イース I&II の 700 年を舞台に、エステリアの地よりイース王国が消え去った理由を描く物語「イース・オリジン」。

イースシリーズを最初からやってみようと思い立ち、先日 I&II をクリアしたので、続いてイース・オリジンをプレイしてみることにしました!

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英語版 イース・オリジン

概要

全ての運命はその《塔》に紡がれる。

英語タイトルYs Origin
ジャンルアクションRPG
私のプレイ時間約33時間 (Yunica編: 約14時間、Hugo編: 約10時間、The Claw編: 約9時間)
機種PC (Steam)PS4、Switch
700年前、古代王国イースに訪れた災厄

双子の女神と六神官、そして女神の至宝たる「黒真珠」の力により栄華を誇ったイース王国。しかし突然の魔物の襲来によりサルモン神殿に追い詰められた人々は、黒真珠の力で神殿を浮上させ魔物から逃れることに成功する。しかし魔の者たちにより地上に巨大な「塔」が建設され、再び王国に危機が訪れていた。そんな中、2 人の女神が黒真珠と共に姿を消す。慌てた六神官達は騎士や魔導師を集い、女神達を探すため彼らを地上へり出すことにした――。

英語でプレイするには

Steam 版は英語字幕でプレイ可能。また、PS4版、Switch 版は多言語対応しているので英語字幕でもプレイ可能。音声は無し。

ゲームの特徴

イース I のラストダンジョン、ダームの塔に挑む

行方不明の女神を追う 3 人の主人公

本作はイース I のラストダンジョンである「ダームの塔」を舞台にしたアクション RPG。時代設定はイース I の 700 年前であり、イースシリーズの主人公アドル・クリスティンは登場しない。代わりに以下 3 人の中から1人を選び、行方を眩ませた女神を探して塔の上階を目指していく。

  • 見習い騎士: Yunica

    2 人の女神と仲の良い見習い騎士。六神官 Tovah 家の血を引いており、イース I の占い師 Sara Tovah の先祖。武器は斧で、近接攻撃を主体とする。

  • 天才魔導師: Hugo

    若くして強大な魔力を秘めている天才魔導士。六神官 Fact 家の血を引いており、イース I の登場人物 Dark Fact の先祖。武器は魔法で、主に中距離で戦う。

  • 鉤爪の男: The Claw

    塔の探索中に出くわす謎の男性。名前は不明で、自らを鉤爪の男と称する。武器は鉤爪で、移動速度を生かした超接近戦を得意とする。Yunica 編か Hugo 編をクリアした後に選択可能となる。

イース VI のシステムを進化させたアクション

ボスもデカイ!

イース・オリジンはイース VI およびイース III のリメイク (イース -フェルガナの誓い-) の後に発売されている。そのため、システムはこの 2 作を踏襲・進化させた物になっており、イース I&II と比較すると様々な面でパワーアップしている。近接攻撃、魔法、ジャンプ、ダッシュなど色々なアクションや、塔のギミックが楽しい。

Ys I&II のボスたちも健在というか、パワーアップして再登場している (時系列的にはこちらの方が先だが)。特に「イース王国を襲った 6 体の魔物」と呼ばれるボスは、サイズがデカく大物感漂っている。十分なレベルに達していない場合は苦戦すること間違いなし。

解像度変更やキー設定もできる

設定ツール

ゲーム内からはサウンドなど一部の設定しか変更できないが、ゲームのインストールフォルダに設定ツール (config.exe) があり、そこから解像度やキーの設定が可能。インストールフォルダの場所が分からなくても、Steam のライブラリから Ys Origin を起動すれば[設定ツールを起動]が選べる。

自分は解像度の変更ができることにしばらく気付かなかったので、1 周目 (Yunica 編) は低解像度でプレイしてしまった。本記事の一部のスクリーンショットが 4:3 比率なのもそのせい。というか、Ys I&II Chronicles+ にも設定ツールあったし。まったく気づかず、ずっと低解像度でプレイしていた……。

英語の題材として

難しすぎない会話

イース I&II はイースの本などで古い言葉遣いがあり少し読みづらさを感じたことはあったが、イース・オリジンでは普通の言葉遣いで、特別読みづらいとうことは無い。若干、慣用句や句動詞は多いかな、というぐらい。

物語の流れはイース I&II をプレイ済みであれば分かりやすく、舞台やアイテム名なども共通している部分が多いので、取っ付き安くはある。逆に、いきなりイース・オリジンから始めると内容が分かりづらいかも。

遭遇した表現を一部紹介

have a run-in with someone

(someone とけんかする、衝突する)

塔で出会った男女と諍いがあったと、Yunica が発言した場面。

“run-in” 自体に諍いや喧嘩という意味がある。

in one piece

(無事に、無傷で)

塔の中で Yunica と再会した知り合いが、Yunica が無事でよかったと喜んでいる場面。

「一つにまとまった状態」=「無事」という考え方。

if push comes to shove

(いざというときは)

