資質を見出された農家の息子が、授けられた相棒のドラゴンと共に成長・活躍していく王道冒険ファンタジー「Dragon Masters シリーズ」。

以前 1 巻を読んだ時にかなり面白かったと感じていたので、今回 20 巻まで読んでみました。シリーズ前半は特に面白かったので、英語多読の題材としてもオススメです。

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Dragon Masters シリーズ

概要

日本語タイトル未翻訳
著者Tracey West (トレイシー・ウエスト)
巻数既刊20巻 (2022年2月時点)
YL2.3~2.5
語数各巻 約5,900~約6,200語 (計120,870語)
目指せドラゴンマスター!

ドラゴンストーンに資質を見出された農家の息子 Drake は城へ連行され、とあるドラゴンを授けられる。そして彼は師匠となるウィザードや同じ境遇の子供達と共にドラゴンマスターへの道を歩んでいく! という中世ヨーロッパ風の王国を舞台にした冒険ファンタジー。冒頭からいきなり農民は兵士に逆らうことができないという描写があったり、Drake は学校に通っていなくて文字が書けないなど、思ったよりも世知辛い部分もある世界。

主な特徴は以下の通り。

  • 一文が短く簡潔で読みやすい
  • テンポが良くストーリーも面白い
  • 毎ページ挿絵があるので状況が理解しやすい
  • 電子書籍版は固定レイアウト (画像) で文字サイズの拡大・縮小はできない。ただしページ全体の拡大はできる
  • 朗読音声 (オーディオブック) は、日本の Audible の聴き放題対象 (無料体験あり)。聴きながら読むのにも使える

私がファンタジー好きということもあるけど、資質を見出された子供が城の地下で、師匠となるウィザードや仲間たちと切磋琢磨しながら生活し、立派なドラゴンマスターになるべく活動していくという展開がまず気に入った。挿絵も豊富で、しかも味がある。ページをめくるたびに次はどんな挿絵が見られるのだろうかというワクワク感があり、読み進めていくのは非常に楽しかった。

ただ、どんなに面白いといってもやはり不満点はそれなりにあるもので。個人的に残念だったのは、毎巻新しいドラゴンとそのマスターが登場すること。10 巻ぐらいまでならそれでも良かったけど、それ以降はキャラクターが飽和気味。初期ドラゴンの能力も後半に出てくるドラゴンに比べて控えめなので、結果的に初期キャラクターの活躍も Drake 以外は少なかったかな……。このシリーズはあくまでも Drake 君の活躍がメインということなんだが、個人的には仲間キャラクターの活躍がもっと見たかったので、10 巻目ぐらいからは少し消化不良。まぁこの辺は個人の感想なので、Drake の活躍をたくさん読みたいという場合はずっと楽しめると思う。

英語的には、Magic Tree House や Marvin Redpost より少し簡単ぐらいのレベルだとは思うけど、戦闘の描写などは結構しっかり書かれているので、英文だけだと細かい部分を理解するのが少し難しいと感じた箇所もあった。でも挿絵のおかげで困る事はなくて助かった……。難単語はあまりなかったと思うけど、歩くとか飛ぶとかの動作系の単語や、会話が多いので句動詞は少し多めに感じたかな。でも 1 巻から順番に読んでいれば慣れていけると思う。

物語の区切りは 4、9、13、20 巻

大きな事件が解決するのは 4、9、13、20 巻なので最初は 4 巻まで読むのがオススメ。正直、10 巻以降は少しマンネリを感じてしまったし、人によっては好き嫌いが分かれそうな展開が増えてきたと感じたけど、4 巻までは文句なく面白かった。そこまで読んで、このシリーズが気に入ったら 9 巻や 13 巻など、区切りの良いところまで段階的に読み進めるのが良いと思う。

主な登場人物

4 巻までの主な登場キャラクターは以下の通り。Bracken 王国の農家の息子で、純朴な性格の Drake が主人公。そして彼よりも数週間早く城に着いてドラゴンマスターとして訓練を受けていたのが Rori、Bo、Ana の 3 人。それぞれに相棒のドラゴンがいるのでキャラクター数は多いが、挿絵が豊富なので状況把握は簡単だった。最初は Rori と Ana を間違えそうになった時はあったけど……。

