英検準2~2級 (高校レベル) の知識で読める英文多読シリーズが気になっていたので、その中の「バレンタイン学園殺人日記」を読んでみました!

ちなみに中学生レベルの小説なら、NHK基礎英語で連載された「異世界に転生したら伝説の少女だった件」が読みやすかったですよ……!

バレンタイン学園殺人日記

英文多読シリーズ

語彙数4000語レベルの英文

タイトルバレンタイン学園殺人日記
語数約 5,000 語
音声 DLあり
学園で起こる謎の連続死

大学を卒業し、バレンタイン学園に英語教師として赴任した 22 才の佐藤エリカ。これからの教師生活に期待を膨らませていた彼女だったが、その学園では連続して謎の自殺者が出ていたことを知る。不審な死、エリカに不思議な忠告をする謎の転校生、そして迫る危険。今、学園を舞台に新たな事件が起ころうとする――。

英文多読シリーズ

英文多読シリーズは 2012 ~ 2013 年に出版されており、センター試験基礎レベルの英文で構成されている。センター試験 (1990 ~ 2020 年、約 4000 語レベル) は終わっているので現在の大学受験の学習には適さないが、高校レベル (英検準2~2級レベル) の英語の小説を読むという目的には問題なく利用できる。

特徴

語彙を制限し難易度を下げる

高校レベルの難易度

本書は文法・語彙が制限されているなど以下の特徴があり、学習者向けに調整されている。

  • 高校レベル (語彙 4000 語レベル、英検準2~2級) に抑えた語彙・表現
  • 難表現の日本語訳を各ページ下部に掲載
  • 全 13 章
  • ほとんどの章に挿絵が掲載
  • 本の最後に日本語訳が掲載
  • 英語の朗読音声が DL 可能
  • 電子書籍版がある (固定レイアウト)

語彙・文法ともに制限されており、各ページの下部に難表現があるのでいちいち辞書を引かずに読み進めることができる。挿絵もあり、総語数が多くないので結構サクサク読めるのは良い点。なお、電子書籍版があるが固定レイアウトなのでフォントのサイズ変更などはできない。スマホだと字が小さくて読みづらいので注意。

朗読音声のダウンロード

書籍の後半に朗読音声がダウンロードできる URL とパスワードが掲載されている。日本語と英語の朗読音声が mp3 ファイルでダウンロードできるので、一度本文を読んだ後に改めて聞いてみると良いのでは。いつまで提供されているかは不明だが、2021 年 8 月時点ではダウンロードできた。

感想

短いながらも意外な面白さ

制限された語彙と限られた文章量なのであまり期待せずに読んだのだが、序盤~中盤は続きが気になる内容で、思っていたよりも面白かった。終盤の展開が雑なのと、やはり約 5,000 語ではキャラクターや出来事への掘り下げが足りないので全体的には今一つだが、サクサク読むことはできた。

日本の学園が舞台ということもあり、英語の小説に慣れていない学習者が読む本としては良いシリーズ。バレンタイン殺人日記は電子書籍版もあり、Kindle Unlimited の無料体験で読むことができるので一度試してみても良いと思う。

推理物ではなかった

ミステリーなので推理要素があるかと思っていたが実際は違ったので、そこは少し残念だった。登場人物紹介に悪魔がいた時点で SF・ファンタジー展開があることに気づくべきだったのだ……。まぁこれは単に自分の予想と違っていたというだけの話。

ちなみにこの 1 冊で一応の区切りはついているが物語としては完結はしていない。最後は続編があるような形で終わったが 2 巻目以降は出てないのは残念。

次の本を薦めるなら

英文多読シリーズ

もう少し簡単で長い話を読みたいのであれば NHK 基礎英語の異世界転生ラノベを、同じレベル帯の話を読みたいのであれば同じ英文多読シリーズを試すのは良いと思う。古本で購入できれば安いし。

発売日タイトル
2012/10/29霊感少女リサ
2013/03/04ミラクルアイドルメグ 1
2013/03/04ミラクルアイドルメグ 2
2013/03/28バレンタイン学園殺人日記
2013/11/04生きろ! Seize the day!

洋書 (児童書)

日本の学習者向けではなくネイティブ向けの洋書を試したいのであれば、まずは以下シリーズを試してみるのが個人的にオススメ。他にも「おすすめの洋書75選」でいろいろと紹介しているので参考に。

My Weird School #1: Miss Daisy Is Crazy!
YL: 2.5、総語数: 6,420
著者Dan Gutman
シリーズMy Weird School シリーズ / Wikipediaで確認
邦題きょうもトンデモ小学校: ヘンダ先生、算数できないの?

学校嫌いな小学生に対し、「私も学校が嫌い」で「算数も読み書きもできない」と公言する先生。仕方が無く先生に色々教えてあげるクラスのみんなの姿に、うまいことやっているなと思わずニヤリとしてしまう。難しい単語が多少出てくるが、ストーリー自体はシンプルで非常に読みやすく、内容も明るく楽しいのでどんどん読み進めたくなる良シリーズ……!

Encyclopedia Brown, Boy Detective
YL: 3.1、総語数: 10,392
著者Donald J. Sobol
シリーズEncyclopedia Brown シリーズ / Wikipediaで確認
邦題少年たんていブラウン: おたずねもの強盗事件

少年探偵の推理・謎解き短編集。強盗事件や子供同士の知恵比べなど、それぞれが独立した短編で内容も簡単なのでとても読みやすい! なぞなぞレベルなので自分でも推理でき、英文を注意深く読む訓練にも丁度良い。推理しながら読み、疑問があれば読み返し、解答を見て納得する、そんな読み方ができる良シリーズ。なお、推理の解答編は巻末にまとめて掲載されている。オーディオブックには2冊分を1つにまとめたコレクション版もある。また、1989年にはTVドラマ化もされている。