単独行動を咎められた Yunica が、いざという時のために戦闘に慣れて起きたかったと言い訳している場面。

“push (押す)” を “shove (乱暴に押す)” にしないといけないぐらい状況が逼迫したら、というニュアンス。

pray tell

(話したまえ)

派手な女性が 女神 Feena に、女神 Reah の居場所を問いただしている場面。

“do tell” と同じような意味だが古い表現。主に命令文として、挿入的に使われる。

if I may

(できたら、よろしければ)

女神 Feena を見つけたので、安全な場所までエスコートしますと Hugo が申し出ている場面。

許可を得られるのであれば、という尊敬の気持ちを表現するために追加されるフレーズ。

keep tabs on

(動向などを把握する、監視する)

Epona が鉤爪の男に、Hugo は難敵だから動向を把握しておきたいと、発言している場面。

酒場で客の注文を記録するために “”tablet (文字を書く板)”” を使っていたことから来た表現。

全体的な感想 (若干のネタバレあり)

イース I&II に繋がる物語

もともとイース I&II では、

  • 古代王国イースは何らかの理由で 700 年前に消えた
    →実は魔物からの被害を避けるためにサルモン神殿周辺が空中に浮かんでいた
  • ダームの塔も 700 年前に現れたが、その時に何があったのかはよくわかっていない

みたいな事が判明していており、本作ではその辺りの掘り下げがあったわけだが、さらに以下の要素についても理由付けがされており、ナルホド~と思わされて面白かった。

  • 六神官の末裔が地上 (エステリア) にいた理由
  • シルバーソードがロダの木に埋まっていた理由

また、イース I&II では女神 Feena の方に焦点が当たっていたが、イース・オリジン では女神 Reah の方に焦点があたっており、彼女の人となりが知れる良い物語だった。しかし本作で Feena と Reah の出番は終わりなのかな? 今後 III 以降をプレイする中で、せめて名前だけでも出てくれればうれしいのだが。

主人公たちの所感
  • 見習い騎士: Yunica

    移動速度が速く、スキルも使い勝手が良くて操作しやすかった。終盤では火の溜めスキルにお世話になったよ……。ストーリーはベタな展開ではあったが、見習いから聖騎士に昇格したくだりも良く、一番主人公していて良かった。

  • 天才魔導師: Hugo

    イース I のラスボス Dark Fact の祖先ということで、どんなもんかと思っていたけど、思ったよりまともで安心した Hugo 君。遠距離で戦えるので雑魚戦は安定だったが、弾幕を射出した直後は一拍ジャンプができないのと、炎スキルのエフェクトが邪魔で見づらく、ボス戦では使いにくかったかな……。あと性格が悪いのでイマイチ好きになれなかったが、Hugo 編の Epona は思いもよらぬ面を色々と見せてくれて良かった。

  • 鉤爪の男: The Claw

    移動速度が速く攻撃力が高いのは良かったが、近接攻撃しかできず防御力も低いのでボス戦は扱いにくかった。特にラスボスでは苦戦し、最終的にレベルを上げなおして再チャレンジした。ストーリー的にはこちらが正史で、Yunica 編と Hugo 編は if ということらしい。まぁ鉤爪の男の話の方が大団円だけど、Yunica 編とかも良かったのでちょっともったいない気が。

主人公ごとに特性が異なり、それぞれ違った物語を楽しめて面白かった。ただ、さすがに同じ塔・同じギミックを 3 回繰り返すのは面倒だった……。1 回目は Yunica と Hugo が協力して登り、2 回目は鉤爪の男が単独で登る、みたいにして 2 回で終われば不満はなかったのだが。ところで六神官のファクトの英語名だが、ファルコムの公式サイトでは Fuct だけど海外ゲーム版では Fact なんだね。なんでだ……?

武器の強化を忘れてメチャクチャ苦戦した

アクション性は I&II と比較すると格段に進化しており楽しかったし、セーブポイントとなる女神像にいつでもワープできるアイテムが最初からあるので快適だった。イース I で登ったダームの塔の仕掛けや別館 (?) であるラドの塔も再現されていたし、見たことがある各種アイテムも多かったので懐かしさも感じた……! イース I プレイしたの2週間ぐらい前なのだが。

ただ、レベルが 1、ステータスが 10 違うだけでもかなり難易度が変わるゲームだというのを改めて思い知らされた。というのも、Yunica 編では14階の突破に 1 時間ぐらいかかり、心が少し折れかかったからだ。14 階に入ったら急に敵が強くなり、何度もゲームオーバーになったり出戻ったりした。マジでこれが難易度 Normal なのか…!? と戦慄しながらもなんとか突破できたのだが、その後に武器の強化を忘れていた事に気づいた……。強化後、改めて14階の魔物に挑んだら、ダメージが1.5~2倍ぐらいに増え、あっさり魔物が倒せた。あの苦戦は何だったんだ……。

ともかく、全体的に爽快感があって楽しかったし、イース I&II プレイ時は謎であったイース王国のこともしれて満足。次はイース III (のリメイク) をやる予定なので、またアドル君が主人公だ。楽しみ。

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