小学 3 年生の少年少女が誘拐や盗難事件などの謎に挑む探偵モノで、タイトル通り A ~ Z まで 26 冊ある「A to Z Mysteries (ぼくらのミステリータウン)」。

子供向けながらキチンと推理や証拠集めをしており、洋書ミステリーの入門としてもオススメのこのシリーズ、全 26 巻読んでみました!

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A to Z Mysteries シリーズ

概要

日本語タイトルぼくらのミステリータウン
著者Ron Roy (ロン・ロイ)
巻数全26巻
YL3.2~3.5
語数各巻 約6,600~約9,900語 (計218,127語)
子供向けながら意外にしっかりとしているミステリー

探偵を自称しているわけではないが、事件が起こった時に持前の正義感と好奇心で事態の解決に乗り出す小学 3 年生の男子 2 人と女子 1 人が活躍するミステリー。子供らしい推理に懐かしさを覚えつつ、くだらない部分にはオイオイと突っ込みながら気軽に読めるが、意外に伏線も多く、「誰が犯人か?」を最後まで興味をもって読み進められるのはやはりミステリーの良い点。

もちろん子供向けなのでトリックなどは物足りないが、英語の小説に慣れていない場合はこれぐらいの難易度の方が良いのかもしれない。全体的に、読んでいて感じた特徴は以下。

  • 子供向けの割には結構しっかりと探偵・推理をするが、展開が早く語数の割には読みやすい
  • 犯人予想は簡単だし犯人自体も結構マヌケ。ミステリーとして物足りなさはある
  • 挿絵だと主人公の男子 2 人の見た目が似ているので紛らわしい (片方は金髪なので、髪色で見分けられるが)
  • 比較的簡単な英語ではあるが、口語や熟語・慣用句が使われるので慣れていないと難しく感じる部分はある

初めて読んだ時に感心したのは、地道に聞き込みをしていたこと。関係者の居場所を突き留め、一人ひとり証言を集めて状況を理解していく様はなかなか本格的だと思ったわけさ。他にも、3 人で色々と意見を出し合い今後の行動指針を決めていく様子や、危険な状況では警察を頼ろうしてした場面は感心させられた。これで小学 3 年生とは恐れ入るぜ……!

ただ、犯行内容やトリックは結構アッサリ目で物足りなさはあったかな。事件が始まる前から事件の内容と犯人の予想が突くこともあったし、本格ミステリーを期待して読むと肩透かしを食らうので注意。まぁ子供向けなので、あまり細かいことを考えて読む内容ではないということだね。

英文構造はさほど難しい部分は無いと思ったけど、pull up (車を止める) みたいな句動詞や spill the beans (秘密を漏らす) などの慣用句が出てくるので、慣れていないと少し面倒かも。でもよく見かける表現ばかりなので、覚えておくと役立つと思う。

ところで、邦訳版 (ぼくらのミステリータウン) のイラストレーターの方は、ログ・ホライズンやガンダムビルドダイバーズのイラストやキャラデザ原案を担当した方らしい。魅力的で好きだな~。というか、全体的に海外児童書は邦訳版のイラストも良いよね。

主な登場人物

コネティカット州にある街 Green Lawn に住む小学 3 年生の少年少女が主人公。それぞれ、冷静な判断ができる Dink、意外性の Josh 、ひらめきの Ruth Rose みたいなイメージかな? また、彼らは大人達にも細かく相談し犯人逮捕などは警察に頼ることが多いので、警察官の Fallon の登場回数は多い。過去巻に登場した人物の再登場もそれなりにあるので、巻数順に読んだ方が分かりやすくはある。

メインキャラクター
Dink金髪の男の子。本名は Donald David Duncan。冷静な判断ができる
Josh赤毛の男の子。食いしん坊で絵が得意。意外性抜群
Ruth Rose全身同じ色の服を着るのが好きな女の子。洞察力とアイデアに優れる
その他のキャラクター (一部)
Fallon警察長。登場回数多し
Ellie飲食店 Ellie’s Diner を経営している女性
PalJosh 家の飼い犬。人懐っこい。初登場は 9 巻 [I]
BrianJosh の弟。双子
BradleyJosh の弟。双子
NateRuth Rose の弟。4 歳

導入のあらすじと簡単な感想 (1 ~ 10巻)

YL (読みやすさレベル) は自己評価。語数は AR BookFinder より。
#1: The Absent Author
YL3.3
総語数8,535
邦訳[1] 消えたミステリー作家の謎

世界的に有名なミステリー作家 Wallis Wallace が街の本屋にやってくる! 作家の大ファンの少年 Dink は友人の Josh と Ruth Rose を連れ本屋へと急いだ。しかし店主と子供達はいるが、時間になっても肝心の作家本人はまだ来ない。Wallis Wallace は今どこに?

