もともとイース VIII と IX に興味を持ったことが切っ掛けでイースシリーズを最初からプレイしてきたわけですが、ついにイース VIII に辿り着きました!

時系列的には V と VI の間、アドルが 21 歳の時の冒険で、例によって船が沈み漂着した無人島を舞台にした物語です。前作の爽快なアクションはさらに改良され、ストーリーも力が入っていて面白かったです!

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英語版 イース Ⅷ -Lacrimosa of DANA-

概要

ゲーテ海案内記

英語タイトルYs VIII: Lacrimosa of DANA
ジャンルアクションRPG
私のプレイ時間約70時間 (初見で 1 周目クリアまで)
機種PC (Steam)Switch、PS4、PS Vita
永遠に呪われた島の伝説

アフロカ大陸に位置するサンドリアでの冒険を終え、アドルとドギはゲーテ海を船で渡っていた。しかし乗船していた船が謎の巨大生物に襲われ沈没。アドルは呪われた島といわれるセイレン島に漂着するも、その島は謎の古代種が生息する危険な地域だった。彼は他の漂着者を探し、拠点となる漂流村を設立。そして島から脱出するため資材を集め、情報を集める。一方で、島に着いてからアドルは不思議な少女ダーナを夢で見るようになる。日を追うごとに夢は鮮明となり、アドルとダーナは意識を共有するようになる。そして彼らは、島に隠された伝説へ近づいていくのであった――。

英語でプレイするには

Steam 版はゲーム内オプションで字幕・音声ともに言語を変更可能。音声は一部イベントのみ。Switch、PS4、PS Vita 版は北米版ソフトを購入すれば英語でプレイ可能。なお、Steam、PS4、Switch 版には Vita 版からの追加要素が多くある。

ゲームの特徴

ダブル主人公の物語

夢に登場する謎の少女ダーナ

イース VIII は、島に流れ着いたアドルと、彼の夢に現れる神秘的な青髪の少女ダーナを主人公とした物語。基本的にアドル視点では無人島脱出を目的とした冒険となっている一方、ダーナ編では彼女が住む都市に起こる現象の解明やアドルとの意識共有によって生じる事態への対処などが目的となっている。

無人島探索ではイース IV リメイクのセルセタの樹海にあった地図埋め機能もあり探索・冒険感が強い。ダーナ編では彼女一人で行動するので、イース VI までのアドル一人旅のような印象が強い。

英語の題材として

英文難易度は少し上昇

ゲームのボリュームと共に英文量もかなり増大。英文の性質も過去作とは少し変わっており、特に口語調のセリフが大幅に増えていたように感じた。その中でも特に漁師のサハドは句動詞・慣用句の使用頻度が高く、訛りによる綴りの変化もあったので慣れていないと読むのに少し苦労しそう。ただ、綴りの変化は fer (for)、’cause (because)、doin’ (doing) のようなタイプが殆どだったので、慣れれば難しくはない。その他、物語の序盤と終盤は会話内容が若干難解なので英文理解の難易度も少し高かったかな。全体的にイース I ~ Seven よりは難しくなっていたと思う。

遭遇した表現を一部紹介

spin a yarn

(作り話をする)

呪われた島に上陸した者がいるという話を聞いたことはあるが、それは作り話で嘘だろうと Sahad が発言している場面。

創作話を作り上げていく様子を、糸を紡ぐという表現で表している。yarn 自体に作り話という意味もある。

jack-of-all-trades

(何でも屋)

拠点で簡易ベッドを作り上げた船長に対して、何でも屋みたいな人物だとは思っていなかったと Laxia が評した場面。

何でも出来る人という誉め言葉になるか、器用貧乏という皮肉になるかは文脈次第。

be cut out for

(向いている、適している)

Dogi が少年に農場の仕事を任せようとしたところ、金持ちの息子の自分は肉体労働に向いていないと少年が反論している場面。

(生地が) 型に合わせて裁断されているという意味を人間に当てはめて使っている表現。否定形で用いられることが多い。

where you are coming from

(あなたの言っていること)

とある行動をした貴族に対して話を聞き、あなたの言い分は理解したと船長 Barbaros が発言した場面。

その発言の背景、どういう意図だったのかを理解したということ。

do someone a solid

(お願いだから)

自分も一緒に連れて行ってと懇願した Ricotta を見て、どうか一緒に連れて行ってやれないかと Sahad が Adol にお願いをしている場面。

do someone a favor の口語表現。solid には俗語で様々な意味があり、favor の同義語として使うこともできる。

全体的な感想 (若干のネタバレあり)

漂流者仲間の掘り下げが深い

難易度ノーマルで始め、約 70 時間で 1 周目クリア。最終レベルは 75 ~ 77 で、地図探索など一部のやり込みをやっていたので真エンドまで到達。実績達成度は約 80%。まぁイースはいつも高難易度クリアの実績があるので最初から実績全解除は目指していなかったけど、イースシリーズの中では結構やり込んだ方かな。

