
Magic Tree House シリーズ64冊読んだ感想 (上) 【英語多読】
世界中の子供に、そして英語多読の題材として大人にも人気の「Magic Tree House (マジック・ツリーハウス)」シリーズ。
以前本編の前半を読んだことはあったのですが、以下 3 種類を全巻読破してみようと思い立ったので、第 1 巻から最新刊 (2022 年 1 月時点) まで 64 冊読んでみました! ここでは、本編 36 冊を読んだ感想をまとめています。
- Magic Tree House 本編 36 冊
- Merlin Missions シリーズ 27 冊
- Super Edition シリーズ 1 冊
目 次
Magic Tree House シリーズ
概要
日本語タイトル | マジック・ツリーハウス |
著者 | Mary Pope Osborne (メアリー・ポープ・オズボーン) |
巻数 | 既刊36巻 (本編のみ。2022年1月時点) |
YL | 2.5~3.1 |
語数 | 各巻 約4,700~約9,100語 (計221,126語) |
夢と魔法とスリルの冒険ファンタジー!
8 歳の兄 Jack と 7 歳の妹 Annie が、家の近くの木の上に不思議な小屋から様々な時代・世界へとタイムスリップをして冒険をするという、子供達に人気のファンタジー!
兄 Jack は慎重で少し怖がり屋だが本が大好きで知識が豊富。一方、妹 Annie は行動的で時にはトラブルメーカーにもなるが自然や動物が絡むと頼りになる。性格も得意分野も異なる兄妹だがそれぞれ魅力的! どちらかが欠けていたら命を失っていたであろう場面もあり、シリーズを読み進めていくにつれ本当に良いコンビだと思わされる。Jack の慎重すぎる面や Annie が独断専行する場面は少しイライラさせられることもあるが、8 才と 7 才なので、そこは仕様がないかな……。
もちろん物語自体は子供向けなこともあって滅茶苦茶面白いわけではないし、ご都合主義も多いので純粋な面白さはそこそこ程度だったかな。ただ、多読の題材と考えると以下に挙げた通り英語や英語圏の文化・考え方を広く浅く学べるのでオススメできるシリーズだと思う。
- 難解な語彙と複雑な英文構造は多くない
- 様々な時代・地域の勉強になるが、説明が詳しすぎないので読みやすい
- (28 巻までは) 1 冊 5,000 ~ 6,000 語程度なので展開が早い
- 4 冊で 1 つの大きな物語となっており、区切りをつけやすい
このシリーズは本当に色々な時代・地域に行くので難易度の割に英単語が多彩。clearing (森や草原での空き地) や bark (木の皮) など何度も出てくる単語もそれなりにあるので、1 巻から全部読んでいけば語彙が自然と増えると思う。ただ、1 回しか登場しない単語も多いので細かく覚えようと思ったら復習が大事になるかな……。例えば西部開拓時代に行く 10 巻では stagecoach (乗合馬車) や tumbleweed (回転草。よく西部劇で転がっているヤツ) という英単語が出て来たけど、他の巻では 1 回も出てこなかったし。
あと、風景や位置関係の説明が多く、倒置文が多かったのは印象に残った。例えば “Loud sounds came from below.” ではなく ”From below came loud sounds.” と記載されていたり。でも、文脈的には倒置されていた方が理解しやすい状況ばかりだったので、読んでいて違和感は無くて良かった。
個人的なおすすめ巻
勉強目的なら巻数順に読んだ方が分かりやすし難易度的にも読みやすいと思うけど、面白い物語だけ摘まみたいなら 21 ~ 24 巻が個人的におすすめ。特に南北戦争の 21 巻と竜巻の 23 巻は良かった。他にもタイタニック号の 17 巻や 噴火の 13 巻、憲法制定会議とベンジャミン・フランクリンが題材の 32 巻も気に入っている。まぁ基本的にシリーズ中盤以降の方が、現地の人々との交流や文化に対する解説が増えていたので面白さが増していたかな。
主な登場人物
冒険は Jack と Annie の 2 人で出かけており、現地で出会う人物ともその場限り。一部の巻でネズミや子犬を連れていくことがあったぐらいだったので、人間関係の複雑さは全くなかった。
Jack | 8 歳の男の子。慎重派で知識担当 |
Annie | 7 歳の女の子で Jack の妹。行動派で直感担当 |
M | ツリーハウスを作った謎の人物。正体は 4 巻で判明 |
Peanut | ネズミ。5 ~ 8 巻の冒険に同行 |
Teddy | 子犬。17 ~ 20 巻の冒険に同行 |
MTH シリーズの種類
Magic Tree House は長く続いていることもあり、現在では以下 4 シリーズに分かれている。
シリーズ | 概要 |
---|---|
Magic Tree House | 本編。既刊 36 巻 (2022 年 1 月時点) |
Magic Tree House Merlin Missions | より挑戦的な冒険。Jack と Annie の年齢も上がっている。全 27 巻 |
Magic Tree House Super Edition | より長く、より危険な冒険。既刊 1 巻 (2022 年 1 月時点) |
