keeah の求めに応じて Droon へと向かった――。

Zorfendorf の城に Ko の求める物があったので、それを妨害するという話だったけど、Sparr の過去に焦点が当たって面白かった。Sparr は第 1 巻からずっと強大な敵として存在していたわけだけど、ここにきて第 2 の主人公と言っても良いぐらい話の中心にいるな~。一方、Eric にも謎が色々とあるわけだけど、彼については何となくこうじゃないかなという予想がついた。当たっているかどうか……先の楽しみにしておこう。さて、最後はまたとんでもない事態になってしまったというわけで、次は SP 3 巻だ!

#SP3: Voyagers of the Silver Sand
YL3.8
総語数19,700
邦訳未翻訳

Eric 達は Droon で Ko 配下の怪物の軍団に追われていた。なんとか逃げていた彼らだったが、Eric は怪物が放った火球の衝撃で頭を打ち突然ビジョンを見始めた。それはドラゴン Gethwing が地上世界を破壊していた未来の景色だった。意識を取り戻した Eric の元に友人達が集まり、地上世界のことを心配する。そんな彼らのもとに空中都市 Ro のガーディアン達からのメッセージが届いた。そのメッセージを聞いた Eric 達は、虹の階段を復活させる方法を教えてもらいに空中都市へと向かったのだった――。

虹の階段を復活させるためには空中都市 Ro に納められていた 5 つの宝の力が必要だったが、Ko に盗まれてしまった。ということで、Droon の過去に行き 5 つの宝を再び手に入れるというのが今回のミッション。最初はこれからの 5 冊で 5 つの宝を集めていくのかなと思ったけど、この巻で全部集めてしまったので展開はかなり早かった……。あと、Eric の持つ力はやっぱりそういうことなのかなぁという描写があったね。さて、次は地上側の話。果たして Sparr はどうなるのか。

そういえば第 4 巻で説明があったけど、空中都市 Ro は年に 1 日のみ姿を現す都市なので、Eric 達が Droon に来てから 1 年以上経過しているんだな~。まぁどこかの巻で、Eric が魔法を使えるようになってから半年以上経っているという情報は出ていたけど。

#26: The Moon Dragon
YL3.7
総語数13,657
邦訳未翻訳

魔法やドラゴンの存在がバレたらまずいと、Sparr と Gethwing を追い地上世界へと向かった Eric 達。Droon の住人は姿を見られる前にまず変装し、Sparr 達がいるであろう池に全員で向かった。しかしその道中、Eric が奇妙な状況に気付く。街の住人が一人も見当たらず、一方で足音は聞こえるのだ。そして池に着いても誰も見当たらない。辺りを捜索していると、池の中から何者かの頭が浮かんで Eric 達を監視し始めた。そして、そこに争い続ける Gethwing と Sparr も現れた――。

気になっていた、地上世界へ行った Sparr と Gethwing の顛末、そして謎の少女 Meredith の正体がこの巻で語られた! Gethwing は二番手に甘んじる気がないようで、Ko を倒すつもりがあった感じだったけど、本格的に反意を示した感じなのかな。状況が混沌としてきて面白くなってきたぞ。Meredith についても正体が判明して満足。地上世界の市民の行動については、まぁご都合主義だなぁという感じではあったけど、全体的には面白かった。

#27: The Chariot of Queen Zara
YL3.7
総語数13,721
邦訳未翻訳

Sparr と Gethwing を追いかけ、 影の世界 Calibaz の穴を飛び降り Droon へ向かった Eric ら 8 人だったが、人数が多いためか暗黒大陸にいるためか Julie がうまく飛行できず、そのまま遥か下の大地へ落下していた! Max の機転でなんとか彼らはかつて Sparr の拠点があった火山 Kano の麓に無事降り立つことができた彼らは、敵の監視を逃れるため火山内部へと潜入した。しかし、そんな彼らに近づく影があった――。

悪い精霊に捕まっていた Galen を助けにいざ月へ! という物語で、序盤から Neal が活躍しているなぁと思いながら読んでいたけど、最後はマジで Neal に全部持っていかれたね! Neal、おま、おまえ~! Galen は若い頃の力を取り戻し、精霊も 7 人集まったので役者が揃ってきた感じ。最後が近づいてきたなぁ。しかし 1 番目の精霊 Zabilac は果たしてどんな力を持っているのだろうか。他にも Urik や星の王子、Salamandra はどうしているかな。色々気になるな~。

