パス単3級に掲載されている英単語の語彙レベル、および英検3級の英単語をどれほどカバーするのか調査しました!
目 次
英検3級 でる順パス単とは
英検によく出る英単語を掲載
英検の問題5年分を分析
でる順パス単とは、5年分の英検の試験問題を分析し、よく出題される英単語を「でる順」で掲載している英検向けの英単語集です。
パス単シリーズは英検5級~1級までそろっているので、英検合格を狙うならまずはこの英単語集に掲載されている単語を押さえると効率良いと思います!
「英検 Pass 単熟語」の改訂版
でる順パス単は英検 Pass 単熟語の改訂版です。英検 Pass 単熟語の初版は1998年で、2012年の改訂で「でる順パス単」に名称が変更されました。古本で探すと名称が異なるので紛らわしいですが、パス単の方が新しいので、間違って購入しないようにお気を付けください。
パス単3級 掲載語の内訳
単語 (900語)
英検3級向けのパス単には単語が900語掲載されており、英検に頻出する順にでる度A・B・Cと分類されています。
各英単語には発音記号 (+カタカナ表記) と日本語訳、使用例が掲載されています。
パス単3級の種類
単行本/電子書籍版
パス単は電子書籍でも販売されています。画像はKindle版のものですが、単行本と同様の構成となっているかと思います。
※ | 電子書籍版は単行本の内容から一部変更されている場合がある模様 |
名称 | 種類 | リンク | |
---|---|---|---|
英検3級 でる順パス単 | 単行本 | Amazon | 楽天 |
電子書籍 | Kindle (Amazon) | Kobo (楽天) |
アプリ版 (スマホ/タブレット)
パス単は ①単語学習用のアプリ mikan (有料の Pro 会員)、② 英語教材アプリ abceed、③ パス単専用アプリ、の3種類で利用することができます。
mikan は単語専用のアプリであり、abceed は様々な教材を一元管理できるアプリです。好みに合わせて利用してみると良いと思いますが、悩むならとりあえず abceed を試してみてはいかがでしょう。無料でもある程度はお試しで利用することができますし、他にも色々な教材が利用できますよ。
ちなみに ③専用アプリの iOS 版はパス単1級~5級が統合されたアプリですが、アプリ内で各級のコンテンツを個別に購入する必要があるので注意してください。
名称 | リンク | |
---|---|---|
abceed | Android | iOS |
mikan | Android | iOS |
でる順パス単 英検 3級 | Android | iOS |
※ | mikan は元々 mikan パス単という買い切り版が存在していたが、2019年7月に仕様が変更された |
関連書籍
パス単の音声入手方法
スマホアプリなら無料で聞ける
単行本/電子書籍版の購入者はmp3をダウンロード可能
パス単の単行本/電子書籍を購入した場合は、見出し語、日本語訳、例文の音声ファイル (mp3形式) を無料でダウンロードすることができます。パス単の本文内にパスワードが記載されており、以下ダウンロードサービスから入手することが可能です。
スマホアプリなら音声は無料で聞ける
スマホアプリ「英語の友」でパス単の音声を無料で聞くことができます。書籍を購入してダウンロードできる音声ファイルと同じ内容が聞けるのでオトクです! さらに、オリジナル機能として英単語のみ順番に読み上げる機能もあります。ただし、英単語や例文を文字で確認することはできません。
名称 | 価格 | リンク | |
---|---|---|---|
英語の友 | 無料 | Android | iOS |
英検3級の語彙レベル
語彙数は1250~2100程度
英検3級に必要な語彙数は一般的には1250~2100程度と言われています。パス単3級だけでは足らないので、パス単4級・5級などの掲載語も押さえておく必要はあります。本記事では実際にパス単3級の掲載語がどれだけ英検の英単語をカバーできるのか調べました。