Magic Tree House Fact Tracker | MTH 各巻の題材を深く掘り下げた、ノンフィクションの学習教材 |
ちなみに、今でこそ MTH は本編と Merlin Missions 編 (以下 MM )に分かれているが、もともと MTH MM は本編 29 ~ 55 巻として扱われていた。それが、MTH 25 周年の際に MM 編として独立したらしい。その後、本編の 29 巻以降が改めて出版され始めた。
MTH 29 巻以降は 28 巻以前と比べると語数が 2,000 ~ 3,000 語ほど増え、解説や展開が丁寧になっている。物語の面白さ自体は特に変わらなかったけど、28 巻以前とは異なる新鮮な展開もあり読み応えはあったので、MTH が好きなら読んでみて損はないハズ。
MTH | 概要 |
---|---|
1 ~ 28 巻 | 1992 ~ 2003 年に出版 |
旧 29 ~ 55 巻 | 2001 ~ 2016 年に出版。現在は Merlin Missions シリーズ扱い |
新 29 巻 ~ | 2017 年から出版。28 巻以前と比べると、語数と難易度がわずかに上がっている |
導入のあらすじと簡単な感想 (1 ~ 8 巻)
1 ~ 4 巻
Jack と Annie は、樫の木の上にあるツリーハウスでは本をキーに様々な時代・場所にワープすることができると気づいた。いったい誰が、どんな目的でツリーハウスを作ったのか……? ツリーハウスを作った謎の人物の正体と目的に迫る。
#1: Dinosaurs Before Dark
YL | 2.5 |
総語数 | 4,737 |
邦訳 | 恐竜の谷の大冒険 |
ある日、Jack と Annie は背の高い樫の木の上に家を発見する。家の中にはたくさんの本が散らばっており、2 人は興味本位で本を調べ始める。しばらくして、Jack は恐竜の絵が描かれた本に惹かれ、恐竜を見てみたいと呟いた。するとその直後、Annie が悲鳴を上げた。なんと家の外に恐竜がいたのだ――。
物怖じしない Annie と、妹に振り回されて気苦労が多い兄の Jack が体験する冒険第 1 巻。気付いたら白亜紀にいて、色々な恐竜が目の前に! というファンタジー好きな自分に取ってはワクワクする展開。今後、2 人はピンチをどんな知恵と機転で切り抜けていくのか読んでいくのが楽しみ。
#2: The Knight at Dawn
YL | 2.6 |
総語数 | 5,340 |
邦訳 | 黒い馬の騎士 |
昨日体験した不思議な出来事の興奮が冷めやらぬ Jack と Annie は、夜明け前に家を抜け出し、再びツリーハウスを訪れる。改めてツリーハウスの本を調べていた彼らは、今度は騎士と城が表紙の本を見つける。嫌な予感がした Jack は Annie を止めるが、彼女は騎士に会いたいと願ってしまった――。
今回は中世のお城が舞台。今回は慎重な兄と行動的な妹という構図がしっかりと表れていたし、現代から持ち込んだ道具や本が役に立つのはありがちな展開だけど面白い。あと、Annie が Medal と言うと Jack がしつこく Medallion と訂正していたのは印象的。Medallion の方が大きくて装飾も立派らしいので、ゲームセンターのコインメダルと王族が身に着けるような豪華なメダルを同一視するな、みたいな気持ちなのかな。
#3: Mummies in the Morning
YL | 2.5 |
総語数 | 5,105 |
邦訳 | 女王フュテピのなぞ |
三度ツリーハウスにやってきた Jack と Annie。今度はピラミッドが掲載されている本に興味を持った 2 人は、古代エジプトに行くことにした。しかし出発する直前、窓の外から黒猫が入り込んできたのだった――。
古代エジプトのピラミッドが舞台。早速出会った葬儀の列をみて、ミイラだ! と喜ぶ 2 人よ……。度胸があるな。そして、今までは恐竜・騎士と実在するものだったが今回は幽霊が登場し、益々ファンタジーっぽくなってきたし、人 (?) 助けという探検の目的や謎解きがあって面白かった。例のイニシャルについては、次の巻て謎が明かされるのだろうか。楽しみだ……!
#4: Pirates Past Noon
YL | 2.6 |
総語数 | 5,324 |
邦訳 | 海賊の秘宝をさがせ |
雨が降る中、Jack は M と書かれたメダルと栞を持ち、Annie と共にツリーハウスに行った。M という人物は誰なのか? 今までの冒険で自分たちを助けてくれた者たちは M と関係があるのか? そんな疑問を持ったままツリーハウスで本を眺めていたら、気候の良い海岸の絵がある本が目に入り、思わず行きたいと願ってしまった――。
300 年前のカリブ海にある孤島が舞台。島に着き、レインコートを脱ぎ捨てる Annie と畳む Jack の対比が面白い。ただ、今回はちょっと Jack に危機感が足りなかったかな。海賊に捕まったのは自業自得気味……。最後には M の正体と目的が分かり、ツリーハウスの謎が判明してある程度スッキリしたけど、この巻で区切りがついてしまったので、次巻からはどういう理由でツリーハウスに行くのか気になる。
5 ~ 8 巻