ツッコミどころはあれども、行方不明となった作家を探すためにしっかりと足取りを辿り、聞き込みもしていくので推理物として楽しめる。ヒントが少しずつ出てきくるので作家の行方は途中で予想できたけど、その理由はなかなかヒドイ。時間を確保して集まってくれた子供達にも謝りなさい (笑。

#2: The Bald Bandit
YL3.2
総語数6,566
邦訳[3] 銀行強盗をおいかけろ!

翌日のハロウィンに向けて仮装の準備をしていた Dick、Josh、Ruth Rose の下に、探偵 Reddy 訪ねて来た。先日起こった銀行強盗事件の犯人を見つけるため、強盗の姿をビデオで撮っていた少年を探しているらしい。ビデオテープを見つけてきたら報酬として 100 ドルずつもらえると聞いた 3 人は、件の少年を探し始めた。

今回も犯人については途中で目星がついてしまったが、話自体は読みやすかったし、最後のオチには感心させられた。まぁ少しベタな気もしたけど、やっぱり 3 人の優しい部分を見せられると好きになってしまうね!

#3: The Canary Caper
YL3.4
総語数8,317
邦訳未翻訳

サーカスが街にやってきた! 喜んでいた Dink と Josh だったが、同時に不可解な事件も起き始める。隣人のペットのカナリアが行方不明となり、Ruth Rose の飼い猫 Tiger までもがどこかに行ってしまったのだ。いったい何が起き始めているのか?

あからさまな描写があったので犯人の予測はすぐできたけど、どういう動機で、どのように捕まえるのか、という点を楽しみにしながら読むことは出来たかな。あと、キチンと警官に報告にいく子供 3 人や、しっかりと働く警察の描写があったのは良かった。やっぱり全部子供だけで解決してしまうと違和感があるしね。あと、初登場の名前が多く、少し混乱しそうになってしまった。ミステリーは名前を覚えながら読まないといけないのは大変だ……!

#4: The Deadly Dungeon
YL3.4
総語数8,350
邦訳[2] お城の地下のゆうれい

Dink、Josh、Ruth Rose は以前知り合いになったミステリー作家 Wallis Wallace から招待を受け、彼女の屋敷まで旅行に来た! 豪華な屋敷に興奮していた 3 人。しかし、Wallis から屋敷に住まう幽霊の話を聞く。もちろん信じない 3 人だったが、ある時、誰もいないハズの屋敷の中から叫び声が聞こえたのだった。

今回は少し趣向が変わり探検物語という感じ。謎の叫び声の正体や展開は予想外だったな。まぁ登場人物が少ないので、犯人自体は推測可能なのだが (笑。あと、本題に入るまでが長くて、ちょっと話が冗長だったかな。

#5: The Empty Envelope
YL3.2
総語数6,595
邦訳未翻訳

Dink 宛に謎の手紙が 5 通送られてきた。Dink 自身には覚えのない内容で、友人の Josh 、Ruth Rose と共に手紙を調べていると、どうやら住所を間違えているらしいと気づく。それと同時に、本来の受け取り人と名乗る人物から電話が掛かってきて――。

冒頭から引き込まれ、展開もスピーディーで面白かった! 住所間違いの手紙や察しの良すぎる子供達などは少し強引な展開に感じたし、推理できる内容ではなかったのは少し残念けど、その分先の展開が読めなくてワクワクしながら読めたかな。Ruth Rose もカッコ良かったし満足。

#6: The Falcon’s Feathers
YL3.3
総語数7,264
邦訳未翻訳

Josh はハヤブサの巣とひな鳥を見つけ、数週間ほど見守っていた。ある程度ひな鳥が成長したので、Josh は友人の Dink と Ruth Rose にもハヤブサのことを教えてあげようと巣まで案内した。しかし肝心のひな鳥がいなくなっていた! 巣から落ちた? 獣に襲われた? それとも……?

