死印を刻まれてしまった主人公達が呪いを解くために怪異に立ち向かう都市伝説・心霊ホラーアドベンチャー「死印」。英語の勉強がてらプレイしてみました!

続編「NG」の感想も別途記事にまとめてあります!

北米版 死印

概要

シルシ、それは死へのカウントダウン。

英語タイトルSpirit Hunter: Death Mark
ジャンル都市伝説・心霊ホラーアドベンチャー
私のプレイ時間約20時間 (初見でノーマルエンドまで14時間、攻略情報を見ながらトロコンまで+6時間)
機種PC (Steam)PS4、Switch、PS Vita
死の宿命を刻まれた者たちが怪異に挑む

199X年の東京H市。「気味の悪い不思議な痣、死印が体に現れると悲惨な死を遂げる」という噂が広まり、実際に失踪者も現れ始めた中、死印に毒され記憶をも失った主人公はとある洋館にたどり着く。いつ死印を刻まれたのかも分からず自分の名前も思い出せない彼だったが、同じく死印を刻まれた人間と出会い、共に元凶となる怪異に立ち向かっていく。しかし死の期限は刻々と迫り来るのだった――。

英語でプレイするには

Steam 版か PS4/Switch/PS Vita の北米版ソフトを購入すれば英語字幕でプレイ可能。音声は日本語のみだが、そもそも掛け声や挨拶程度しか収録されていないので、音声は無いと考えた方が良い。

ちなみに Steam版を英語字幕でプレイするには、Steam クライアントのライブラリ上で死印のプロパティを表示し、言語を英語に変えてからゲームを開始すれば良い。

会話、探索、対決パート

会話パート

選択肢が表示されることもあるが基本はテキストを読み進めていくのみで、ビジュアルノベルに近い。なお、会話パート中はセーブできない。ゲーム開始後の会話は30分~1時間ぐらい、その後は数分~十数分で一区切りつくので、そのタイミングでセーブできる。

内容は回りくどくなくテンポが良いので進行的には申し分なかったが、もう少し人物に対する描写が細かくても良かった気はする。少し淡泊で物足りなさは感じたかな。また、複数人で会話していても話者の顔グラフィックが必ずしも表示されるわけではないので、発言者が分かりづらかった……。(日本語であれば一人称や口調でもう少し判断しやすかったかもしれない)

探索パート

死印の元凶を調べるために心霊スポットに赴き情報を集めていくパート。数人いる死印持ちの中からパートナーを1人選び、共に探索を進める。探索パート時はいつでもセーブ可能。

ダンジョンRPG的なマップ移動と探索。基本は端から順に調べていけばOKなので難しくなく、情報もすぐに色々と揃う。ただ、一度情報を見逃してしまうと再び探すのが手間でもあるので、攻略に詰まったら攻略情報をさっさと調べた方が楽。ちなみに選んだパートナーで会話内容が変わるので、誰を選ぶか迷うのは何気に面白い。

対決パート

ナイフや草の根、ビニール傘など探索パートで集めたアイテムと情報を元に怪異に立ち向かっていく。怪異は徐々に近づいてくるが、描写が細かくなってくるので恐怖心が煽られる……。

しっかりと事前に調べた情報を把握していれば初見でもなんとかクリアでき達成感がある……! しかし分かりづらい情報もあり、普通に間違えて死ぬ事も……。Game Over になっても対決直前からやり直しできるのは親切設計。いざとなれば総当たりでもなんとかなる。

恐怖を煽る雰囲気

美麗で凄惨なイラスト……!

本作の一番の特徴はイラストで、濃淡や色使いが鮮烈で美しさと怖さ、生理的嫌悪感などが存分に伝わってくる。BGMと相まって不気味な雰囲気を醸し出してくれる。グロテスクなイラストもあるが、個人的には許容範囲内で収まってくれて良かった……。

都市伝説と絡めることで怪異の背景に深みが増す

死印の元凶となる怪異は都市伝説と関りがある存在となっている。そのため単純に化け物と対峙するだけでなく、怪異の成り立ちに関わる都市伝説・事件を掘り下げていく。心霊スポットや怪異自体の怖さとは別に、過去の出来事がなかなかヒドイ内容で、それが怖さややるせなさに繋がっていたように思える。

丁度良い塩梅のホラー

怖すぎず、長すぎず、難しすぎず

凄惨なイラストながら直視できないというほどではなく、攻略情報を調べなくても謎解きは殆どでき、20時間かからずクリアできるので、英語でプレイするホラー物としては丁度良い内容であった。

ただ、大人同士の会話が多いからかジャンル故か、それとも翻訳者に依存していたのか不明だが、英訳された文章は表現が少し難しめだったように感じる。また、しっかりと情報を理解していないと探索・対決がうまく進まないので、そういう意味では難しいかもしれない。悩む時間が惜しいので、攻略に詰まったらさっさと攻略情報を調べた方が吉。

ノベルゲームよりは英文を読むことに疲れないと思うので、英語の勉強がてら手を出してみるのも良いと思う。

好ましい登場人物たち

死印を刻まれた者たちが集うが、個性はありつつも無駄に足を引っ張るようなことは無く、生き延びるために協力しあうので皆好ましく感じた。また、フレーバー (ゲームには関係ないが世界観を強める設定) ではあるが各人にステータスが設定されており、登場人物同士で比較すると性格が見えてきて面白かった。

ただ、描写が淡泊で各人物への掘り下げはあまりなく残念だった。シリーズ3作目には本作の登場人物が再登場するみたいなので楽しみである。

痒い所に手が届いていないのが惜しい
  • ボイスが (ほぼ) 無い
  • 会話パートでセーブができない
  • 既読スキップが無い (強制スキップはある)
  • 発言者が分かりづらい (発言時に名前表示や顔グラがない)

本作はノベルゲーム色が強いがノベルゲームではよくある上記要素が無く、ボリュームも物足りなさを感じたのは残念。とはいえシナリオや雰囲気は良く、セール価格で購入したこともあり満足できた。続編「NG」もあるので、本作が気に入ったのならそちらも。