消えたハズのツリーハウスが再び現れた。残されていた謎のメモ “Help me. Under a spell. Find a 4 thin-” を読み、Morgan が何らかの魔法を掛けられており助けを求めていると悟った Jack と Annie。新たにネズミの Peanut を仲間に加え、 2 人は Morgan を救うため新たな冒険に挑む。
#5: Night of the Ninjas
YL | 2.7 |
総語数 | 5,428 |
邦訳 | 闇に消えた忍者 |
ツリーハウスが消えてから数週間。再びツリーハウスが現れた。Annie と Jack はそこで、Morgan が書いたと思われる、助けを請うメモを見つけた。そして Morgan を助けようとヒントを探した彼らは、近くに忍者の絵が書かれた本が開いて置いてあることに気付いた――。
Morgan が何やら魔法の影響下にあって助けを求めているので、Jack と Annie が色々な場所に行って救出に必要な物を集めてくる事に。ということで、今回はネズミの Peanut を仲間に加えて戦国時代の日本へ。忍者でも英語をペラペラしゃべるのかな? と思っていたけど、黙して語らずというタイプの忍者だった (笑。作者の忍者観が表れていた感じは面白かった。ただ、せっかく忍者が登場したので、もうちょっと活躍してほしかったかな。
#6: Afternoon on the Amazon
YL | 2.6 |
総語数 | 4,517 |
邦訳 | アマゾン大脱出 |
ツリーハウスにやってきた Jack と Annie は、新たに開かれた状態の本を見つけて調べてみることに。その本には、緑が茂ったジャングルが描かれていた。巨大な蜘蛛や虫を想像し気味悪がる Annie を、(珍しく) Jack が引っ張り出発する――。
Morgan を救うためのアイテムを探しに、今回はアマゾンの熱帯雨林へ。虫気持ち悪がる Annie は珍しく消極的で新鮮。舞台もジャングルなので、植物・気候の他にヘビやピラニアなど危険な生物もいて、スリルがあり面白かった! 相変わらずの無計画さは気になるが。せめて出発前に本は読んでおきなさいよ (笑。まぁ 7 才と 8 才だから仕方がないか。
#7: Sunset of the Sabertooth
YL | 2.6 |
総語数 | 4,926 |
邦訳 | マンモスとなぞの原始人 |
スイミングスクールの帰りから直接ツリーハウスに来た Jack と Annie は、今回も開いている本を見つけた。そこには雪と岩の絵が書いてあり、Annie は大変絵が気に入ってすぐにその場所に行きたいと願った。その直後、Jack は自分たちが水着のままだった事に気づいたのだ――。
3 つ目のアイテム探しの舞台は氷河期のヨーロッパが舞台。というか、導入の時点で準備不足ここに極まりという迂闊さ (笑。まぁ結果的にはなんとかなるのだが。話としてはクロマニョン人の文化に関する言及があり、なかなか興味深く面白かった。さぁ、次の巻で決着が着くはず。どうなるのか……! 4 冊で 1 つの話が完結する形式は良いね。定期的にワクワクできる。
#8: Midnight on the Moon
YL | 2.6 |
総語数 | 5,683 |
邦訳 | 月の世界へ! |
深夜、Annie に起こされた Jack。満月が手助けになる予感がすると発言する Annie に彼は説得され、2 人はツリーハウスに向かう。今回見つけた本の表紙には月。もちろん Jack は空気の無い月にいけるハズが無いと主張するのだが、彼らがたどり着いたのはなんと――。
今回の舞台は、なんと未来の月。知識担当の Jack と閃き担当の Annie というコンビで今回も上手くいき、色々謎も判明して面白かった。Morgan に魔法をかけた人物は今後も絡んでくるのだろうな…。終盤の 4 種類のアイテムを使うタイミングのオチにもちょっと笑ってしまった。しかし、2031 年製造のムーンベースときたか。この本は 1996 年出版だから当時は随分先の話だったろうけど、もうすぐ現実世界も追いつくね……。
導入のあらすじと簡単な感想 (9 ~ 16 巻)
9 ~ 12 巻
三度 Morgan と再会した Jack と Annie。Morgan は彼らに本集めを手伝って欲しいと依頼する。しかし本を集める前に、彼らは自らが Master Librarian になる資格を持つ者だと証明する必要があった。そして証明するには、4 つのなぞなぞを解く必要があった。
#9: Dolphins at Daybreak
YL | 2.5 |
総語数 | 4,663 |
邦訳 | SOS! 海底探険 |
ある日、Morgan の夢をみた Jack と Annie は林に向かった。するとそこにはツリーハウスが! 中で待っていた Morgan から本集めを手伝って欲しいと頼まれるが、その前に本集めのための資格を得る必要があった。そして資格を得るには 4 つのなぞなぞを解かねばならなかった。彼らは 1 つ目のなぞなぞを解くために、海に関する本を開く――。
今回は海と海中を舞台に冒険。小型潜水艇に乗り、色々な海の生物を観察。やはりイルカは良いよね。あと、最初になぞなぞが提示されるので、自分でも色々と考えながら読み進められるのは結構楽しかった。今回は自力で解けなかったので次の巻では解きたい……!