Josh が頑張って行動する回。ちょっと空回り気味だったけど。まっとうに活躍する回はくるのか (笑。そして普段は怪しい人物が 1 人しか登場しないが、今回は 2 人の人物が登場する。あからさま怪しい女性と、協力的な男性。さぁ犯人はどっち!? まぁやっぱり犯人は予想通りだったが。なかなか面白かったけど、最後の逮捕劇は少しアッサリ気味でもったいなかったかなー。

#7: The Goose’s Gold
YL3.3
総語数7,273
邦訳[4] 沈没船と黄金のガチョウ号

Dink、Josh、Ruth Rose の 3 人は休みにフロリダにある Ruth Rose の祖母の家に遊びに来た 。しかし Dink は空港で謎の男が怪しい会話をしているのを聞いてしまい気になっていた。一方、Roth Rose の祖母のもとには沈没船トレジャーハントへの投資話が来ていたのだが――。

Dink が細かい部分に気付いていたおかげで未然に犯罪を防げたわけだが、今回は一歩間違えば命を失っていたという、今までで一番の危機だったね! まぁ 3 人の行動は軽率だったのではないかと思うので、叱らないといかんな (笑。しかしこのシリーズはだんだん危険度が上がってきている気がするので、今後も危険な目にあうのかな?

#8: The Haunted Hotel
YL3.3
総語数8,287
邦訳未翻訳

シャングリラ・ホテルで幽霊が出たという新聞の記事を読んだ Dink は、友人の Josh と Ruth Rose と共に幽霊を確認するためホテルへと向かうと、幽霊を見たという宿泊客達はホテルから逃げるように去っていた! ホテル側は経営が成り立たなくなると困りっぱなし。果たして幽霊の正体とは?

1 巻で登場したシャングリラ・ホテルが舞台。話のカラクリは結構単純ですぐわかってしまったが、話の筋自体は面白かったし読みやすかったかな。でも子供達を活躍させるために大人達は危機感が無かったり、ちょっとおバカだったりで、キャラクター描写はイマイチ。Josh 君も口だけ番長になっていてカッコ悪い。あとオチもヒドイな。頑張った報酬は渡してやれよ (笑。

#9: The Invisible Island
YL3.4
総語数8,689
邦訳[10] ひみつの島の宝物

Josh に誘われ、Dick と Ruth Rose は近くの川の中にある小さな島までピクニックに来た。しばらく遊んでいると、島の中心にある巨石の方に向かう何者かの足跡を見つける。不思議に思った 3 人はその巨石を調べてみると、なんとお金を見つけたのだった!

舞台は小さな島だったけど、宝探しの面白さがあってなかなか良かった。しかしお金を拾っても、持ち主が困っているだろうと警察に届けでる Dink と Ruth Rose は偉いな! Josh は残念がっていたけど、友人 2 人に合わせてあげる辺りはエライ。ただ、犯人を見つけるためなら不法侵入 OK みたいな態度になっているのは少し残念かな。

#10: The Jaguar’s Jewel
YL3.5
総語数8,751
邦訳[5] 盗まれたジャガーの秘宝

Dick と Josh、Ruth Rose は Dick の叔父が住むニューヨークへ旅行に来た。3 人は叔父から美術館に展示予定の美術品を見せてもらっていたが、鑑定士がジャガーの彫像に付いているエメラルドを偽物と判定してしまう! 果たして本物のエメラルドの行方は? そして犯人は誰?