主人公たち
Drake玉ねぎ農家の息子。8 歳。純朴
Rori赤毛の少女。鍛冶屋の娘。勝気
Bo黒髪の少年。東の国から来た。優しい
Ana長い黒髪の少女。南の国から来た。明るい
相棒となるドラゴン
WormDrake の相棒のアースドラゴン (地)。茶鱗
VulcanRori の相棒のファイアードラゴン (火)。赤鱗
ShuBo の相棒のウォータードラゴン (水)。青鱗
KepriAna の相棒のサンドラゴン (太陽)。白鱗
その他登場人物
RolandBracken 国の王。ドラゴン好き
Griffith王に仕える老ウィザード。Drake 達の師匠となる
DiegoGriffith の友人のウィザード
Maldredダークウィザード

導入のあらすじと簡単な感想 (1 ~ 4 巻)

YL (読みやすさレベル) は自己評価。語数は AR BookFinder より。

ドラゴンストーンに選ばれた 4 人の子供達は相棒となるドラゴンを授けられる。そして子供達はドラゴンと心を通わせ一人前のドラゴンマスターを目指し訓練を重ねていくが、彼らの前にダークウィザードが現れる。果たしてダークウィザードの目的とは。そして少年少女達はダークウィザードに打ち勝てるのか。

1: Rise of the Earth Dragon
YL2.3
総語数6,016
邦訳未翻訳

ある日、玉ねぎ栽培を生業としてきた農家の息子 Drake の下に王国の兵士が訪ねて来た。農民は兵士に逆らうことはできない。Drake はそのまま騎士に王国の地下へと連れていかれ、石の扉の前に取り残された。そして好奇心に逆らうことができず石の扉を開けた Drake が見たのは、今まさに火球を放たんとするドラゴンの姿だった――。

単なる農家の息子だったのに突然連れていかれ、相棒となるアースドラゴン Worm と出会った Drake。最初はやる気を出さなかった Worm も、とある出来事を切っ掛けに Drake と心を通わせていくという、何とも王道な冒険ファンタジーの展開ではあったが、それだけに期待を裏切らずに最初から最後まで楽しく読めた! 正直、この難易度でこれだけ面白いと感じる児童書があるとは思っていなかったので驚き。王国についても暗い影が見え隠れするし、今後の展開が楽しみだ!

2: Saving the Sun Dragon
YL2.3
総語数5,977
邦訳未翻訳

雲の谷で訓練をしていた Drake ら 4 人のドラゴンマスターとそのドラゴン達。しかし Drake の相棒アースドラゴンの Worm は空を飛べない。大空を駆けていた 3 体のドラゴンを眺めながら Worm にはどんな能力があるのを考えていた Drake だったが、不意に Worm の目が光ったことに気づいた。その視線を辿ると、なんと Ana の相棒サンドラゴン Kepri が墜落していたのだった――。

Ana とサンドラゴン Kepri に焦点が当たる回。この巻では体調が悪化した Kepri をなんとか回復させようと四苦八苦するという物語。そもそも地火水のドラゴンと来ているのに次が風ではなく太陽のドラゴンというのは特別感あるなぁと思っていたけど、ちゃんと伏線だった! あと安心したのは、Rori は性格が悪いのかなと思いそうになっていたけど普通に仲間思いだったこと。良かった。他にも、前巻でレッドオーブを出現させたのは悪のダークウィザードが原因という重要な情報が出てきたし、国王も色々ときな臭くなってきて、気になる要素が増えてきた。色々と世界観が広がってきてワクワクさせてくますな。

3: Secret of the Water Dragon
YL2.4
総語数5,883
邦訳未翻訳

城の地下でドラゴンに鞍を付ける訓練をしていた Drake らドラゴンマスターの 4 人。その日の訓練を終え、部屋へ戻る Drake と Bo だったが、部屋の入口で Bo が突然立ち止まった。何事かと Drake が問うも、Bo は顔色を悪くして部屋の枕の上に置かれていた黒い羽を見つめるのみだった――。

Bo とウォータードラゴン Shu 担当回。魔法で保護していたドラゴンストーンが何者かに盗まれそうになったという話が出た途端、挙動が怪しくなる Bo。実は彼は……という展開。ドラゴンに鞍を付けて飛び回る様はまさにドラゴンライダーという感じでカッコ良いね。移動できる範囲も広くなったし、今回はダークウィザードの行動がさらに大胆になってきたし、もしかしたら直接対決は早々にあるのかも? 次回は Rori の話のハズだが、果たしてどんな展開になるのか。ドラゴンごとにも個性が出て来たし、楽しみだ。