#10: Ghost Town at Sundown
YL | 2.7 |
総語数 | 6,367 |
邦訳 | ゴーストタウンの亡霊 |
ウサギを見て何らかの兆しと感じた Annie は、兄 Jack と共にツリーハウスに向かい、Morgan と出会う。そして Morgan から西部開拓時代の本と2 つ目のなぞなぞを渡された彼らは、今日も新たな冒険に挑む――。
アメリカの西部開拓時代のゴーストタウンが舞台。なかなかワクワクさせてくれる舞台設定で、今回は最初から楽しく読むことができた。ブーツを履く前に中にサソリがいないか確認する Jack は流石だと思ったし、「幽霊なんていない!」と言う Jack に「古代エジプトで会ったでしょう」と返す Annie が面白く、見どころが多く巻で満足できた。まぁなぞなぞは今回も自力で解けなかったわけだが……。
#11: Lions at Lunchtime
YL | 2.6 |
総語数 | 5,313 |
邦訳 | サバンナ決死の横断 |
食品店での買い物の帰り道で動物を見た Jack と Annie は、以前と同様の予感を感じて動物を追う。するとそこにはツリーハウスがあり、Morgan が現れた。彼女から 3 つ目のなぞなぞとアフリカの本を受け取った Jack と Annie は、未知の大地と様々な動物にワクワクしながら旅出た――。
広大な大地に数多の動物が生息するサバンナが舞台。動物好きの Annie が張り切った分、Jack は大変そうだった (笑。色々な動物の事が描写されていて勉強になったけど、なぞなぞは今回も終盤まで分からなかった……。すぐ分かる人もいるみたいなのでちょっと悔しい。次こそは。
#12: Polar Bears Past Bedtime
YL | 2.6 |
総語数 | 5,724 |
邦訳 | オーロラと北極ぐま |
夜、就寝中の Jack は外から聞こえた奇妙な音で目を覚ました。窓を開けるとそこには梟が。過去の例から動物は予兆だと彼は判断し、Annie を連れツリーハウスへ向かった。中で待っていた Morgan からなぞなぞと本を受けとった彼らは、最後のなぞなぞを解くべく北極へと向かった――。
最後のなぞなぞのヒントは北極! 流石に今回は氷河期に行った時みたいに準備不足を心配する必要はなくて良かった (笑。北極にはハンターがいて、彼の北極での生活の仕方は色々と面白かったし、なぞなぞを解き終わった後の展開も意外性があって良かった。何か物が貰えるというのは冒険をした証拠でもあるしうれしいよね。今回のなぞなぞシリーズは読み応えがあって、今のところ一番好き。次回の冒険も楽しみになってきた! ちなみに、なぞなぞは今回も解けませんでした。なぜだ……。
13 ~ 16 巻
晴れて Master Librarian となった Jack と Annie は、Morgan から指令を言い渡される。その内容とは、事件や災害で消失するはずだった古代の 4 つの書物を事前に回収してくることだった。Jack と Annie は使命を胸に新たな冒険に望む。
#13: Vacation Under The Volcano
YL | 2.6 |
総語数 | 5,833 |
邦訳 | ポンペイ最後の日 |
日課になっていたツリーハウスの確認。家族旅行に行く直前にも林に確認にいった Jack と Annie は、ツリーハウスを遂に見つける。そして中にいた Morgan から新米 Master Librarian に与えられた初の指令は、古代ローマに行き、特定の書物が噴火で消失する前に回収してくることだった――。
Master Librarian になってからの初の冒険は、古代ローマでの書物の回収。今までは成り行きや試験で冒険していたが、今回は明確なミッションを持っての冒険で、今まで以上にワクワクしながら読めて楽しかった。このシーズンは古代の書物回収をメインにしていくのかな? 先も楽しみだ。まぁ Morgan は子供に危険な任務を与えるなぁと思わなくもないけど、きっと一人前の Master Librarian として扱っているのだろうね。
#14: Day of the Dragon King
YL | 2.6 |
総語数 | 5,607 |
邦訳 | 始皇帝から禁書を救え! |
前回の冒険から 2 週間後。ツリーハウスにやってきた Jack と Annie は、Morgan から古代中国で書物を回収する任務を言い渡される。ただしその書物とは、紙ではなく竹でできた札だった――。
2 つ目の書物回収は古代中国にて。いわゆる始皇帝の焚漢からとある本を守るという物語。その本の内容が終盤で説明されていたけど、なるほどと思わされた。また、このシーズンから歴史にまつわる話や過去の人々の暮らしぶりの説明が詳しくなった気がする。なかなか興味深くて楽しい。あと、前回も思ったけど、事件・災害が発生するよりもっと前の時間に行ければ良いのにね。まぁ本に書かれている場面の時間にしか移動できないということなのだろうけど。
#15: Viking Ships at Sunrise
YL | 2.7 |
総語数 | 5,502 |
邦訳 | 北欧の海賊バイキング |
朝 5 時。2 週間前、Morgan から次の目的地は危険なヴァイキングがいる大昔のアイルランドだと聞いていた Jack と Annie は朝早く目覚めた。Jack は不安を覚えたが、Annie はいつも通り。そんな彼らはツリーハウスに行き、アイルランドに到着した――。
暗黒時代、中世のアイルランドが舞台。珍しく本はアッサリ見つかったけど、ヴァイキングが現れて……、という感じ。当時のヴァイキングは恐れられていて、書物を保管していた僧院や修道士達がどのように暮らしていたのかというのが朧気ながら伝わってきた。さて、これで古代の書物の回収も 3 冊が完了。次の巻ではどのような結末になるのかな? 楽しみだ。
#16: Hour of the Olympics
YL | 2.6 |
総語数 | 5,086 |
邦訳 | 古代オリンピックの奇跡 |
明け方、Jack と Annie はツリーハウスに向かう。先日、今回の目的地は古代ギリシャだと聞いてから興奮しっぱなしの Jack。今回の指令を達成したらもう仕事は終わりなのかと不安にも感じていたが、一先ず目の前の指令をこなすために Jack と Annie は古代ギリシャへと旅立った――。
古代ギリシャの第 1回古代オリンピックが舞台。Annie の態度が少し大人になっていて成長したなぁと思っていたら、やっぱり Annie は Annie だった (笑。いままで助けてくれた生物たちにも関連があったことにも驚き。今回の 4 冊はなかなか楽しませてくれた。満足。
導入のあらすじと簡単な感想 (17 ~ 24 巻)
17 ~ 20 巻
古代の書籍を回収するという指令を成し遂げ、Master Librarian として Morgan からの信頼を得た Jack と Annie だったが、彼らは見知らぬ犬と Morgan の残したメモをツリーハウスで見つける。どうやら、子犬には魔法が掛けられており、魔法を解くには 4 つの贈り物を集める必要があるらしい。
#17: Tonight on the Titanic
YL | 2.8 |
総語数 | 5,301 |
邦訳 | タイタニック号の悲劇 |
嵐の夜。雨の音に呼び声を感じ取った Jack と Annie はツリーハウスに向かうが、そこには Morgan がおらず、代わりに子犬が座っていた。Morgan が残したメモによると、子犬には魔法が掛けられており、解放するには 4 つの贈り物が必要とのこと。Teddy と名付けた子犬を加え、2 人は 1 つ目の贈り物を探すため大型船の本を開いた――。
今回の舞台は 1912 年のタイタニック号。もはや船の結末が分かっているのでドキドキしながら読み始めたけど、結構最初の方で大変な事になり、その後も危機の連続でかなり面白かった! 惨劇自体は防げず悲しさはあるのだが、悲劇だけにはならないようにした展開も良かったし、今までで一番好きな物語だった……。 しかし子犬が魔法を掛けられたというけど、首謀者は Morgan の時と同じ人なのかな?