#28: In the Shadow of Goll
YL3.7
総語数13,751
邦訳未翻訳

屋根裏部屋で能力を試していた Eric と Neal の下に Julie がやってきた。しかしその次の瞬間、サッカーボールが突然跳ね回り始め、Keeah からのメッセージが浮かび上がった。幽霊の街 Agrah-Voor で何か起こっているらしいと察した彼らは急いで Droon へと向かった。しかし、着いた場所では何者かが Eric 達の方へ向かって来て、目の前で消えたのだった。そして、近くから煙が漂って来た。Agrah-Voor が火事かもしれない――。

Ko は Jaffa City 攻略に向け海軍を集め、Gethwing は Ko の寝首を虎視眈々と狙い、Sparr は敵を内部から崩壊しようと潜り込んでいたという状況で、子供達に呪いを掛ける新たな謎の人物が登場……! 敵側も混沌としてきて次の状況が読めなくなってきた。さらには遂にという出来事が起こってしまったし、果たしてどう収束していくのか。次は SP 4 巻だから上手いぐらいに決着が付けば良いけど、まだ残りは 10 冊以上もあるし、さらに混沌とする可能性もあるな!

#SP4: Sorcerer
YL3.7
総語数20,536
邦訳未翻訳

上空からは Gethwing、海上からは Ko が追って来ている中、Sparr と Kem は The Golden Wasp に乗り逃走していた。Ko の軍団は Sparr の新たな部下 Skorth 達に足止めさせたが、Gethwing からの追撃は止まらない。思わず Eric に渡された黒石を握りしめ、石のことを考える Sparr。その時、前方に嵐が見えた。そこで Sparr は嵐を上手く利用し追っ手を撒こうとするも失敗し、Sparr と Kem は海面深くに沈んでいった――。

なんと今回は Sparr 視点。今まで Galen が断片的に語ってきた 400 年前の出来事が 1 つのストーリーとして語られて、途中で止めずにずっと読み続けてきて良かったと思ったよ~。それに第 2 巻で描かれた Sparr の怪物みたいな姿は無かったことにされているのかと思ったけど、ちゃんと繋げて来たね。しかし、まさか前巻の最後の状況からこう繋がるとは全く予想して無かったな。個人的には今までの巻で一番面白いというか興味深かった!

導入のあらすじと簡単な感想 (4冊: 29~31 + SP 5 巻)

島が沈んだ影響で津波が発生し、Jaffa City の海軍や Ko の軍勢は散り散りとなった。しかしその間にも新たな脅威が Droon を支配せんと動き始める。そして Ko の軍勢も大攻勢を仕掛けようと準備を進めていた。一方、Salamandra は意図を隠したまま Eric 達に助言を与え始める。

#29: Pirates of the Purple Dawn
YL3.8
総語数13,993
邦訳未翻訳

Eric は見知らぬトンネルの中に 1 人でいた。そこに謎の人物が近づいて来て、紫の雲に覆われる Droon の地図を見せ、Droon について知っていることを話せと Eric に命令した。すると Eric は魔法にかかったかのように全てを話してしまった。謎の人物は Sparr について聞いて満足し、地図はウィザードへの忠告と挑戦だと言い残して姿を消した。次の瞬間、Eric は肩を捕まれ反射的に魔法を放ったが、その場は学校の教室だったことに気づいた。すべてはビジョンだったのだ。しかしクラスメートや教師に魔法を見られ、Droon の事を聞かれてしまった――。

11 巻で登場した盗賊の鳥人 Ving と、彼の双子の姉で海賊の Ming が今回の相手。Droon 中から魔法の石を集めてきて、その石を材料に盗賊の街 Mokarto を建造しようとしていたので、Eric 達が妨害するという話。描写が分かりづらいし展開が唐突だし、そもそも今までのストーリーと全然関係ないので話としてはイマイチ。冒頭の謎の人物についても分からずじまいだったし……。しかし Mokarto の街の設定も微妙に理解できなかったな。どこか読み飛ばしたかな?