4: Power of the Fire Dragon
YL2.5
総語数5,935
邦訳未翻訳

国王は近々行われる特別なイベントで、世間にドラゴンを披露しようと考えていた。そのための訓練をしていた Drake らドラゴンマスターの 4 人だったが、未だ Rori は相棒のファイアードラゴン Vulcan と心を通わせることができないでいた。それでもダークウィザードには負けないと意気込む彼女。そんな折、国王が特訓の視察に来たのだが――。

Rori と Vulcan が活躍する回。国王や他のドラゴンマスター 2 人、 Griffith はイベントで外出する一方、王の不興を買ってしまった Vulcan と元々好まれていない Worm はイベントに参加できず留守番。しかしその隙を狙って、遂にヤツが城に襲撃してきた……という展開。今回は空中大決戦という感じで、バトル描写に気合が入っていた! しかも一応の決着が付いたので、物語的にもひと段落。新たなドラゴンマスターの加入が仄めかされていたが、今後どう展開していくのかな……?

導入のあらすじと簡単な感想 (5 ~ 9 巻)

ドラゴンの存在が一般に認知され、新たなドラゴンと少女を仲間に加えたドラゴンマスター達。彼らはドラゴンストーンの秘密や伝承で語られるドラゴンの謎を解くなど様々な冒険を重ねていく。しかしある時、ドラゴンを攫おうとする謎の人物が現れた。

5: Song of the Poison Dragon
YL2.3
総語数6,017
邦訳未翻訳

城門前。民衆からの歓声を受けながら、新たなドラゴンマスターである少女 Petra が到着するのを待っていた Drake ら 4 人のドラゴンマスターと Griffith。そして遂に、遠くから兵士に連れられて、金色の髪に青い服の少女がやってきた。大勢が見守る中、彼女は口を開いたが――。

前巻で登場した 4 つ首のポイズンドラゴン Hydra と、そのドラゴンマスターとなる Petra について描かれる。Petra はラゴンに詳しいが、相棒となる Hydra と馴染めないまま王にドラゴンを披露することになってしまう。しかし……という展開。毒は扱いが難しそうと思っていたけど、案の定というヤツだ。でも全体的に Drake の行動はカッコ良かったし、最後はうまく収まってめでたいね。それにしても一般大衆の行動は変なリアルさがあったな (笑。国王も、最初は実は悪の人物で世界征服でも企んでいるのではと思っていたけど、そんなことも無さそうなのかな……? そして最後にはドラゴンストーンに関する重大な情報が出てきて、さぁ大変だぞという感じだったので次回も楽しみだ。

6: Flight of the Moon Dragon
YL2.4
総語数6,018
邦訳未翻訳

ドラゴンストーンの調子が悪いのは、プライム・ドラゴンストーンの力が消えかかっているからだと、Ana と同郷の Heru より情報がもたらされた。そのストーンは秘密のピラミッドに隠されており、そこに入るには 6 体のドラゴンが必要らしい。実際にドラゴンとの繋がりが弱まっていることを実感したドラゴンマスター達は、王の許可を得てプライム・ドラゴンストーンを探しに行くことになった――。

2 巻でも登場した Heru とムーンドラゴン Wati に焦点が当たる。Heru はドラゴンの秘密を守る一族の末裔で、今回は彼の情報をもとにダンジョン探索を行う。各ドラゴンにそれぞれ活躍の場がある辺りがダンジョン探索の醍醐味って感じで面白かった。今回の問題は解決したけど新たな問題が発生したので、次巻はその話になりそうだ。しかし、6 人ですでに大所帯感あるな。このまま毎巻 1 人ずつ増えていくのか……? 20 巻になるとドラゴンマスター 20 人と 20 体のドラゴンで活動? さすがにないか。

7: Search for the Lightning Dragon
YL2.3
総語数5,975
邦訳未翻訳

秘密のピラミッドから逃げ去った幼いライトニングドラゴンを魔法で探す Griffith だったが、移動速度が早く居場所が特定できないでいた。そのドラゴンに適合する新たなドラゴンマスターも未だ見つからず、先行きは不透明。そんな時、Griffith の友人 Diego が、ライトニングドラゴンを補足したという情報と共に現れた――。

怯えて逃げる幼いライトニングドラゴンを、新たなドラゴンマスターに会わせてあげる話。前回いた Heru はスポット参戦だったみたいで今回は登場しなかった。また、Drake は Diego と行動を共にしていたので、Diego のことも少し分かった回だったね。なかなかユニークな家に住んでいらっしゃる。そして無事解決したかと思いきや、最後にはまた新たな展開。最初のダークウィザードの物語は 4 巻で一区切りだったので、今回は 8 巻で決着かな?

