英語版スーパーロボット大戦X
概要
戦神達の運命は、新たな世界で交差 X-cross- する
英語タイトル | Super Robot Wars X |
ジャンル | シミュレーションRPG |
私のプレイ時間 | 約65時間 (攻略情報は見ずに1周クリアにかかった時間。ボーナスシナリオもクリア済) |
機種 | PC (Steam)、PS4、PS Vita、Switch、 |
※ | 上記 PV では文章が日英併記されているが、実際にゲーム内で表示できるのは1言語のみ |
神と獣、光と闇、過去と未来が集う世界
始まりの地と呼ばれる「アル・ワ―ス」に、複数の平行世界の地球、過去、未来、異世界バイストン・ウェル、地底世界ラ・ギアスの住人が突然召喚される。異世界人となった各世界の住人らは各々の目論見をもって活動する中、暗躍する巨悪の存在に翻弄されながら否応なしに戦乱へと巻き込まれる。果たして彼らは無事元の世界へ帰還することはできるのか――。
という感じで始まる、様々な作品のロボットが集うゲーム作品。本作はスパロボシリーズでも珍しい異世界を舞台とした物語で、魔神英雄伝ワタル、ふしぎの海のナディア、バディ・コンプレックス、ガンダム Gのレコンギスタを中心としたシナリオが展開される。難易度は比較的簡単な方なので、スパロボシリーズに慣れていなくてもあまり困ることは無いレベル。
英語でプレイするには
2019 年ごろから (OG シリーズ以外の) スパロボシリーズの海外展開が始まったようで、スパロボX は英語でプレイすることができる。ただし音声は日本語のみ。
PS4 / PS Vita
PS4 と PS Vita 版のスパロボX にはアジアで発売された英語字幕版があるので、すこし入手何度は高いがアジア版を購入すれば英語でプレイできる。もちろんアジア版のソフトでも日本のPS4/PS Vita 本体でプレイすることができる。
PC (Steam) / Switch
Steam 版と Switch 版のスパロボX は PS4 版の移植版で、その時に多言語対応している。普通に日本版を購入すれば英語字幕でもプレイできる。ただしゲーム内では言語設定を変更することができないため、Steam 版はライブラリで該当ゲームのプロパティから、Switch は本体の設定から言語を変更する必要がある。
ちなみに Steam 版だが、英語でゲームを始めてセーブをし、その後言語設定を日本語に変えたらそのセーブデータをロードすることはできなかった (2021年8月時点)。言語設定を英語に戻したら無事ロードできたので、一度英語で始めたら最後まで英語でプレイしないといけない模様。Switch 版のセーブ&ロードについては未確認だが、Steam 版と同じ仕様かもしれない。
英語学習の題材として
英語学習に向いているポイント
各作品をアニメで視聴済みならストーリーが理解しやすい
スパロボは複数のロボットアニメ作品の人物が集うゲームであり原作のストーリーも踏襲されるので、参戦作品をいくつかアニメで視聴していたり、他のスパロボシリーズをプレイして各作品を把握していれば、話の流れが理解しやすくなる。なので、完全に未知のストーリーのゲームを英語でプレイするよりも途中で挫折する可能性が低くなる。
本作で参戦するのは概ね以下の作品 (★はシリーズ初参戦)。全部とは言わないまでも、半分ぐらい知っていれば固有名詞やストーリーがだいぶ理解しやすくなる。
- ★ガンダム Gのレコンギスタ
- ★バディ・コンプレックス
- ★ふしぎの海のナディア
- ★魔神英雄伝ワタル
- 無敵鋼人ダイターン3
- 聖戦士ダンバイン
- 機動戦士Ζガンダム
- 機動戦士ガンダムΖΖ
- 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア
- 機動戦士ガンダムF91
- 機動戦士クロスボーン・ガンダム 鋼鉄の7人
- 新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
- 勇者特急マイトガイン
- コードギアス 反逆のルルーシュR2
- クロスアンジュ 天使と竜の輪舞
- 真マジンガーZERO vs 暗黒大将軍
- 天元突破グレンラガン
シミュレーションパートは英語に疲れにくい
ノベルやアドベンチャーゲームは文章を読み続ける時間が長くなるのでハードルが高かったりする。しかしスパロボのプレイ時間の大半を占めるシミュレーションパートでは文字を読む時間がかなり減るので息抜きになる。もちろんインターミッション前後の会話パートではそこそこの量の会話がなされるので、英文量が少なすぎるということもない。
英語の勉強という観点では時間効率が良いゲームとは決して言えないが、ノベルやアドベンチャーでは英文が多すぎて集中力が続かないと感じる場合、スパロボを試してみるのは良いと思う。
地味に助かるバックログ機能
会話はバックログで見直すことができる。会話は案外長いので、ちょいちょいお世話になる。
単語の難易度は普通だが慣用句は多い
みんな言い回しが洒落ている?