#18: Buffalo Before Breakfast
YL | 2.7 |
総語数 | 5,579 |
邦訳 | バッファロー大暴走 |
明け方、家の前に現れた子犬の Teddy に連れられツリーハウスへ向かった Jack と Annie。やはり Morgan は不在だったが、彼女の残したメモに記載された 2 つ目の贈り物を探すために、Jack と Annie は大平原へと向かった――。
1800 年代の米国の大平原グレートプレーンズが舞台。自然と共に生き、精霊を信仰する部族との交流を描いている。前巻とは異なり大きな事件はないのだが、自然や動物の描写が興味深く、この巻も楽しく読み進めることができた。Jack と Annie は良い経験をしているよね。
#19: Tigers at Twilight
YL | 2.7 |
総語数 | 5,136 |
邦訳 | ジャングルの掟 |
図書館からの帰り道、Teddy を見かけた Jack と Annie はツリーハウスへと向かう。Morgan が残したメモによると、3 つ目の贈り物は遥か彼方の森で得られるはず。Jack と Annie は、インドのジャングルについて描かれた本を開いた――。
インドのジャングルが舞台。ヘビやトラなどが生息する地で緊迫感があったが、今回は Annie が一段と頼もしかった。かつてアマゾン行ったこともあったけど、その時よりも自然や動物の描写が詳しくなっていたかな。また、助けたトラがその後に取った行動について、老人が語った内容はなかなか興味深く、面白かった。
#20: Dingoes at Dinnertime
YL | 2.7 |
総語数 | 5,530 |
邦訳 | カンガルー救出作戦 |
遠くから子犬 Teddy の吠え声が聞こえた Jack と Annie は急いでツリーハウスに向う。Teddy に掛かった魔法を解くために必要な贈り物はあと 1 つ! 最後の贈り物を得るため、カンガルーが生息するオーストラリアへと彼らは出発した――。
オーストラリアが舞台。干ばつ時期だったこともあり、結構大事になりそうでヒヤヒヤしたが、きっちり解決して良かった。最後に Teddy の魔法も解けたけど、思ったよりもマヌケなオチ (笑。今回の 4 冊は今まで一番面白かったかな。冊数を重ねるごとに面白くなっているきがするので、次巻も楽しみだ。ところで、Teddy は次回以降も登場するのかな……?
21 ~ 24 巻
Morgan の故郷の都 Camelot が危機に陥っており、救うには 4 種類の文書が必要になった。捜索を依頼された Jack と Annie は、新たな冒険に挑む。
#21: Civil War on Sunday
YL | 2.7 |
総語数 | 5,991 |
邦訳 | 戦場にひびく歌声 |
暗雲が垂れ込める日曜日の午後。遠方で発した光を雷ではなく魔法だと感じた Annie は、Jack と共にツリーハウスへと向かう。しかしそこには Morgan の姿は無く、代わりに 2 人宛てのメモ書きと本が置かれていた。どうやら彼女の故郷 Camelot が危機に陥っているらしい。都を救うために 4 種類の特別な文書を探してほしいと依頼された Jack と Annie は、”The Civil War” と書かれていた本を開いた――。
米国の南北戦争が舞台。戦場近くの野戦病院に来たため、負傷者を前に気丈に振る舞う Annie や、最初は怖がっていながらも精神的に成長する Jack の姿が素晴らしかった。また、今まで謎だった Camelot についても話題に出てきたので、その辺りの話も気になるところ……!