NY へ電車でやってきた 3 人が、NY の雑多な雰囲気に圧倒されている描写はなかなか良かったし、いざ事件が始まってからは色々な要素が判明して面白い内容だった! ただ、肝心の事件が始まるまでの話が長かった。旅行に来ると話の本筋とは無関係な描写が増えて冗長になることが多いな……。

導入のあらすじと簡単な感想 (11 ~ 20巻)

#11: The Kidnapped King
YL3.4
総語数8,710
邦訳未翻訳

Dink 家に少し変わった少年がホームステイしにやって来た。Josh、Ruth Rose も交えて 4 人で会話をしていると、なんと少年がとある国の王子で、彼の両親である国王と王妃が誘拐されており、身を隠すためにアメリカに来たというのだ! しかし翌日、少年までもが姿を消してしまい――。

面白かった! 今回活躍したのは 9 巻で Josh の飼い犬になった Pal。まぁ犬が活躍するというのはベタではあるけど、このシリーズでは今まで無い展開だったので楽しく読めた。ホテルの Mr. Linkletter も Dink 達の実績を評価しているのか、融通効くようになってきたのも面白い (笑。しかし今回は犯人も少し知恵を使い始めたな。今後の謎は少し複雑になっていくかな?

#12: The Lucky Lottery
YL3.4
総語数8,386
邦訳未翻訳

雪合戦をして遊んでいた Dink、Josh、Ruth Rose のもとに、 7 人兄弟姉妹の長兄 Lucky から手助けを請うメッセージが届いた。どうやら、祖父から送られてきた宝くじが何者かに盗まれてしまったらしい。しかもその宝くじ、当選金額はなんと 700 万ドル!!

犯人自体は結構マヌケだったけど、展開は色々と予想外だった! まず、700 万ドルて。どうせ番号が 1 つずれていたとかそんなオチやろ~と思っていたけど違った (笑。あと、スキーで移動するとかも新鮮で良かったけど、やっぱり犬が一緒にいると和んで良いな。Pal には今後も登場してほしいな~。

ところで、今回は第 2 巻で登場した苦学生 Lucky が再登場して、当時は高校生だったけど今は大学生らしい。冬も 2 回目だし。てっきりサザエさん時空だと思っていたけど、Dink 達も年齢を重ねているのかな? まぁ小学校を卒業することは無いだろうし、時間の経過は特に重要ではなさそうだけど。

#13: The Missing Mummy
YL3.4
総語数7,599
邦訳[9] ミイラどろぼうを探せ!

Dink、Josh、Ruth Rose は博物館で開催されるミイラの展示イベントにやって来た! しかし、いざ子供のミイラが保管されている棺を開けると、見学者の 1 人が突然ミイラを奪って逃走する! 慌てた係員によりイベントは中止。しかし犯人は、さらなるお宝をも狙っていた――。

やっぱり初期の頃と比べると犯行が凝ってきたと感じるな。まぁ登場人物が少ないし、犯人の予想はすぐつくのだけど。Josh もただの食いしん坊キャラではなく何かしら役に立つ特技 (?) ができてよかった~。

#14: The Ninth Nugget
YL3.5
総語数9,616
邦訳未翻訳

Dink、Josh、Ruth Rose の 3 人は、700 万ドルの宝くじを取り返したお礼として、Lucky からモンタナ州の観光牧場旅行をプレゼントしてもらった。景色や乗馬など満喫していた彼らだったが、なんと Josh がボール大の金塊を見つけてしまう! しかし、金塊を狙った悪の手も忍び寄っていた――。

序盤がスローペースなのは旅行回でよくある感じだったけど、今回は怪しげな人物が何人かいて、今までよりも犯人が誰なのか分かりづらくなっていて良かった。それに Josh は今回大活躍だったけど、最後の決断には驚いた! カッコ良いぞ。

なお、一部人物の発言で、’em (them) や ‘cept (except) など訛りの表記があったので、慣れていないと読みづらいかもしれない。過去調べてまとめたことがあるので、よければ「英単語の省略・短縮・視覚方言を知ろう!」を。他にも、語彙は多少難しめだと思ったかな。

#15: The Orange Outlaw
YL3.4
総語数7,603
邦訳[11] 名画と怪盗オレンジ

Dink は叔父に招待され、Josh、Ruth Rose と共に再びニューヨークへとやって来た! 叔父の住む地区では丁度ブロックパーティが開催されており、3 人は叔父と共に楽しい時間を過ごす。しかし、4 人が叔父の家に帰ると部屋の中が荒らされており、モネの絵画が盗まれていた! 部屋は高層階。建物の入口には見張りもいた。果たして犯人はどうやって侵入したのか?