8: Roar of the Thunder Dragon
YL2.3
総語数6,046
邦訳未翻訳

謎の女性 Eko にライトニングドラゴン Lalo が誘拐されて 2 日。Drake と新たなドラゴンマスター の少年 Carlos は、ウィザード Diego と共にとある島で Lalo を探していた。Eko がなぜ Lalo を誘拐したのか疑問に思っていた Drake だったが、Diego から衝撃の事実が告げられる。Eko は Drake の師匠 Griffith の、最初の弟子だったのだ――。

Eko と彼女の相棒サンダードラゴン Neru との対決回。と思いきや、それ以外にも色々と見どころが多くてかなり面白かった。特に、なあなあで済ますと思っていた、国王が子供やドラゴンたちを無理やり集めていたという部分に切り込んでくるとは予想外! Rori の暴走気味な部分にもきっちり焦点を当ててきて、これは本当に次巻の展開が楽しみになってきた! ちなみに今回で決着はつかなかったので、必ずしも 4 冊 1 セットというわけではないみたいだね。

9: Chill of the Ice Dragon
YL2.4
総語数6,021
邦訳未翻訳

北の国のドラゴンマスター Mina が助けを請いにドラゴンマスター達を訪ねてきた。大昔のウィザードに封じ込められていたアイス・ジャイアント Vasty が復活し、彼女の国は氷漬けにされてしまったとのこと。そこで、Mina はアイス・ジャイアントを倒すために Bracken 王国のファイアードラゴン Vulcan の力を借りに来たのだという。しかし肝心の Rori と Vulcan は行方不明であり――。

北国のドラゴンマスター Mina とその相棒アイスドラゴン Frost が登場。今回は対決! 氷の巨人! という話だった。巨人は滅茶苦茶デカかったけど、ドラゴンが 6 体もいたので完全に数でごり押した感じ (笑。とりあえず Rori に関しては一旦解決して、5 感からの冒険もひと段落したかな。ちょっとアッサリしすぎな気もするので、もうちょっと引っ張っても良かったと思うが。そして国王が無理やりドラゴンを集めていた事や Eko に関しては何も解決していないんだよなぁ。中途半端に終わらせてほしくないので、今後の巻で進展があれば良いが。

導入のあらすじと簡単な感想 (10 ~ 13 巻)

着実に経験を重ねていく 5 人のドラゴンマスター達は、とあるドラゴンが危険だという情報を入手し助けに行くことにした。しかしその裏で、捕らわれていたはずのあの男が暗躍し、かつて地上に破壊をもたらした古代のドラゴンを手にしようと画策していた。

10: Waking the Rainbow Dragon
YL2.3
総語数5,927
邦訳未翻訳

Drake がドラゴンマスターになってから数か月。彼は今まで出会ったドラゴンの夢をよく見ていたが、今回は見知らぬドラゴンの夢を見た。そのドラゴンはまるで虹のような色合いだったが洞窟の中で震えており、怪しげな影がそのドラゴンに迫っていたように思えた……。夢から覚めた Drake は、今の夢の内容は彼の相棒 Worm が見せた正夢なのではないかと考え――。

雨の力を持つレインボードラゴンが登場。もしレインボードラゴンに何かあれば、雨が降らず干ばつで土地が大変なことに! ということで、Drake と Ana が新たなマスターを探しつつ、ドラゴンを助けに行く。今回の舞台はアフリカみたいな土地で、野生生物も出てきたのが新鮮。そして最後にはまた大事件が発生して気になる引き。今後どうなるのか楽しみだ。しかしレインボードラゴン、表紙の色だと毒々しくないか (笑。

