width の発音はご存じでしょうか。

幅という意味の単語ですが、発音はウィズでもワイズでもウィドュスでもなく /wídθ/ (米国) です。英語学習の初期に発音・発音記号を学ばないと後で発音を覚え直すことになるかもしれませんよ……!

なぜ発音を勉強するのか

発音記号の勉強は圧倒的に短時間で済む

発音の勉強時間は少なくて済む

語学勉強の道は果てしないです。

脅すわけではありませんが、英語がそれなりにできるようになってきたと実感を持つようになるまで1000~2000時間は必要ですし、TOEIC 900点レベルになるまでに3000時間は必要だとも言われています。つまり、英単語の暗記、文法、リーディング、リスニングの勉強はそれぞれ数百時間掛かるということです。

しかし発音の基礎を学ぶのは数百時間もかかりません。私は「英語耳」という本を利用して基礎を学びましたが、ここに掲載されている発音の種類は、子音23種類+母音22種類+ Rの発音で計46種類です。大文字+小文字のアルファベットで52種類ですから、数だけでいえばそれよりも少ないのです。発音記号の勉強時間もせいぜい20~30時間程度ですよ。

発音できずに単語を覚えるのは苦行

発音できない単語は覚えられない

次の四字熟語を覚えてください、と言われたとして

魯魚亥豕

発音せずに暗記するのは無理ですよね。読み方を知らずとも、とりあえず「ろぎょ、げんく……?」と適当に音を付けて暗記するかと思います。しかし、その間違った発音では会話相手に意味は伝わりませんし、改めて発音を覚えなおす手間も増えてしまします。なお、実際には「ろぎょがいし」と読み、文字を書き間違える事、という漢字検定1級レベルの四字熟語です。魯と魚、亥と豕の文字が似ていて書き間違えやすいから、という事のようです。

読み方と意味を知れば覚えやすくなりますよね。英単語でも同じ事が言えるのではないでしょうか。

発音は会話の基礎であり、殆どの発音記号は覚えるのが簡単

発音記号は簡単

学校英語では何故かあまり力を入れられていませんが、発音は序盤に勉強するほうが効率が良いと思います。

発音記号を覚えるだけならソコまで難しくありませんし、リスニング、スピーキング、シャドーイング、英単語暗記などあらゆるトレーニングで役に立つはずです!

数個の発音記号を覚えるだけでも格段にネイティブの発音に近づく

発音記号を数個覚えるだけでも効果あり

θとð、fとvは日本語では同じ口の動きをする発音はありませんが、実はかなり簡単に覚えることができる発音記号です。特に th (θ、ð) は thanks、this、that、these など基本単語に良く使われています。このような発音を少し覚えるだけでも、発音はかなり向上しますよ!

なお、ネット上でも発音の方法が様々ページで解説されていますが、短期間で効率よく覚えたいのであれば CD が付属した専用の教材を購入した方が良いかと思います。かつて「英語耳」と「フォニックス<発音>トレーニングBOOK」を購入したことがありますが、私には「英語耳」の方がわかりやすかったです。

「英語耳」とは?

発音できれば、聞き取れる

発音できれば、聞き取れる

英語耳
? Kiyoshi Matsuzawa

英語耳では、日本人がリスニングが苦手な理由は「日本語と英語の発音が全く異なるため」としています。そのため、英語の発音をカタカナに置き換えてしまい、リスニングの際に余計なプロセスが発生し、リスニングができないという事です。

Bat → バット → 野球のバット? いや文脈から蝙蝠

そこで、しっかりと発音記号を学び、英語の発音から即座に単語に結び付けられる耳、すなわち英語耳を手に入れようというのがこの本の趣旨です。

リスニングにおいては発音から即座に単語のイメージを付けることが何よりも大事ですので、この本ではスピーキングとリスニングの土台を築き上げることができますよ!

英語耳ドリル

英語耳には関連書籍が何冊かありますが、歌で楽しみながら発音をマスターしようという趣旨の「英語耳ドリル」も出版されています。

この本には学習用に洋楽5曲とその歌詞が収録されていますが、個人的に最も利用したのは、子音・母音が短時間で確認できるミニ音声バイブルです。これは約5分で全発音記号の発音が確認できるので、英語耳の学習の最後の段階で何回も聞いていました。

英語耳ドリル
対象レベル:初心者~

英語耳で発音記号を学んだ後に、歌で発音をマスターするための教材

Fly Me To The Moonなどの有名な洋楽5曲を収録

子音・母音のミニ音声バイエルも付属し、短時間での発音確認にも有効

1ヶ月で「英語耳」を勉強した方法

勉強時間は1日30~60分

大した分量ではないので、1ヶ月で勉強するのは難しくありません。

トータルで20~30時間も行えば、発音記号専用のトレーニングは終了しても良いのではないでしょうか。その後、英単語の暗記やシャドーイング、ディクテーションなど英語の勉強を進めていくうえで、各単語の発音記号を意識していけば自然と発音は洗練されていきます。

具体的な勉強方法

「英語耳」には勉強方法が記載されていますし、個々人で自分に合った勉強方法で問題ないかと思いますが、参考までに私が勉強した時の方法を記載しますね。

1週目:1つ1つの発音方法を理解

英語耳は全46種類の発音を26のグループに分け、図解入りでそれぞれの発音方法を説明しています。

最初1週間は、この26グループの説明を読み、付属のCDで音を確かめながら発音の練習をします。

2週目:発音全体の練習

2週目以降は、付属のCDをベースに進めていきます。

CDに収録されている発音記号の確認と練習トラックは全部足しても25分です。英語耳の説明を読みながらこのCDを最初から順に流していきます。時間がなければ1日1周、余裕ががれば1日2週します。

発音

英語耳
? Kiyoshi Matsuzawa

3週目:苦手な発音の克服

3週目は苦手な発音を重点的に練習します。

この段階では、簡単な発音はほぼ出来るようになっています。そのため、苦手な発音に絞って発音の練習を行っていきます。私は、苦手な発音の部分のみCDで再生しながら練習していました。

4週目:総復習

最後は、全体の復習をメインに進めていきます。

まだ苦手な発音がある場合はそこを重点的に練習し、それとは別にCDを最低1周して全発音を練習していきます。英語耳ドリルが手元にあるのであれば、ドリル付属CD収録の子音・母音のミニ音声バイエル (5分) で復習するのも良いでしょう。

1ヶ月目以降

1ヶ月練習すれば、殆どの発音記号は読めるし、発音することができるようになります。もちろんこの段階では英単語の発音記号はまだ勉強していませんし、ネイティブのよに流暢に話せるわけではありません。

英単語の暗記、シャドーイングなど様々な英語学習を通じて、発音を洗練させていくことになります。私もまだまだ勉強中の身ですので、共に頑張っていきましょう!