アクションは前作同様に爽快で良かったけど、ストーリーとボリュームは予想以上だった! 全体的な感想は以下。

  • Seven からグラフィックは進化! サブキャラにもボイスがついた!
  • 地図埋めや少しずつ発展していく漂流村が面白い!
  • 道中でキャンプをして夜を明かす演出が、一層冒険巻を増している
  • 登場人物が限られているので、漂流村のキャラが深堀されていって良い
  • といういか、ドギさん!? イメージが随分変わったな
  • サハドの英語のセリフは随分訛っているな~
  • ダーナの行動とアドルの状況がリンクした時は興奮!
  • (シリーズ伝統ではあるが) 今回限りの仲間だというのが切ない
  • アクションが多い! 過去作とボタン配置も違うし慣れるまで大変だった

昨今のビッグタイトルと比較するとグラフィックは今一つだったけど、イースシリーズを I から順番にプレイしてきた身としては、グラフィックやシステムの進化が感じられて良かった。オプションも項目が増えていて、近年のタイトルだなぁと感じたレベル。

システムとしてはセルセタの樹海を踏襲しており、無人島探索の地図埋めが今回もあったけど、やっぱり地図を埋めていくのは楽しいな! しかも今回は地域ごとに素材・宝・地図の達成割合が表示されていたので、かなり探索はしやすかったし、割合が表示されるとやはり 100% を目指したくなるので隅々まで探索しちゃったよね。ファストトラベル機能もあって一瞬で特定地点までワープできるのも便利だったし、道中ではキャンプ描写もあって、これぞ冒険という雰囲気はキチンと出ていて良かった。無人島だからお金ではなく物々交換という仕組みだったのも良かったし、目的が島からの脱出というのも冒険ぽさが出ていて、冒険感はシリーズの中でも強めに出ていて面白かったかな~。まぁ最終的には世界の危機を救うことになるのだが。でもその事を知ったドギが、なんでお前はいつもそんな事に巻き込まれているのだと呆れていたセリフは思わず共感しちゃったな。アドルがいなかったら世界各地で大惨事が起きまくっていただろうな (笑。

今回は過去作よりもストーリーに力が入っておりボリュームも増大されていたけど、登場人物自体は少な目だった。その分、共に冒険する仲間のみならず漂流村のメンバーにも交流が及んでおり、それぞれにクエストやイベントがあったのは良かったな~。最初は微妙に感じていたメンバーも、過去や気持ちの掘り下げがあったことで愛着を感じるようになり、最終的に無人島から脱出する際の感動と切なさに繋がっていた。ヒュンメルとか。過去作では仲間との交流が少な目で物足りなさを感じていたけど、今作では十分あって満足。ドギは操作できなかったけど、漂流村をまとめる立場として存在感あったし、アドルと共に冒険できない理由にもなっていて良かった。基本的にいつも今回限りの仲間なのでエンディングでは仲間と別れるのが切なく、その雰囲気が好きではあるけど、だからこそいつも一緒にいるドギの存在は心強いのよね。IX でも活躍してくれるとうれしいが、どうなるかな。

そういえばボリューム増に伴って会話が増えたので、英文も増えていたけど、過去作とは英文の雰囲気というか質が少し異なっていた気がするな。過去作ではあまり文法やセリフは比較的硬めだった気がしていたけど、今作ではフランクになったというか。特にサハドは句動詞・慣用句が多くて、読んでいて面白かったな。あと、物語終盤では話が複雑になってきて、ちょっと意味が掴みづらいセリフが増えていたかな~。まぁ良い勉強になったよ。

ストーリーは、島からの脱出という分かりやすい目標があったおかげで中盤までは特に冒険感が強くて良かった。それだけに、中盤からダーナ編の内容が濃くなり、いつも通りの世界を救う話になってしまったのは少し残念だったかな~。いや、ダーナ編自体は面白かったし、ダーナやオルガなどのキャラクターも魅力的で好きなのだが。イベント絵も漂流者達と島の伝説がイマイチ関連づかなかったから、物語の繋がりが今一つだったのかな? まぁトータルでは面白かったし、最後の別れのシーンも非常に良かったので大きな不満はないけども。しかしダーナとオルガの関係、とても良かったなぁ。ダーナ編、最初は意味不明だったけど、だんだんと謎や状況が分かってくるにつれてのめり込んでいったよ。絶えず切ない雰囲気が漂っているのが好きなんだよな……。あと、アドルとダーナが意識共有し始め、ダーナの行動がアドル達の状況に影響を与え始めた時はやっぱり興奮したよね。察しが良い人はもっと早く気付いていたのだろうけど、私は全然気づかなかったなぁ。しかも、それでオルガ達の運命も察せられたのがもうね……。イースは出会いと分かれが切なくて大変良い。

アクションはとても爽快で面白かったけど、ボタンが多くて慣れるまでが大変だった。特に回避と防御がな。直前にプレイしていた Seven とも操作性が違うし。あとミニマップが左下にあったのもな。どうにも情報量が多くて大変だった~。慣れるまで 10 時間ぐらい掛かったかな。でも難易度自体はそこまで難しくなかったね。パーティー制の上に回復薬もあるし、全滅したのは 1 回。とはいえ、難易度をノーマルから上げる勇気はない……!

よし、次は IX だ! なんとか今年中にクリアして、いずれ来るイース X の発表に備えていきたいトコロ。

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