なお、アルクによる英単語リストSVL12000や中学校の英語教科書掲載語でどれほど英検の英単語をカバーできるのか以下記事で別途調べていますので、あわせて参照ください。
英検3級 でる順パス単の語彙レベル
概要
中学校教科書掲載の語彙/SVL12000と比較する
① 中学校の教科書の語彙と比較
英検3級は中学校卒業程度とされているので、中学校教科書掲載の英単語とパス単3級掲載の単語がどれほど重複するか確認します。
中学校英語の教科書はNew Cown、New Horizonなど数種類ありますが、本記事では開隆堂のSunshineを利用します。この中学校1~3年向けのSunshine (2016年度版) に掲載されている英単語は開隆堂がExcelで公開していましたので、利用させていただきました。
種類 | 対象 | 掲載語数 |
---|---|---|
Sunshine 1 教科書 | 中学校 1年 | 約630 |
Sunshine 2 教科書 | 中学校 2年 | 約550 |
Sunshine 3 教科書 | 中学校 3年 | 約500 |
中学校レベルの英単語一覧について別途調べた記事があるので、そちらも参照ください。
② SVL12000との比較
本サイトでは英単語リストやマンガ・小説などの英文の語彙レベルをSVL 12000で比較しています。パス単3級の掲載語についてもこのSVL 12000の語彙レベルと比較します。
SVL 12000の詳細については以下を参照ください。
比較対象のパス単の単語
パス単には単語・熟語・定型表現が掲載されていますが、ここでは単語 900語を比較対象にして評価します。
なお、900語の中には「cell phone」「part-time」など2単語で構成される語句がいくつか含まれています。本サイトでは単語単体で評価するため、単語単体に分離し重複を除外しています。最終的に評価した単語は901語となっています。
中学校教科書との比較
パス単3級の掲載語
上記表は、パス単3級に掲載されている英単語を中学校の英語教科書Sunshine1~3年に掲載されている単語で分類した結果です。英検3級は中学卒業レベルの試験で、パス単はその英検3級によく出る英単語を集めているわけですが、教科書との一致率は59%にとどまりました。
中学校教科書はSunshine以外にもNew HorizonやNew Crownなど複数の種類があり、教科書によって掲載語にバラつきがあります。そのため、パス単3級の掲載語は中学卒業レベルの英単語のはずですが、1種類の教科書では賄いきれないという事のようですね。
パス単3~5級の掲載語 (重複除外)
掲載語数 | 掲載語数 (単語単体) | 初掲載の 単語数 | |
---|---|---|---|
パス単5級 | 569 | 555 | 555 |
パス単4級 | 588 | 590 | 320 |
パス単3級 | 900 | 901 | 519 |
合計 | 2057 | 2046 | 1394 |
上記表はパス単3級~5級の掲載語をまとめ、学年別に分類した結果です。
パス単5級の掲載単語数は555語、パス単4級は590語、パス単3級は901語で合計すると2046語です。しかし、パス単間には重複して掲載されている単語が一定数あり、実際の語数は1394語となりました。
SVL 12000との比較
パス単3級の掲載語
上記表は、パス単3級の掲載語をSVL 12000の語彙レベル (SVL1~12、1レベル1000語単位) で分類した結果です。続いて、でる度別に色分けした結果を以下に示します。
パス単3級の掲載語 (でる度別)
パス単3級の単語 901語をでる度A (300語)、でる度B (301語)、でる度C (300語) でわけて語彙レベルを調べた結果が上記表です。わずかではありますが、やはり頻出度が落ちるほど (でる度Cの方が) 語彙レベルが高くなるようですね。
パス単3~5級の掲載語 (重複除外)
上記表はパス単3~5級の掲載語 1394語 (5級 555語+ 4級 320語 + 3級 519語、重複除外) を分類した結果です。