#30: Escape from Jabar-Loo
YL3.6
総語数13,533
邦訳未翻訳

Neal の家に泊まった Eric は早朝目を覚まし、以前見た、ビジョンの中の緑の霧やリンゴの香りのことを考えていた。Keeah によれば緑の霧は何者かが未来から戻ってきた兆候らしい。果たして誰なのだろうか。それに、津波で座礁し Jabar-Loo に流れ着いた Keeah の両親達も助けなければならない。そうこうしているうちに、Neal が Eric 家に置いてあるハズのサッカーボールを見つけて来た。2 人は Julie の家に行き、Keeah からのメッセージを解読して Droon へと向かった――。

Keeah の両親達がいるのは、海を越えた未探索の大地 Jabar-Loo。しかしそこには、古代都市 Goll の神殿があり、Salamandra と因縁のある何者かが悪の企みをしていたという話。ここにきて Salamandra が再登場したけど、最初に出会った頃とはまるで別人のようだ。次巻のタイトル的にも彼女の話になりそうだけど、果たして味方になるのか否か。それに、最後ではまさか Eric の魔法の力が……という展開だったので、今後が気になるところ。

#31: Queen of Shadowthorn
YL3.7
総語数13,626
邦訳未翻訳

Eric は前回の冒険で 魔法の力を失ってしまったが、まだ誰にもそのことを伝えてはいなかった。そんな状況ながら、Eric 達は図書館の希書室オープンを手伝いに来た。Neal と Julie から Droon の夢を見たというのでその話を Eric が聞いていたら、ついに希書室をオープンする時間が近づいてきた。しかし、匿名で寄贈された 500 年前の本を眺めていたところ、Eric 家から黒い煙が登り始めたのが見えた。3 人はその煙が Eric 家の地下室の小部屋から発生していることに気づき、慌てて Droon へと向かった。そして燃え盛る Jaffa City を目にした。Ko の軍勢が攻めて来ていたのだった―。

体勢を立て直し Jaffa City 侵攻を企てる Ko を Eric 達が妨害しようとする話だが、敵の敵は味方理論なのか Salamandra と奇妙な共闘関係に。と思って読んでいたけど最後の展開はなかなか驚かされた! いやでもまだ Salamandra には別の思惑がありそうなんだよな~。彼女の真意は果たして……? あと、長らく姿を現していない Urik についても再登場フラグが立った感じ。残り 10 冊を切り、最終決戦に向けて着実に舞台が整えられていっているね。

#SP5: Moon Magic
YL3.9
総語数18,426
邦訳未翻訳

時空ポータルを超えた Eric は見知らぬ土地に辿り着いた。しかし Eric が途方に暮れながら歩いていると、突然沼の中から Keeah が顔を出し、Eric を水中に隠れさせた。しばらくすると、上空に Gethwing の影が現れたのだ! Gethwing がどこかえ去っていくのが見た 2 人は陸に上がり、Eric が見つけた青い光の方向へと歩き始めた――。

Eric と Keeah、Neal と Julie の 2 組が異なる時代・場所に飛ばされてしまい、各組が飛ばされた先でミッションをこなすという内容。各組の話が交代でなされていき、最後に合流するという流れだが、全体的に読み応えがある巻だった! 特に今までなかった未来の話があり、なかなか辛い状況が描写されていたのと、恋愛っぽい関係が若干あったのは新鮮で良かった。しかしこのシリーズ、タイプトラベルすることあるけど、イマイチ理論が曖昧でスッキリしない部分があるんだよな~。まぁ子供向けだし深く考える必要はないか。

導入のあらすじと簡単な感想 (8冊: 32~36 + SP 6~8 巻)

Zara の息子達に関する不吉な予言が告げられた。その予言を気にしながらも Droon のために活動する Eric 達。しかし Eric の身に重大な出来事が起ころうとしていた。そして Droon 中に広がる戦火。果たして Droon の運命や如何に。

#32: Treasure of the Orkins
YL3.7
総語数12,765
邦訳未翻訳

Eric は青く光る吹雪の中で、Galen が Eric に何かを伝えようとする夢を見ていた。父親の声で起きた Eric は キッチンへと向うと、母親がひいひいじいさんの写真を見せてきた。すると Neal と Julie が Eric を呼びに来て 3 人は地下室へ向かおうとする。しかし母親は地下室の改築をするので地下室の整理をするようにと伝えてきた。どうしたものかと悩みながら 3 人は Droon へと向かうと、そこは嵐が吹き荒れていた――。