11: Shine of the Silver Dragon
YL2.4
総語数6,130
邦訳未翻訳

あの男が活動を再開していた! 古代龍 Naga に関する本を盗まれ騒然としていた Drake 達の所に、Carlos とライトニングドラゴン Lalo が Diego とあの男に関する情報を伝えにやって来た。そして情報を整理するために、Griffith はまず Naga の神話について語り始めたのだった――。

地震を操る古代のドラゴン Naga。そして、かつて Naga を操り地下に封じ込めるためにウィザード達に作ったシルバーキーとゴールドキー。ダークウィザードが Naga を狙い 2 つのキーを集めようとしているため、Drake と、Bo、そして Carlos の 3 人が、シルバーキーを守護しているシルバードラゴンとそのマスターに会いに行く。 いやぁ何ともアツイ展開だ! シルバードラゴンの目力が強いし、そのマスターはカッコ良かったね。ただ、今回の話自体はイマイチだったかな。キーを守りに行った 3 人だったけど、結果的に邪魔しかしてないし。特に Bo は作者の都合で無能ムーブさせられた感じがあって残念。今後はこんな作為的な展開は無ければ良いが。

12: Treasure of the Gold Dragon
YL2.4
総語数6,059
邦訳未翻訳

シルバーキーはまんまと Maldred に盗まれてしまった。世界を守るため、残されたゴールドキーが悪の手に落ちるのを防がなければならない。Griffith はキーを守るメンバーを決め、Drake と Rori はキーの在処である山へ送り込む。しかし 2 人はそこで驚くべき光景を目にしたのだ――。

今回はゴールドドラゴンの出番。というか、出だしから予想外の展開で、その後の展開も思ったよりかなり早い。奮闘むなしくというか、予想通りというかゴールドキーは持ち去られてしまったけど、ドラゴンマスター達もシルバードラゴンとゴールドドラゴンを仲間に加えて最終決戦的な様子になってきた。再登場した Eko も、やはり純粋悪では無いみたいで安心。先が楽しみだ! ところで、国王の許可を得ずに好き勝手している感じだけど、もうその辺の設定は投げっぱなしなのかな?

13: Eye of the Earthquake Dragon
YL2.4
総語数6,092
邦訳未翻訳

シルバーキーとゴールドキーの守護者たるドラゴンマスターを連れ、城に戻ってきた Drake と Rori。彼らが部屋を見渡すと、そこには数多くのウィザード達がいた! ウィザード達は Maldred を妨害するために集結しており、今現在も魔法で Maldred の動きを封じ込めようとしていた。Maldred が活動を再会し Naga を復活させる前に、ドラゴンマスター達は早速行動を開始した――。

ついに古代のアースクエイクドラゴン Naga と、そのマスターが登場! まず、Naga デカい! いつかの氷の巨人なんて目じゃないな……。さすがマスターが 2 人いるだけあるわ。あとMaldred はやはり強いね。でも最後は倒されるわけだけど結構悲惨だったね。これならいっそとどめを刺してあげた方が、と思わなくもないけど、まぁそういう描写は NG なんだろう。あとはシルバードラゴンのマスター Jean は相変わらず勇猛果敢で良かった。Bracken 王国も結構大変なことになってしまったけど、その辺は次巻で詳しくやるのかな。

ちなみに、このシリーズのイラストレーターは複数人いるみたいだけど、この巻の人のイラストは違和感あるというか、他の巻とタッチが違って自分の好みではなかったなぁ。なんか Drake の眉毛が気になるぞ (笑。

導入のあらすじと簡単な感想 (14 ~ 20 巻)

Maldred の脅威は去ったが、彼の行為の代償は大きかった。王国の復興や彼に消された人物の救出など、後始末を色々としていくドラゴンマスター達。しかし、その過程でより強大な悪のウィザードが世に解き放たれてしまい、ドラゴンマスター達は対処する必要が出てきた。

14: Land of the Spring Dragon
YL2.4
総語数6,042
邦訳未翻訳

地震で建物や作物に壊滅的なダメージを負った Bracken 王国。このままでは民が飢えてしまうため、復興の方法を探していた Griffith とドラゴンマスター達は、植物を育てる力があるスプリングドラゴンの情報を入手する。そのドラゴンに助けを請うため、Drake 達はまずスプリングドラゴンのマスターを探し出すことにした――。