Dink の叔父さん、2 度目の盗難事件! 彼が事件に遭遇しやすいのか、事件に遭遇しやすい 3 人が来たからか (笑。話としては悪くなかったけど、終盤に犯人が自供し始めるのはちょっと残念だったかな~。子供達に解決して欲しかった。最後には Josh の家にまた動物が増えたけど、もっと増えそう。次はウサギとかどうだろう。しかしニューヨークにブロックパーティというのがあるのは始めてしった。へ~。

#16: The Panda Puzzle
YL3.5
総語数8,544
邦訳未翻訳

街の動物園にパンダがやって来た! しかし、見学に来ていた Dink、Josh、Ruth Rose 達がいざパンダと対面するというタイミングでパンダの赤ちゃんが誘拐されてしまった! 犯人に目的は身代金。果たしで犯人は誰だ?

怪しい人物が何人かいるけど、聞き込みをしても絞り込めない! という時に、発想を逆転させて案をだした Ruth Rose は流石だ……! 彼女の閃きはいつもながらスゴイね。それにDink は冷静な判断ができるし、Josh は意外性があるという良い 3 人組だな~。しかし終盤の展開、冷静でいられたのはかつて地下通路に閉じ込められたことがあるからだったりして。経験豊富な子供達だ (笑。

#17: The Quicksand Question
YL3.5
総語数9,416
邦訳未翻訳

Dink、Josh、Ruth Rose は Josh の家の納屋でお泊り回を開き、貯金箱に溜めておいた金額を数えていた。それはカモが通る橋を作る募金のために溜めていた物だった。しかしその夜、近所でボヤ騒ぎが起こると同時に、消防署に設置されていた巨大な募金箱が盗まれてしまった! 犯人は一体誰? 盗まれた募金箱の行方は?

いざその場面になるまで、今回のタイトルをすっかり忘れていた。いやぁ Josh と Dink はかなりの恐怖を感じたでのではないかな。危ない! 話の進み方は、ヒントを見つけ一人ずつ聞き込みをしていくというスタイルで、前の巻もそうだったけど、個人的にはこの形式の方が好きかな~。なんか捜査している感があり、着実に真相に近づいている気分を味わえる。

#18: The Runaway Racehorse
YL3.4
総語数8,364
邦訳未翻訳

Dink の叔父とその友人が競走馬 Whirlaway を購入したということで、Dink、Josh、Ruth Rose は馬とレースを見学しにニューヨークへやって来た! しかし、Whirlaway の様子がどうもおかしく騎手に懐かない。果たして Whirlaway にどんな謎が隠されているのだろうか?

今回の犯人は大胆なトリックを思いついたものだ。でもそのうち絶対だれか気づくでしょ (笑。犯人についてもミスリードがあり、なかなか面白かった回。ところで Ruth Rose が使っていたのはフィルム現像が必要なカメラだったけど、時代を感じるな。

#19: The School Skeleton
YL3.3
総語数8,690
邦訳[8] 学校から消えたガイコツ

学校の授業中、Dink は紙で指を切ってしまったので保健室に行った。すると、いつもあるハズの骨の標本が無くなっていた! 誰が? 何のために盗んだのか? 先生達も骨の行方が分からず、ついには校長先生が、骨の行方を見つけた生徒のクラスには水族館のチケットをプレゼントすると告知する。学校中が大騒ぎ!

犯人やおおよその動機は中盤で推測できたが、珍しく学校が舞台で新鮮な話だった。しかし学校中で競い合うのは楽しそうだね。ちょっと迷惑でもあるが (笑。ここ最近の話の中では読みやすかったかな。

そういえば、この時点で Dink 達は小学 3 年生と記載されていたけど、 1 巻から季節は何度か巡っているし、やはり年を取らないサザエさん時空なんだな。

#20: The Talking T. Rex
YL3.4
総語数9,943
邦訳未翻訳

モンタナ州の牧場で知り合った Jud が街にやって来た! 博物館設立に向けた資金調達のために、各地でティラノサウルスの模型展示をしているらしい。PC で制御された恐竜に興奮する街の住人達。満足していた Jud とその友人達だったが、今までの売上を入れていたバッグが盗まれていたことに気づく。犯人は誰?