1周プレイして感じたが、他のゲームや海外ドラマ・アニメと比較しても、慣用句が使われる割合はかなり高かったように思う。昔のアニメ作品はセリフに諺を用いることが多かったことが影響しているのかもしれない……。
私はちょうど英和イディオム完全対訳辞典で一通り句動詞・慣用句を学んでいたので復習になって良かったが、積極的に慣用句を学んでいないと少し面倒に思う可能性はある。その分勉強にはなるので、とりあえずプレイ時に未知の言い回しに遭遇したらスクリーンショットを撮っておいて、後でまとめて復習すると良いかも。
ちなみに上記画像の “Takes one to know one.” は、「自分もそうだから人のこともそう思うのだ / それはお互い様」という意味。他にも色々と使われていたので、一部を紹介する。
遭遇した慣用句 (のごく一部) を紹介
感想 (ネタバレほぼ無し)
最初は英文も比較的シンプルで読みやすい
序盤は魔神英雄伝ワタル、ふしぎの海のナディアの出番が多くて良い
スパロボX の最初版はワタル・ナディアのシナリオが多めに展開されたが、最初は敵の数も登場人物も少なく、話も比較的シンプルで会話量も多くないので、英語でのスパロボに慣れるには丁度良いレベルだった。
ワタルは未視聴だったが、ストーリーは子供むけの勧善懲悪的なので展開が分かりやすく、英文も他作品に比べて理解しやすかったように思う。
ナディアは原作の断片を朧気に覚えている程度だったが、子悪党として登場しつつ頼れる大人として活躍していたグランディス、サンソン、ハンソンの 3 人が好きだった記憶がある。というわけで彼女らが乗るグラタンは補給・回復役として毎シナリオ登場させ、最終的には全体でもトップクラスのレベルに達する程まで活躍させた。機体自体はかなり弱いので、完全にキャラ愛で使い続けた感じ。まぁ好きなロボットを優先して使うのがスパロボの醍醐味なので……。ちなみにサンソン、ハンソンの名台詞「合点!」は “Alrighty!” と訳されていた。ナルホド。
中盤、ガンダム勢が加入してくると話が複雑になってくる
20 話ぐらいから会話が増え、話も複雑に
序盤は魔神英雄伝ワタルがメインとなっていたが、仲間が増えてくるとともに会話が長く、内容も複雑になっていく。特に 20 話前後からバディ・コンプレックスやガンダム系の話が本格的に関わってくるため、少し英文の難易度が高くなった印象がある。
私は他のスパロボシリーズでガンダム系のストーリーは概ね把握していたので、新規参戦のバディ・コンプレックスとガンダム Gのレコンギスタの話に集中できて助かったが、やはり登場人物が多くなるので、ガンダムシリーズ未視聴だと少し苦労しそうだなと思った。
クリム・ニックは良いキャラだった……
さすが天才……!
ガンダム Gのレコンギスタは未視聴でストーリーを知らなかったが、主人公のベルリが思ったよりも前向きで好感が持てて良かった。あと序盤過ぎてからチョコチョコ登場するようになったクリム・ニックだが、最初は自分のことを天才と称する嫌味な小物キャラかと思いきや、意外にも本当に有能キャラで、セリフが面白くてかなり好きになってしまった……。色々な機体に乗せ換えて戦闘させると本当に面白い。彼の活躍が見たいので、そのうちアニメでGのレコンギスタ見てみようかなと思うほど。さすが天才……!
全体的な感想
期待通りのスパロボ
基本システムやストーリーの広げ方は従来の物と大差ないので、ゲームとしては良くも悪くもいつものスパロボといった感じ。細かい部分の改良はかなりされているので、プレイのしやすさは初期の頃と比べると段違いではあるが、期待以上では無いかなと。
ただ英語でプレイすることで、既存の見知ったキャラクターの言い回しや各作品の固有名詞が英語でどのように表現されるのか知れるのはなかなか興味深かった。また、慣用句は滅茶苦茶出てきて勉強にもなり、英語でプレイしたことで従来とは一味変わった面白さを感じ取れて案外楽しかった。
連続でやると飽きるので1周でやめておくけど、機会があればスパロボ最新作を英語でやりたいかな。