王国復興回で、スプリングドラゴン Fallyn とそのマスター Breen が登場。Breen はすぐに見つかったが、Fallyn に会うには妖精の世界のテストを 1 人でクリアしないといけない、ということで Drake が単独で妖精の世界に乗り込む。妖精が色々出てきたりテストをクリアしたりと、今までとは趣向が異なるとういか、もはや別ジャンルの物語で新鮮ではあったけど、ちょっと物足りなかったかな。そして無事復興が終わった後には、予想外のドラゴンが登場。これは気になっていた部分だったので、次巻が楽しみだ。

15: Future of the Time Dragon
YL2.4
総語数6,084
邦訳未翻訳

サンダードラゴン Neru から、Eko の捜索を手伝ってもらいたいと依頼されたドラゴンマスター達。Eko は Maldred に転送させられて以来消息不明だった。捜索に名乗り出た Drake と Rori は準備を整え、Eko を探しに旅立つのだった――。

Eko を救出するにはタイムドラゴンの力が必要ということになり、タイムドラゴンとそのマスターを頼るも、アクシデントで Drake は過去に……。という展開。これはなかなか面白かっし、結局 Eko はどうなったんだと思っていたので、ちゃんと解決して良かった。でも彼女の心や信念の変化の過程はもうちょっと丁寧に描写してほしかった。最後は、新たな敵役になりそうな人物の存在が仄めかされていたので、この先関わってくるのだろうな。これも全部 Maldred が原因というのがなんとも。まったく厄介なヤツだったぜ!

16: Call of the Sound Dragon
YL2.5
総語数6,157
邦訳未翻訳

Eko にドラゴンメイジ としてサンダードラゴン Neru の力を使うところを実演してもらい、興奮しながら見学しているドラゴンマスター達 。一方、Griffith は解放してしまった悪のウィザードの一覧を作っていた。そんな時、怪しげなウィザードの活動を Griffith の遠視の水晶が映し出した――。

悪のウィザードを止めるため助っ人を探していたサウンドドラゴン Sono とそのマスター Tessa に、Drake と Petra、Griffith が合流するという展開。ウィザードの総本山なる場所も出てきて、なかなか読み応えのある展開だった! とくにラストの Petra の決断には……。結構 Petra 好きだったので少しショック! 今回はさほど出番がなかったけど、かつての強敵 Eko が仲間になった描写もワクワクした。早く彼女が活躍する回がみたいな~。

17: Fortress of the Stone Dragon
YL2.4
総語数6,095
邦訳未翻訳

北の国からアイスドラゴン Frost とそのマスター Mina が情報を持ってやってきた。彼女の師匠の姉妹であり、解放された悪のウィザードの一人である Astrid の動向が判明したというのだ。 Astrid はかつて仕えていた王と国民から裏切られダークウィザードになり、復讐としてその国全体に眠りの魔法を掛けてしまうぐらい、凶悪であった――。

Astrid が、ストーンドラゴンとそのマスターが守護する砦にある物を使った企みをしているとうことで、Drake と Mina が砦に出向き Astrid を迎え撃つ、という流れ。そして、なんと今回の話はこの巻だけで解決しなかった! それだけ強力なダークウィザードということなのだが、なかなか珍しい展開。ただ、ダークウィザード相手なのにその魔法を解除できる Bo と Shu と連れて行かないし、Drake はチャンスでまた邪魔をしたしで、途中の展開は不自然でイライラ要素があったかな……。

18: Heat of the Lava Dragon
YL2.5
総語数6,241
邦訳未翻訳

Astrid の物体に命を与える魔法を破るには 3 体の特別なドラゴンを探す必要がある。そんな話を Ana から聞いていた Drake に、突然 Worm からテレパシーが 届いた! アースドラゴンである自分は石化を解けるので手伝って欲しいという Worm の思念を聴き、Drake は慌てて城の外へ出た――。

命の与える魔法を破るには、特別な石を溶岩の力で融かし、海の力で冷やし、風の力で箱の形に変えた物を用意する必要がある。ということで、今回は Drake と Ana がラヴァドラゴンを捜索しに行く。溶岩のドラゴンとは物騒だと思ったけど、やはり通常のドラゴンより危険な感じ。これはもしや Vulcan 以上に気難しいかもしれん。そして最後には、珍しく Drake の独断先行、というところで次巻へ。普通に海と風のドラゴンを探しにいくだけだと思っていたけど、違うのかな? 気になる。