実はパス単1級~準2級までの単語はSVL 1 (1000語レベル) の単語がかなり少なくなってくるので、パス単3級の後にSVL 1の単語を覚えて基礎単語の暗記漏れを無くしておくと良いかと思います。
英検3級試験の英文カバー率
概要
パス単3~5級の英単語でどれほどカバーできるか計測
パス単3~5級に掲載の英単語 1394語 (5級 555語+ 4級 320語 + 3級 519語) でどれほど実際の英検の試験で使われた英単語がカバーできるか確認します。手順の詳細については「英文の語彙レベル解析手順について」を参照ください。
計測対象の英検
2017年6月に実施された英検3級試験の筆記、およびリスニングで使われた英単語を対象とします。
筆記試験 | 英検のサイトで公開されている過去問から英文を抽出 |
筆記試験(ライティング) | 解答例に記載されている英文 |
リスニング | 過去問ページで公開されているスクリプトと問題用紙に掲載されている英文 |
スピーキング | 問題と解答のサンプルで使われている英文 |
※ | 人名などの固有名詞や数値などは除外 |
英文カバー率
総語数
上記は英検3級試験で使われた全英単語を、パス単3~5級の掲載語で分類した結果です。なお、パス単3~5級にはbe動詞 (be、is、are、was、were) や Yes、Noなどの基本単語は単語として掲載されていません。上記表では範囲外の単語が234語となっていますが、be動詞、Yes、Noで8種類 154語を占めているので、これらを除けばカバー率はもっと高くなります。
英単語の種類
単語の重複を除外し、英単語の種類で分類した結果が上記です。英検4級と比較すると高レベルの単語が増えていますが、その分はしっかりとパス単3級でカバーできていることが分かりました。英検3級の合格は正解率6割が目安といわれているので、英単語の90%把握できていれば3級合格圏内だとは思います。
パス単を活用するヒント
パス単3~5級をまずこなす
単行本を活用する!
手作り単語カードで効率を高める!
普通に1ページずつ読み進め、章ごとや1冊丸ごと復習を繰り返す方法が一般的だと思います。しかし、思い切ってハサミで切って単語カードを手作りする方法をオススメしている方もいます。
英単語集はボロボロにしてなんぼです。後生大事にする必要はありませんので、もし本の形式で覚えられないのであれば単語カードを自作してみてはいかがでしょうか。詳細は以下を参照ください。
パス単に掲載されていない単語を学ぶなら
パス単から漏れている単語をSVL12000で補完する
パス単から漏れている単語をSVL12000で補完する
パス単は英検向けの単語集ですが、実はパス単1級~5級の掲載語を全部足しても、重複を除外すると6000語ほどしかありません。英検3級まではパス単の掲載語だけで賄うことができるかと思いますが、準2級以上は一気に必要語彙数が増えてくるので、別の英単語集も併用していく必要があります。
最終的に英検準1級以上、TOEIC高得点を狙っていくのであれば、「パス単5級→パス単4級→SVL 1→パス単3級→SVL 2→・・・」のようにパス単とSVLで交互にボキャビルしていくと、英単語の漏れなく語彙を増やせるかと思います。
スマホやタブレットでボキャビルできるAnki
自分で単語帳を自作できるAnkiがオススメ
mikanでSVL 12000をボキャビルすることはできませんが、AnkiというツールにSVL12000の英単語を取り込んで、スマホやタブレットでボキャビルすることはできます。
Ankiは英語学習者や海外の学生も活用しているツールです。私もAnkiで数百時間はボキャビルしていますよ!
Ankiは英語以外の科目にも応用できる
Ankiは文字、画像、音声を使って自分で単語帳を作成できるので、暗記が必要な科目すべてに応用できます。
- 国語: 漢字
- 数学: 公式
- 歴史: 年表、歴代将軍の名前
- 化学: 元素記号、化学式
子供が使い方を一から学ぶのは大変ですが、両親がAnkiの使い方を学び、子どもにAnkiで色々勉強させているなんて話も聞きます。暗記科目全般にアプリを活用したいのであれば、Ankiはオススメです!