#22: Revolutionary War on Wednesday
YL | 2.9 |
総語数 | 5,041 |
邦訳 | 託された手紙 |
前回の冒険から 3 日後の水曜日の朝。起床後すぐにツリーハウスへと来た Jack と Annie は、床に置いてあった本を手に取った。その本のタイトルは “The Revolutionary War”。再び戦争の本であることに気落ちする 2 人だったが、Camelot を救うために必要な 2 つめの文書を求めて冒険に出るのであった――。
1700 年代後半に北米の植民地がイギリス支配からの独立を求めて起こした戦争が舞台。と言っても、今回は戦場とは別の場所が舞台なので危険ではなかった。戦場へと向かう兵士やそれを率いる司令官の心情描写は興味深かった。というか、前回・今回と史実の人物と交流したけど、人との交流がテーマにもなっているのかな? 今までとはまた違った感じで新鮮で良いね。
#23: Twister on Tuesday
YL | 2.8 |
総語数 | 5,127 |
邦訳 | せまり来る大竜巻 |
Morgan の指示通り、火曜日にツリーハウスへと向かった Jack と Annie。3 つめの文書を探すため、手に取ったのは大草原の生活を描いた本。以前ツリーハウスで訪れたグレートプレーンズは開拓前でネイティブアメリカンしかいなかったが、今回は汽車があるので開拓者達がいるタイミングであることを理解し、2 人は冒険に出た――。
1870 年代のカンザスの大平原が舞台。以前読んだ大草原の小さな家の一家が住んでいる時代と土地だなぁ、なんて思ったり……。今回は小規模ながら学校の授業にも参加したり蝗害に関する話を聞いたりと、興味深くて面白かった! あと、Annie はいつもながら正義感が強くてカッコ良かったし、Jack はめげずに行動するところが良かった。この巻もかなり好き。
#24: Earthquake in the Early Morning
YL | 2.7 |
総語数 | 5,882 |
邦訳 | 夜明けの巨大地震 |
水曜日の早朝。朝一番の鳥の鳴き声と共に家を飛び出した Jack と Annie は、ツリーハウスに着いてすぐに本を探す。Morgan の故郷を救うために必要な文書は残り 1 つ。最後の文書を求めて、2 人はサンフランシスコに関する本を開いた――。
1906 年のサンフランシスコが舞台。今回到着したのは、舗装された道路や建物が並ぶ街で、珍しく近代文明がある場所だなと思ったのも束の間、すぐに大地震に見舞われてしまった! 地震と火災で大変な街の中で人々との交流が描かれていたけど、Jack と Annie の良いところが発揮されていて大変良かった。というか、MTH はシリーズ後半になるほど面白くなっていくな……! 今回の 4 冊はどれも面白かった。
導入のあらすじと簡単な感想 (25 ~ 28 巻)
25 ~ 28 巻
ツリーハウスで Morgan と再会した Jack と Annie は、これから行う 4 回の冒険で、それぞれ特別な魔法を見つけて学んでほしいと伝えられる。いったいどんな魔法なのか。 2 人は期待を胸に冒険に挑む。
#25: Stage Fright on a Summer Night
YL | 3.1 |
総語数 | 6,219 |
邦訳 | シェークスピアの魔法 |
夜空に流れ星を見た Jack と Annie は予感を得、ツリーハウスへと向い Morgan と再会した。彼女は、Jack と Annie に冒険へ赴き 4 つの特別な魔法を見つけて学んでほしいと伝える。1 つ目の魔法は「昼を夜に変える魔法」。 早速 2 人は、過去のイギリスへと旅立った――。
舞台は 1600 年、エリザベス朝時代のロンドン。まず川の悪臭に言及されていたのが面白かった。1858 年が最もひどかったらしいけど、この時代のテムズ川の匂いもヤバかったのかな……? 今回のメインは劇場だったけど、本を音読していた Jack がその朗読技術を買われて……という展開は面白かったし、Jack は気苦労が多いなと少し同情してしまった (笑。
#26: Good Morning, Gorillas
YL | 2.8 |
総語数 | 6,129 |
邦訳 | 愛と友情のゴリラ |
朝 5 時。雨が降り肌寒い中、Jack と Annie はツリーハウスに向かう。2 人が予想した通り、Morgan はおらずメモ書きと本が置いてあった。今回特別な魔法を見つける地はアフリカの熱帯雨林! 以前行ったアマゾンの熱帯雨林を思い出しながら、2 人は本を開いた――。
今度の熱帯雨林はアフリカ。というか、複数個所の熱帯雨林に行ったことがあるって、もう相当な冒険家だな……! ゴリラの優しさや仲間意識は読んでいて微笑ましかったし、Jack が見せた勇気はカッコ良かった。
#27: Thanksgiving on Thursday
YL | 2.9 |
総語数 | 6,131 |
邦訳 | はじめての感謝祭 |
木曜日の朝。予感を感じた Annie は Jack と共にツリーハウスを訪れる。部屋の隅に置かれていた本の扉絵には木製テーブルとその上に置いてあるトウモロコシが入った籠。何の祝祭が行われているのか疑問に思いながら、2 人は特別な魔法を探しに出発した――。
イギリスからアメリカに移住してきた人々による、アメリカで最初の感謝祭 (1621 年) が舞台。史実の人物が何人も出てきたが、日本では馴染みがないので少し理解が難しい部分はあった。逆に言えば、感謝祭について学べて良かったかな。また、今回は Jack と Annie が珍しく失敗したり、言葉がうまく通じずに慌てていたのが印象的。さて、次は 28 巻。今は 29 巻以降も出ているけど、長らく MTH 本編は 28 巻までだったので、物語の大きな区切りにでもなっているのかな? 楽しみだ!
#28: High Tide in Hawaii
YL | 2.7 |
総語数 | 6,222 |
邦訳 | ハワイ、伝説の大津波 |
夕暮れ時。ゴリラや移住者に関する本を読んでいた Jack と Annie だったが、Annie が予感を感じ、2 人はツリーハウスへ向かう。置かれていたメモと本によると、最後の特別な魔法が見つかる場所は昔のハワイ! 2 人は喜び勇んでハワイへと向かった――。
大昔のハワイが舞台。現地の住民の陽気さが存分に伝わってきて楽しい話だった。ちょっと Jack が拗ねてしまう場面もあったけど、最後には良い形で終わったので良かった。探していた魔法については、最後まで自力で気づかなかったのが残念。ship ってそれかい! なるほどね~。最後の締めでは Morgan が意味深なことを言っていたけど、これが Merlin Missions 編の前振りということなのかな。まぁMerlin Missions が 27 冊出たあとで、本編の 29 巻が出たわけだが。どっちも気になるな~。どんどん読んでいこう!