北の地では雪嵐が、南の Lumpland は砂嵐が発生しており、今回は Khan を助けるため南へ進む。すると Khan 達が代々守っていた宝が Snitcher という盗賊達に狙われており……という流れ。いつも通りといえばいつも通りの冒険だったけど、終盤の Galen の活躍はなかなか良かったし、Ko が Gethwing の二心に気づいていたというのも良かった。しかし Snitcher 達は以前登場したらしいのだが、全然覚えていない……。はて?

#33: Flight of the Blue Serpent
YL3.8
総語数13,272
邦訳未翻訳

Eric 一行は前回の冒険の後、そのまま飛行機で北にある雪の大地を目指していた。その大地では 100 年前、吹雪で 2 つの世界をつなぐ道が出来上がり、そこから青サーペントが Droon に来たらしいのだ。Eric は雪片にも似たそのサーペントの鱗を前回の冒険で手に入れており、今、再び世界をつなぐ道が現れようとしている。一連の謎を解くため、Eric 達は北へ急いだ――。

前巻で入手した鱗と、不吉な予言の謎にせまる物語。前巻では意味ありげに Eric の先祖の話題がでていたので関係あると思っていたけど、やっぱりね! でもあの人が登場するとは思わなかったな。その名が出てきたときは思わず声を上げてしまった。ナルホドね~。まぁ最後の Eric の状況を鑑みるに、たぶん以前予想していた内容は当たっていそうだけど、実際に真相が明らかになるのはいつかな~?

#34: In the City of Dreams
YL3.7
総語数13,354
邦訳未翻訳

学校で教師が Eric を探すが見つからない。実は前回の冒険で傷を負い毒に侵された Eric はもう 3 日も地上世界に戻っていなかったのだ。家でも学校でも Julie が Eric に変身して誤魔化していたが、Julie と Neal の心配は募るばかり。そんな状況だったが、学校で行う演劇の練習中に、突然 Neal の頭にサッカーボールが降ってきた! そしてそこに記載してあった Julie のメッセージを読んだ 2 人は慌ててDroon へと向かい Jaffa City に着いた。しかしそこでは、市民は黒い服に身を纏い、まるで喪に服しているかのような雰囲気だった――。

負傷した Eric を治療する手段を求めて、Keeah、Neal、Julie そして魔道具職人の Pasha が夢の街 Samarindo に赴くが、そこでも問題が発生していて……という流れ。そもそも Samarindo がどこか分からなかったけど、かつて Neal の髪に魅了されていた 2 人の王女 Looma と Sarla の故郷らしい。2 人が登場したのは第 13 巻だったかな……? 最後は上手く解決、と思いきやむしろ大ピンチ。まぁ次が SP 巻だからこの巻で解決するとは思っていなかったが (笑。しかし、最近は懐かしい人物の再登場が多いね。これも最終巻が近いからだろうか。

#SP6: Crown of Wizards
YL3.8
総語数18,676
邦訳未翻訳

過去の記憶が殆ど無い少年 Ungast は Gethwing と共に暗黒大陸中を移動していた。そして Gethwing はとある魔法を探し求めており、遂にその在処となる島のヒントを得たのだった。一方その頃、Julie、Neal そして Keeah は地上世界におり、Keeah が Eric に変身して彼に変わり生活をしていた――。

ついに Gethwing の大攻勢が始まり、Droon 中が悪の手に落ちつつある。さらに Gethwing の下に強力な仲間が 3 人も! ということで、かなり絶望的な状況。Keeah 達もあっちこっちに移動して戦闘の繰り返し。忙しいな! しかし Sparr はあの状態のままで終わる事は無いと思っていたけど、まさかまたああなるとはね。マジで Sparr は Droon の魔法で一番人生が滅茶苦茶になっている人物だな。でも最後には一筋の光明が見えたわけで。これからどう巻き返していくのか。最後の 4 冊を読んでいくぞ。

