【精読】 ポレポレ英文読解プロセス50 の特徴と感想 | えいらく

【精読】 ポレポレ英文読解プロセス50 の特徴と感想

大学入試レベルの例題を使った、英文解釈の参考書「ポレポレ」。

以前読んだことがあったのですが、精読・英文解釈の復習をしようと思いポレポレを読み直したので、感想を残しておきます。ちなみにポレポレとはスワヒリ語で「ゆっくり」という意味だそうです。

ポレポレ英文読解プロセス50

概要

タイトルポレポレ英文読解プロセス50
著者西 きょうじ
出版社代々木ライブラリー
ページ数129ページ (50例題)
英文構造を把握するプロセスを学ぶ

大学入試の例題 50 問を用い、英文構造を理解するためのプロセスを解説する参考書。主語・動詞の発見から倒置・省略の見分け方まで、1 文ずつ解説している。なお、英文法や語彙については殆ど解説されていないので、本書に取り組む前に高校レベルの文法・語彙の勉強をしておく必要がある。

ポレポレの特徴

大学入試問題で文構造把握トレーニング

曖昧な理解で文章を読み進める癖を無くす

英文を読むにあたり、内容を正しく把握するには以下の要素が重要となってくる。

  • 文法の知識
  • 単語や熟語の知識
  • 文構造の把握
  • 文章内容・話題の背景知識

最初は基本的な英文法を一通り学び一定の語彙力を身に着けるだけでも、洋書がそれなりに読めるようになるので多読が楽しくなってくる。しかし、一定レベル以上の英文は倒置・省略なども使われるようになり構造が複雑になるので、内容を正しく把握するのが難しくなってくる。知っている単語と文脈から英文の意味を推測するのにもやはり限界があるので、英文の構造を正しく把握するトレーニングも行っておくことがオススメ。

ポレポレは大学入試で使われた英文 50 題を例題として用いており、上記画像のように「例題とその英文の読解プロセスの解説」を提供している。参考書としては比較的短めで取り組みやすいので、英文解釈の 1 冊目として利用するのも良い。ただ英文解釈トレーニング自体が中~高難易度なので、もしポレポレの内容が難しすぎると感じる場合は、英文法や語彙の勉強をしたり簡単な洋書をたくさん読み、もっと英文を読むことに慣れた方が良いのではと思う。

ポレポレでトレーニングできる要素

主に 50 例題でトレーニングできるのは以下の要素。特に倒置は知っていればすぐ読めるようになるので、ポレポレでしっかり覚えると便利。

  • 主語と述語の把握
  • 挿入、倒置、省略
  • 等位接続詞 (and) による並列、関係詞、分裂文 (強調文)

自分のポレポレの取り組み方

時間をかけずに 2 ~ 3 周する

進め方は人それぞれで良いと思うが、ポレポレはそこまで厚い参考書では無いので、長くても 1ヶ月ぐらい終わらせた方が良いと思う。私は 2 週間で 2 周したが、それを1ヶ月に換算すると以下のようなペースになる。

1ヶ月で終わらせる場合

1 周目: 解説もしっかり読む

1 周目は 3 週間以内に終わらせる。毎日 2 ~3 例題ずつ、以下の手順で進める。

  1. 英文の構造と意味を考えながら例題を読む (まだ辞書は用いない)
    未知語があり英文の意味が分からなくても、構造を捉える訓練をする
  2. 未知語があれば辞書で調べ、英文の意味も捉える
  3. 解説、日本語訳を読む
  4. 英文の構造を把握しながら例題を読み直す
2 周目: 例題だけ読む
  • 2 周目は 7 日以内に終わらせる。毎日 7 ~10 例題ずつ
  • 例題だけ読みすすめていく。英文の構造と意味が把握できなかったら解説も読み直す
  • 意味・構造把握できなかった例題は次の周回で復習するので、番号はメモしておく
3 周目以降: 前の周回で分からなかった例題だけ読む
  • 3 周目以降は、前の周回で構造と意味が把握できなかった例題のみ読み直す
  • 1 周を 1 ~ 2 日程度で終わらす

以降は別の参考書で

例えば英文解体新書や英文解釈教室

私が最初にポレポレに取り組んだ時、2 ~ 3 周したら例題の内容自体を覚えてしまったので、周回を重ねるより別の参考書に移った方がトレーニングになると思いポレポレは 3 周で卒業した。

自分が使った英語の参考書・教材まとめ」にも記載しているが、私が精読トレーニングで読んだ参考書は以下 4 冊。ポレポレより難しめの英文でさらにトレーニングを積むなら、とりあえず「英文解体新書」か「英文解釈教室 (今なら新装版もある)」が良いと思う。

全体的な感想

大学入試レベルの英文は存外に難しい

まず、英文解釈の参考書で勉強を始めたキッカケは、倒置や省略がある英文がスラスラ読めないと感じた事。少しひねった言い回しに慣れていなかったので、精読の勉強の一環として英文解釈の参考書をやろうと思ったのだ。

それで最初に読んだのは「英文解釈教室 改訂版 (全313ページ)」で、その次に取り組んだのが「ポレポレ英文読解プロセス50 (全129ページ)」だが、ポレポレは 50 例題しかないので取り組み易く、先にこちらに手を付けていればよかったと感じた。とはいえ、先に英文解釈教室を読んだので相対的にポレポレが簡単に思えたのかもしれない……。実際、今回改めて読み直してみたら、いくつかの例題は構文を取り間違えそうになったし、語彙も思ったより難しい。1990年代のモノではあるが、大学入試の英文って結構難しいよね。

日本語に翻訳する訓練はしなかった

受験用の参考書なので (ある程度) 自然な日本語訳を考えることについても記載されていたが、個人的にはそこはあまり意識しておらず、あくまでも構文を理解するための練習問題として活用した。また、掲載されている日本語訳は英文とは異なる語順になっているし意訳も入っているので、英文の逐次訳になっておらず、自分の勉強の目的に合わなかったというのもある。

もちろん、大学受験対策など翻訳の訓練も必要な方は、日本語訳にも取り組んで良いと思う。

英文解釈の 1 冊目として

以前は洋書を読んでいて英文の構造がうまくつかめずストレスが溜まっていたことがたびたびあったが、英文解釈系の参考書を何冊かやったことでスムーズに読めるようになったことは確か。特に、以前は倒置に気づかず苦労していたが、今ではあまりそのようなことはなく、うれしい……!

ポレポレだけで英文解釈のトレーニングが完結することはないが、ページ数が多くなく比較的取り組みやすいので、これから英文解釈をやってみようという方はチャンレンジしてみては。

 
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