導入のあらすじと簡単な感想 (29 ~ 36 巻)
29 ~ 32 巻
ツリーハウスが再び Jack と Annie の前に現れた。今まで Morgan から様々な指令を受けてきた 2 人だったが、今回は偉大な人々から 4 つの重要な見識を学び取って欲しいという指示を受ける。
#29: A Big Day for Baseball
YL | 3.1 |
総語数 | 8,438 |
邦訳 | 背番号42のヒーロー |
土曜日の早朝。以前行った野球チームのトライアウトで失敗し、皆に笑われたことを思い出して気落ちする Jack と Annie。そんな 2 人の前にどこからともなく野球ボールが落ちてきた……。まさか Morgan が帰ってきた? 急いで林に行くとツリーハウスがあり、中には野球帽と野球の歴史に関する本が置いてあった――。
1947 年のニューヨークが舞台。野球帽はマジックアイテムでスキルを付与してくれるとか、Morgan の指示が細かく書いてあったりとか、さすが 28 巻から 14 年の時を経ているだけあって導入から違いがあり新鮮さがあった。内容的には野球と人種差別を絡めて精神的な部分について述べられていて興味深かったが、物語の前半はバットボーイとしてプロ野球選手を補佐する専門的な仕事内容の説明が多く、多少なりとも野球の知識がないと理解が難しい部分があったかな。
#30: Hurricane Heroes in Texas
YL | 3.0 |
総語数 | 9,126 |
邦訳 | 伝説の巨大ハリケーン |
野球の練習に行く直前、風雨が強くなってきた。予感を感じた Annie は Jack と共にツリーハウスに赴く。今回置いてあったのはテキサスの歴史の本とネックレス。テキサス湾岸部の島で現地の住民を助けなさいという指示を読み、不可解な指示を疑問に思いながら 2 人は出発した――。
1900 年にテキサス州ガルベストンを襲った未曾有のハリケーンが題材。まさか大災害の当日だとは思わず焦って警告するも誰も聞き入れてくれず焦る 2 人の姿や、ハリケーンが襲来して海面が上昇していく様子は緊迫感があり一気に読んでしまった。どんな状況でも人助けを考える Jack と Annie は素晴らしいね。しかし 2 人はこれで噴火、地震、火災、津波、台風を経験したのか。タフすぎる。
#31: Warriors in Winter
YL | 3.0 |
総語数 | 8,233 |
邦訳 | 古代ローマ 黄金のワシ |
早朝。家の外にいた金のワシを Morgan からの遣いだと感じた Annie は Jack を起こし、2 人でツリーハウスへと向かった。Morgan のメモ書きを見つけ読むと、古代ローマ軍のキャンプに行き、蝋板と尖筆で記録をつけろとのこと。しかし、早速冒険の準備をして出発しようとした 2 人は気づいた。本が無い――!
古代ローマが舞台だが、今回は今まで情報源として頼りにしていた本が無いという始めてのパターン。今まで以上に Jack の持つ知識が頼りになりつつも、彼が語るうんちくを若干面倒に思っている感じの Annie が面白い (笑。また、今回は記録を書き留めるという目的があったので、過去巻よりも積極的に聞き込みをしていた姿は新鮮だったかな。
#32: To the Future, Ben Franklin
YL | 3.0 |
総語数 | 8,459 |
邦訳 | 21世紀のフランクリン |
暑い夏の日の午後。一点の曇りもない空で雷を見た Annie は、これは魔法だと確信しツリーハウスへ向い、遅れて Jack も到着した。今回の指令は過去のフィラデルフィアで Dr. Ben を手助けしろというもの。自分たちの住まいから近い地域で親近感を抱きつつ、彼らは 4 つ目の指令を達成するため冒険に出た――。
1787 年のペンシルベニア州フィラデルフィア、つまり独立戦争後の憲法制定会議が題材。最初は難しいように思えたが内容は普通に読みやすかったし、会議では 22 巻 (独立戦争の物語) で出会った人物と(一瞬だが) 邂逅して、正体がバレないかヒヤヒヤしている 2 人は新鮮で面白かった。それに、落雷を盗んだことがあり外交官で作家で学者で実業家だという複雑な経歴のフランクリンのキャラクターも良く、少しでも彼のことを知れて良かった。しかも物語後半は驚きの展開でかなり驚いた! それはアリなのか? とちょっと思ったし賛否ありそうではあったけど、全体的には結構面白かった!
33 ~ 36 巻
Morgan から新たな指示を受けた Jack と Annie。彼らはこれから体験する冒険で、自然に住まう特別な動物達と触れ合い、時に救うことになる。
#33: Narwhal on a Sunny Night
YL | 3.0 |
総語数 | 8,009 |
邦訳 | 北の海の冒険者 |
ある夏の夕暮れ時。不思議な雲が林の上空にかかっていることに気づいた Annie は、Jack と共にツリーハウスへと向う。部屋にはグリーンランドの本と Morgan からの指令が記されたメモが置かれていたが、以前北極に行った経験があるからと自信を見せる Jack と Annie。2 人は意気揚々と冒険に出た――。
今回の舞台はクジラやトナカイが生息するグリーンランド。前半は Annie の動物に関する知識に感心させられ、中盤では出会った人たちの出自や正体が意外で面白い展開だった。しかし最近の巻では、どうやって来たのだ? と聞かれて答えに四苦八苦することが多い気がする。今回は特に子供 2 人でグリーンランドまで来たというのだから疑問に思って当たり前だが。うまい返答はなかなか出てこないから難しいよな。
#34: Late Lunch with Llamas
YL | 3.0 |
総語数 | 8,359 |
邦訳 | インカ帝国 天空の都 |
夏の朝。翼長 3 メートルにも及ぶコンドルが家の上空を旋回し、林の方へ飛んで行った。Jack と Annie はツリーハウスが現れたこを察し、林へと向かう。ツリーハウスで Morgan の残したメモから、とある生物を救えという指示を得た 2 人は、置いてあったアンデス山脈のトラベルガイドを拾い冒険に旅立つ――。
南アメリカの過去のアンデス山脈が舞台。現地の子供が世話していた幼いラマが何者かに持ち去られ、Jack と Annie が助けにいくというストーリー。最初に目的がはっきりすると読みやすくて良いね。過酷な道のりや毒蛇などが出てきたので、いつも以上に冒険感があったし。しかし、子供から怖いの? と尋ねられ、すかさず怖くないと返事をする Jack は面白い (笑。君のそういうところ好きだよ。