#35: The Lost Empire of Koomba
YL3.9
総語数12,326
邦訳未翻訳

Droon を守るため、5 日間でムーン・メダリオンを Eric の元に届けなければならない。同時に、地上世界に侵入した Gethwing の手下もどうにかする必要があった。そんな状況の中、Droon の夢を見た Neal は Julie を誘い、Eric 家の地下室に忍び込もうと庭のリンゴの木を登っていた。しかし、2 人は Eric の両親に見つかってしまった! しかも Eric 母は Keeah の掛けた忘却の魔法も解けていた。観念した Julie と Neal は 2 人に Eric と Droon のことを話すと、Eric の両親も Droon に向かう意思を固める。そして 4 人は Droon へと向かったのだった――。

メダリオンはどこかに消えてしまい、Galen は Anusa に連れていかれて不在という厳しい状況で、なんとか Eric を助ける方法を探し、エリクサーの材料を求めてかつて存在した帝国 Koomba に出向くという話。今回の主役は Julie。Eric や Neal に比べると能力が物足りなかったけど、今回新たな力を得て大活躍できたのは良かった。だが Eric の両親は、せっかく Droon に来たのにすぐさま敵に捕まってしまうとは。まぁ冒険の邪魔だったし大人が活躍するわけにもいかないので仕方ないな (笑。

#36: Knights of the Ruby Wand
YL3.7
総語数12,761
邦訳未翻訳

Neal、Julie そして Eric の両親は Gethwing の手下を追い夜間の学校に侵入した。Eric の両親がロッカーから Eric の荷物を回収した直後、彼らは体育館で 3 体のハンターを見つける。行動を妨害するためすかさず突撃した 4 。しかし Eric 母は反撃に合い Eric の荷物を落としてしまった。するとハンターたちは荷物の中から Eric の水筒を持ち出し、外へ逃げ出した。相手の意図がつかめず戸惑いながらもハンターを追っていた 4 人だったが、Keeah からのメッセージを受け取る。Eric の両親は今後の計画を練ることにし、Neal と Julie は再び Droon へと出向いた――。

Galen を連れ戻すために、彼が過去に作った 3 つの魔道具が必要となった。それで Keeah 達は 3 つの道具の中で最も強力な Ruby Wand を探しに行くという物語。今回は Keeah が主役で、彼女が色々と頑張る話だった。如何に Eric を大事に思っているかという心情が良く語られていて良かったかな。さて、前回は Julie、今回は Keeah の話だったので、次回は Neal の話になるのかな?

#SP7: The Genie King
YL3.8
総語数18,831
邦訳未翻訳

学校で算数の授業中 Neal は居眠りをし、6人の精霊達と共に Droon で敵と争う夢を見ていた。教師から質問されて目が覚めた Neal だったが、教室のホワイトボードに書かれた Keeah からのメッセージに気づく。授業後、すぐさま Droon に向かおうとするが、授業中に質問に答えられなかったことで居残りを命じられる。そこで Neal は答えを Julie から教えてもらい、魔法で時間を戻して教師の質問に答え、無事 Droon へと向かったのであった――。

以前 Julie が見たビジョンの内容が解読でき、メダリオンが隠された地が判明した。それは Neal と Julie にそっくりな 2 人が統治している街 Ut! という流れで、今回はタイトル通り Neal 主役回。Neal 君もなかなか大物になってきたな。それにそっくりさん 2 人はもう一回ぐらい登場して欲しいなぁと思っていたので、ここに来ての再登場はうれしかった。敵としては Ving や Ming、そして Gethwing まで来て大混戦だったし、終盤はかなりドラマチックで面白かった! しかし状況は依然として厳しいまま。Galen、Sparr、Urik はもちろん Demither や Salamandra がどうしているのかも気になるし、否応なしに最終巻には期待してしまうな!