19: Wave of the Sea Dragon
YL2.5
総語数6,084
邦訳未翻訳

Astrid の魔法でウィザード達は砦に近づけないが、ドラゴンの力なら砦内に侵入できると考えた Drake は、独断で Worm と共に砦へテレポートする。無事内部に侵入できた Drake は、物体に命を与える魔法を唱えるため目を閉じて集中している Astrid と、5 つの触媒を見つける。触媒を奪ってしまえば、魔法を唱えることができないはず! そう考えた Drake は――。

なんとか Astrid の行動を阻害して猶予時間を作れたので、その隙に Drake と Bo、そしてラヴァドラゴンのマスター Operi がシードラゴンを探しに行くことに。Astrid が追ってくる理由ができたことで緊張感が出たのは良いね。でも、触媒は燃やして処分すれば良いのでは……? ドラゴン同士の諍いというのも珍しくて良かった。長く生きていれば怨恨が発生することもあるという事か。解決は少しアッサリしすぎか気もするけど。しかしドラゴンのテレポートは魔法で防げないとは。テレポート能力のあるドラゴンは、もはや国家機密級の能力では。独断で動かれたり悪用されたりしたら恐ろしい……。まぁドラゴンに限らず、ウィザードの魔法は便利すぎて大抵恐ろしいのだが (笑。

20: Howl of the Wind Dragon
YL2.5
総語数6,071
邦訳未翻訳

Drake ら 4 人のドラゴンマスターとドラゴンが Bracken 王国の雲の谷に戻ってきたが、Astrid が魔法を唱え終わるまでさほど時間の猶予はない。すでに Rori と Ana がウィンドドラゴンの居場所を特定していたため、Drake と Rori は早速現地へ向かった――。

ついに 3 体目のドラゴンが仲間に! とある国の女王に捕まえられていたので、Drake と Rori が助け出すという展開なのだが、King Roland が無理やりドラゴンとマスターと集めていた時の事を思い出すね。今やこの国王の存在は完全に無視されているが (笑。その後、ついに Astrid との対決。絵面が怪獣大決戦という感じだぁ……。Astrid もしぶとく、まさに大ボスといっても良い強敵だった! 最後の最後に新たな来訪者が登場して新たな冒険が仄めかされていたけど、とりあえずこれでひと段落かな。満足した!

オーディオブック

各巻はオーディオブック (英語の朗読音声) 版もあり、Audible の聴き放題対象 (無料体験あり) になっているので、定額で全巻聴くことができる。私も何冊か聴き読み (音声を聴きながら読む) してみたけど、挿絵をじっくり見たい箇所がしばしばあったので、その度に一時停止する羽目になってしまい、ちょっと面倒だった (笑。聴き読みではなく、一度読んだあとに改めて朗読だけ聴くのも良いと思う。

» オーディオブック33選

Dragon Masters シリーズ 語数・YL 一覧

No.YL語数タイトル出版年
第 1 ~ 4 巻 (4冊: 23,811語)
12.36,016Rise of the Earth Dragon2014
22.35,977Saving the Sun Dragon2014
32.45,883Secret of the Water Dragon2015
42.55,935Power of the Fire Dragon2015
第 5 ~ 9 巻 (5冊: 30,077語)
52.36,017Song of the Poison Dragon2016
62.46,018Flight of the Moon Dragon2016
72.35,975Search for the Lightning Dragon2017
82.36,046Roar of the Thunder Dragon2017
92.46,021Chill of the Ice Dragon2018
第 10 ~ 13 巻 (4冊: 24,208語)
102.35,927Waking the Rainbow Dragon2018
112.46,130Shine of the Silver Dragon2018
122.46,059Treasure of the Gold Dragon2018
132.46,092Eye of the Earthquake Dragon2019
第 14 ~ 20 巻 (7冊: 42,774語)
142.46,042Land of the Spring Dragon2019
152.46,084Future of the Time Dragon2020
162.56,157Call of the Sound Dragon2020
172.46,095Fortress of the Stone Dragon2020
182.56,241Heat of the Lava Dragon2021
192.56,084Wave of the Sea Dragon2021
202.56,071Howl of the Wind Dragon2021
巻の区切りは私が勝手につけたもので公式ではない
YL は自己評価
語数は AR BookFinder より (計120,870語)

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