14 巻に登場した Jud が再登場。街の住人達が集まったイベントだったこともあり過去に登場した人物たちの名前もチラホラ。1 巻から順番に読んでいたので、皆の名前が登場してちょっとうれしかったな~。しかし事件が始まる前から何となく事件の内容と犯人が予想できてしまった辺りは、このシリーズらしさを感じた (笑。あと、Dink 達の行動はちょっと無謀だったね。まぁ犯人に逃げられるのも困るし、判断は難しいけども。

導入のあらすじと簡単な感想 (21 ~ 26巻)

#21: The Unwilling Umpire
YL3.4
総語数9,036
邦訳未翻訳

学校のサマーキャンプの資金集めの施策として、街の住人が野球を行うことになった。しかしゲームの途中、主審が薬を取りにクラブハウスへ行ったきり戻ってこず、展示してあったサインボールが盗まれていたことが発覚! 警察が逃亡した主審を務めていた Pete を捕まえ、彼も犯行を自白した。しかし頑なにボールの行方は話さず、どうにも不自然さが残る。果たして本当に Pete が犯人なのか?

犯人がマヌケなのはいつものことだが、今回は早々に捕まえた人物が本当に犯人なのかという点に焦点が当たっており、普段とは展開が異なって面白かった! 今回新たに登場した 2 人は今後も出てきたら良いな。あと、野球の描写が結構あったので野球のルールを知らないと読みづらそうというのはあったかな。

#22: The Vampire’s Vacation
YL3.4
総語数8,500
邦訳未翻訳

スーパーで黒づくめの男を見かけた Josh は、その男がヴァンパイアではないかと疑い始めた! 気になった Josh は Dink と Ruth Rose と共に男の後をつけていくが、男と出会ったであろう街の住人達は怪しげな挙動をし、さらに首には怪しげな絆創膏が貼られていることに気づく。果たして男は本当にヴァンパイアなのだろうか?

今回は事件ではなく、不気味な男の謎に迫る物語。最初はヴァンパイアなんて信じていない Dink も、奇妙な状況を不審に思いだんだんと不安になっていくというホラー風味が。まぁ別に怖くはないが (笑。シリーズ終盤になってきたからか毛色の違うストーリーが増えてきて良いね。残り 4 冊、どのような展開が待っているのか楽しみだ!

#23: The White Wolf
YL3.4
総語数9,006
邦訳未翻訳

Dink、Josh、Ruth Rose はミステリー作家 Wallis に招待され、とある島の別荘に遊びにきた! 3 人はそこで Wallis の養子 Abbi と出会い交流を重ねていた。しかしある時、Abbi は自然公園の中でオオカミの子供が男女に攫われているのを目撃する。Dink 達は現場に向かい、攫われたオオカミ達の行方を捜索する。

1、4 巻に登場した Wallis が久しぶりに登場。別荘があるとはさすが売れっ子作家……。今回はオオカミ探索ということで犯人の足跡を辿っていたけど、ちゃんと犯人と断定できるまで証拠を積み重ねていくのは良かった。あと、年齢に言及したのが初めてだったけど、Dink 達の年齢は 8 歳らしい。小学 3 年生という情報は出ていたから、想定通りだったけども。

#24: The X’ed-Out X-Ray
YL3.4
総語数8,793
邦訳[7] ねらわれたペンギンダイヤ

Dink、Josh、Ruth Rose は人気歌手 Penelope Gwinn のコンサートに来た! しかし、3 人が休憩時間中にメリーゴーランドに乗っていた時、突然の悲鳴が。悲鳴の主は Gwinn で、ペンギンのネックレスが盗まれてしまったらしい。果たして犯人は誰? ペンダントの行方は?

色々と詰めが甘かったけど、犯人はよくあんな方法を思いついたな! スゴイ。いやいや、でも Dink は腕に違和感はなかったのか (笑。このシリーズは 3 人がそれぞれ意見を出し合い、見事解決まで導いていく過程が面白いな。良い 3 人組だ。そして、3 人に対する Officer Fallon の信頼も厚くなっていそう。数多の事件を解決してきたからな~。

#25: The Yellow Yacht
YL3.5
総語数8,632
邦訳未翻訳

Dink、Josh、Ruth Rose はかつて誘拐事件で知り合った某国の王子 Sammi から招待され、インド洋にある彼の国まで旅行に来た。素晴らしい景色や催しものに喜んでいた彼らだったが、なんと銀行に保管してあった国王の金塊の盗難事件に遭遇する。捜査を開始した 3 人は犯人が落としたメッセージを見つけたが、果たして金塊と犯人を見つけることはできるのだろうか。