#SP8: The Final Quest
YL3.8
総語数28,671
邦訳未翻訳

Eric は Gethwing と共に Droon の空を移動していた。Jaffa City に攻撃をしかけるまで残りわずか 30 時間弱。眼下に広がる破壊された村や集落を見て心を痛めながらも、内心を悟られないように Gethwing と口裏を合わせていた Eric は、Sparr を味方に引き入れるため、Gethwing 説得し1 人 Sparr のいる Zorfendorf へ向かったのだった――。

主要キャラクターが勢ぞろいで、今までの謎や疑問も解消。駆け足なところや消化不良な部分もあったけど、期待通りの内容でまさに大団円! 特に序盤から中盤にかけて、仲間が集まっていく様はアツイ展開で面白かった。Eric がなぜ魔法を使えるのかという点や、Urik がどうなっていたのかという点に関しては予想通りだったな。分かりやすいヒントがあったおかげだ。Neal や Julie に関しては、シリーズ序盤では物足りなかったけど、能力を得てからはちゃんと活躍してくれて良かった。特に Neal は大抜擢というか、ものすごい地位にいるのではないだろうか。Keeah は前半では物語のメインになることが多かったけど、後半は少し活躍が減ってしまったというか、Sparr に出番を取られてしまった感。Sparr と言えば、一番壮絶な人生を送ってきたのではないかな。子供の頃から老人まで、大変すぎでしょう……。本当に 21 巻までは単にしつこいだけの敵でウンザリしていたけど、22 巻からはかなり状況が変わって、株を上げたね。終盤では結構好きなキャラクターになってしまったよ。

しかし全 44 巻と長い物語だった。前半 10 冊、後半 15 冊ぐらいでまとめてくれたら、もっと読みやすいしオススメしやすいのだけどなぁ。まぁ長い分、最終巻を読んでいる時の集大成感とてもは良かったのだが。不満もあったけど、読んでよかったな~。満足!

3 冊セットのオーディオブック

オーディオブックは第 6 巻まで発売されてて、3 冊セット版もある。ちなみに Books 1-3 のサムネイルは本編 1 巻ではなく Special Edition 1 巻の表紙が採用されている模様。なぜ (笑。

The Secrets of Droon シリーズ 語数・YL 一覧

No.YL語数タイトル出版年
前半 (上): 8 冊 (65,623語)
13.37,439The Hidden Stairs and the Magic Carpet1999
23.57,881Journey to the Volcano Palace1999
33.57,718The Mysterious Island1999
43.57,991City in the Clouds1999
53.47,725The Great Ice Battle1999
63.68,267The Sleeping Giant of Goll2000
73.59,050Into the Land of the Lost2000
83.59,552The Golden Wasp2000
前半 (中): 9 冊 (112,689語)
93.59,747The Tower of the Elf King2000
103.610,428Quest for the Queen2000
113.611,598The Hawk Bandits of Tarkoom2001
123.611,398Under the Serpent Sea2001
133.712,246The Mask of Maliban2001
143.713,999Voyage of the Jaffa Wind2002
153.713,345The Moon Scroll2002
163.712,962The Knights of Silversnow2002
SP13.816,966The Magic Escapes2001
前半 (下): 6 冊 (79,280語)
173.813,250Dream Thief2003
183.712,584Search for the Dragon Ship2003
193.712,460The Coiled Viper2003
203.711,480In the Ice Caves of Krog2003
213.712,740Flight of the Genie2003
SP23.716,766Wizard or Witch?2004
後半 (上): 9 冊 (134,881語)
223.612,486The Isle of Mists2004
233.712,649The Fortress of the Treasure Queen2004
243.614,513The Race to Doobesh2004
253.713,868The Riddle of Zorfendorf Castle2005
SP33.819,700Voyagers of the Silver Sand2005
263.713,657The Moon Dragon2006
273.713,721The Chariot of Queen Zara2006
283.713,751In the Shadow of Goll2006
SP43.720,536Sorcerer2006
後半 (中): 4 冊 (59,578語)
293.813,993Pirates of the Purple Dawn2007
303.613,533Escape from Jabar-Loo2007
313.713,626Queen of Shadowthorn2007
SP53.918,426Moon Magic2008
後半 (下): 8 冊 (130,656語)
323.712,765Treasure of the Orkins2008
333.813,272Flight of the Blue Serpent2008
343.713,354In the City of Dreams2009
SP63.818,676Crown of Wizards2009
353.912,326The Lost Empire of Koomba2009
363.712,761Knights of the Ruby Wand2010
SP73.818,831The Genie King2010
SP83.828,671The Final Quest2010
巻の区切りは私が勝手につけたもので公式ではない
YL は自己評価
語数は AR BookFinder より (計582,707語)

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