#35: Camp Time in California
YL | 3.1 |
総語数 | 9,132 |
邦訳 | 世界を変えたキャンプ |
夏。夕食後、ツリーハウスに向かった Jack と Annie は、部屋で 2 冊のスケッチブックとペンを見つける。Morgan が残したメモには、ヨセミテで見た物を描き、自然を助けなさいとの指示。相変わらず不明瞭な指示に困惑しながら、2 人は新たな冒険に出かける――。
カリフォルニア州ヨセミテ国立公園が舞台。セコイアの木の上にツリーハウスは移動したけど、滅茶苦茶高い! よく上り下りできたな……。見せ場は色々あり道中で同行することになった人達の正体にも驚かされたが、一番印象に残ったのは、ヨセミテの自然や動物と触れ合う Annie を誇らしく思いながらもどこか羨んでしまう Jack かな。MTH は Jack の視点で語られるけど、Annie の心情も気になるので、いつか彼女の視点で語られる物語も読みたいね。
#36: Sunlight on the Snow Leopard
YL | 3.1 |
総語数 | 7,927 |
邦訳 | 未翻訳 (2022 年 1 月時点) |
晩冬。雨が降る中、呼び声が聞こえた Annie は、Jack と共にツリーハウスへと赴く。部屋の中に置いてあったのはネパールの観光案内本。そして Morgan からのメモには、山脈の灰色の幽霊から秘密を聞いてきなさいとあった――。
今回はインドと中国の間にある国ネパールでハイキング。最初はエベレスト山で登山でもするのかと思ったけど、流石にそんなことはなかった (笑。物語としては山の麓の村で出会った人物の心の傷が、どのような理由で立ち直るのかという部分に焦点が当たっていてなかなか興味深かった。ただ、シリーズ前半では魔法を解くためとか Master Librarian になるためと言った目的があったけど、25 巻以降は Jack と Annie の成長を促すというフワッとした目的しかなくてちょっと物足り無いかな……。何かしらストーリーが進んで欲しくはある。
まぁでもこれで MTH 本編の最新刊まで読み終わったので、次は Merlin Missions シリーズを読んでいくぞ。楽しみだ!
ボックスセット等
ボックスセット
ペーパーバックであればボックスセットがあるので、全巻揃えたいならボックスセットを購入する方が簡単。タイミングによってはフリマサイトなどで中古価格で買える場合があるので、先にそちらを確認した方が良いと思う。読むだけで良いなら近くの図書館で借りるという手もある。私は電子書籍の民なので、(ある程度) Kindle 版を購入したけど……。とりあえず 21 ~ 24 巻は私のおすすめ巻。
オーディオブック コレクション
Magic Tree House には作者本人が朗読したオーディオブックもあり、8 冊ずつセットになったコレクション版もある。日本の Audible で会員 (無料体験あり) になって 30 % OFF で購入することができるが、米 Audible なら定額聴き放題対象なので、数回しか聴かないのであれば米 Audible の方が断然お得。もちろん、何回も聴きなおすのであれば、日本の Audible で購入しても良いと思う。聴き放題対象の洋書などの情報はこちら
第 1 ~ 8 巻 | Magic Tree House Collection: Books 1-8 |
第 9 ~ 16 巻 | Magic Tree House Collection: Books 9-16 |
第 17 ~ 24 巻 | Magic Tree House Collection: Books 17-24 |
第 25 ~ 32 巻 | Magic Tree House Collection: Books 25-32 |
※ | 米 Audible のレビューによると、Collection: Books 25-32 の 29 ~ 32 は、商品説明とは異なり Merlin Missions の 1~ 4 巻 (つまり旧 MTH 29 ~ 32 巻) が収録されているらしいので注意 (2022年1月時点) |
邦訳版のオーディオブック
Magic Tree House の邦訳版は日本の Audible 聴き放題対象になっている。原作を読み、内容に不明点などがあれば日本の Audible の無料体験を利用してマジック・ツリーハウスを聴いてみるのは良いかもしれない。
1 | 恐竜の谷の大冒険 / 黒い馬の騎士 |
2 | 女王フュテピのなぞ / 海賊の秘宝をさがせ |
3 | 闇に消えた忍者 / アマゾン大脱出 |
4 | マンモスとなぞの原始人 / 月の世界へ! |
5 | SOS! 海底探険 / ゴーストタウンの亡霊 |
6 | サバンナ決死の横断 / オーロラと北極ぐま |
7 | ポンペイ最後の日 / 始皇帝から禁書を救え! |
8 | 北欧の海賊バイキング / 古代オリンピックの奇跡 |
グラフィックノベル版
コミック版が出始めている。私はサンプルしか読んでないので細かくは言えないけど、フルカラーの絵があるので状況が分かりやすいし、吹き出しのセリフが大文字オンリーではないので読みやすい。結構良さそう。
Magic Tree House シリーズ 語数・YL 一覧
※ | YL は自己評価 |
※ | 1 ~ 35 巻の語数は AR BookFinder を参照。36 巻の語数は独自調べ (計221,126語) |
Merlin Missions、Super Edition については Magic Tree House 64冊 感想 (下)、その他の洋書・児童書についてはおすすめの洋書75選で。
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管理人 矢月
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英語の娯楽作品に関する情報をまとめています。洋書に加え、英語のマンガ・アニメ・ライトノベル・ドラマ・ゲームでの多読多聴も楽しいですよ……!
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