第 11 巻で登場した王子が遂に再登場。もう登場しないかなと思っていたけど、ここにきて彼の国に訪問する話が来たのはうれしい。物語としても、今までは証拠を集めて犯人を追い詰めていくスタイルだったが、今回は逆にその情報に振り回される姿が描かれていて新鮮で良かった。あと面白かったのは、英語圏ではなかった事。Magic Tree House ではどこでも英語で通じたけど、今回の舞台の小国では英語を学んでいるから話せるという事になっていた。なるほどね~。

#26: The Zombie Zone
YL3.4
総語数8,662
邦訳[6] 恐怖のゾンビタウン

Ruth Rose の祖母と一緒にニューオーリンズに来た Ruth Rose と Dink、Josh の 3 人は、ガイドに連れられて森へハイキング。森には電気を使わずに暮らす村があるのだが、ゾンビが出ると警告の看板が道中に建てられていた。そして村では墓荒らしの形跡が。ゾンビを信じる村人たちだったが、果たして真実は?

夜間に怪しい人影を見た Dink が、その人影はガイドの男性なのかと疑心暗鬼に陥っている様はなかなか緊張感がありホラー風味で良かった。でも全体的には少し冗長な展開が多かったかなぁ。それに最終巻なので集大成的な展開も欲しかった気も……。3 人の息の合った感じは相変わらずで良かったが。まぁ続編となる Special Edition もあるしな。

さて、これで A ~ Z まで読んだ! シリーズ後半になるにつれ 1 冊の語数が増えるということもなく、面白さも難易度も安定していて良いシリーズだった! 本音を言えばもう少し捻った事件や展開だったら良かったのだが、子供向けだしこんなものかな。続編もあるけど、とりあえずここでシリーズ通読は終わろうかな。満足!

続編その他

A to Z Mysteries には続編とスピンオフもある。続編 Super Edition ではDink 達は小学 4 年生になり、本編よりも長い物語となる。スピンオフの Calendar Mysteries では、Dink 達の従妹や弟が主役となっており、Dink 達も小学 6 年生となっている。ただ、難易度は A to Z よりも低い模様。

A to Z Mysteries: Super Edition続編。一冊の語数が本編よりも長くなっていて読み応えも増加
A to Z Mysteries オーディオブックオーディオブック版。3 冊セット版もある
Calendar Mysteriesスピンオフ。Dink の従妹、Josh の双子の弟、Ruth Rose の弟が活躍。難易度は少し低い
Encyclopedia BrownA to Z が気に入った方に勧めたい、個人的なおすすめシリーズ。少年探偵の短編シリーズ

A to Z Mysteries シリーズ 語数・YL 一覧

No.YL語数タイトル出版年
第 1 ~ 10 巻 (78,627語)
13.38,535The Absent Author1997
23.26,566The Bald Bandit1997
33.48,317The Canary Caper1998
43.48,350The Deadly Dungeon1998
53.26,595The Empty Envelope1998
63.37,264The Falcon’s Feathers1998
73.37,273The Goose’s Gold1998
83.38,287The Haunted Hotel1999
93.48,689The Invisible Island1999
103.58,751The Jaguar’s Jewel2000
第 11 ~ 20 巻 (86,871語)
113.48,710The Kidnapped King2000
123.48,386The Lucky Lottery2000
133.47,599The Missing Mummy2001
143.59,616The Ninth Nugget2001
153.47,603The Orange Outlaw2001
163.58,544The Panda Puzzle2002
173.59,416The Quicksand Question2002
183.48,364The Runaway Racehorse2002
193.38,690The School Skeleton2003
203.49,943The Talking T. Rex2003
第 21 ~ 26 巻 (52,629語)
213.49,036The Unwilling Umpire2004
223.48,500The Vampire’s Vacation2004
233.49,006The White Wolf2004
243.48,793The X’ed-Out X-Ray2005
253.58,632The Yellow Yacht2005
263.48,662The Zombie Zone2008
YL は自己評価
語数は AR BookFinder より (計218,127語)

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