リアリティショーで告白を成功させろ! さもなくば死!

出オチのような設定ながら、プレイした人の評価が高く気になっていた無料のビジュアルノベル「Find Love or Die Trying」を遊んでみました!

Find Love or Die Trying

概要

無料で遊べる良質なビジュアルノベル

英語タイトルFind Love or Die Trying
ジャンルビジュアルノベル
私のプレイ時間約9時間
機種PC (Steam)
告白を成功させろ! さもなくば死。

なぜか記憶喪失になった「あなた」は謎の男女に脅され、求婚者として7日間のリアリティショーに出演することに。指示内容は 1 つ。5 人の女性と 6 日間生活を共にし、7 日目に運命の相手への告白を成功させること。もし失敗したら命を奪うと脅されながらも、「あなは」は女性達と会話を重ね関係を深めていく。しかしリアリティショーの裏に隠された意図により、事態は思わぬ方向へ。果たして「あなた」は告白を無事成功させることができるのか――。

本作は記憶喪失の主人公が命のために恋愛リアリティショーに参加するという導入から始まる無料のノベルゲーム。ちなみに “or die tying” は「死ぬまで試みを止めない、何としても」という強い覚悟を示す慣用句で、タイトルは「何としても愛を見つける」というような意味。

英語でプレイするには

海外のゲームで、普通に英語字幕でプレイ可能。音声は無し。

ゲームの内容

リアリティショーの進み方

Allie左から 1 番目。スポーツが得意
Violet左から 2 番目。資産家の令嬢
Kat左から 3 番目。リアリティショーのプロデューサー
Scarlett左から 4 番目。科学者
Terra左から 5 番目。ゲーム配信者
Yui左から 6 番目。高校の同級生
運命の相手は誰だ

本作は謎解きではなくノベルゲーム。選択肢で細い展開分岐はあれども基本は読み進めるだけだが、リアリティショーの概要を知っておくと序盤が理解しやすい。というわけで、導入で記憶喪失の「あなた」に出された条件は以下。

  • 求婚者 (suitor) として、貸切った島で行われる7日間のリアリティショーに出演する
  • 5 人の女性の中から 2 人を選び、6 日間をかけて 2人と 3 回ずつデートをする
  • 7 日目に 1 人を選び、告白する
  • 告白に成功すれば、2 人はヨットで脱出できる
  • 告白に失敗すれば、「あなた」は命を奪われる
  • 女性達は単なるリアリティショーだと思っており、「あなた」の命がかかっているとは知らない
  • 逃げ出したり、女性達に真実を伝えたら全員殺される

また、「あなた」以外の主な登場人物は上記画像にいる6 名の女性。皆個性的で良い味を出している。

英語の題材として

テンポの良い会話で読みやすい

難単語は多くなく英文の構造はシンプルで、会話のテンポが良いので読みやすい。慣用句と句動詞はそれなりに出てくるので、それらの勉強にもなる。無料でありプレイ時間もそこまで長くないので、英語多読用のノベルゲームとしてもオススメ。

遭遇した表現を一部紹介

where are my manners

(これは失礼)

挨拶もせず突然しゃべりだしたスーツの男が、自分の非礼を詫びた場面。

相手の失礼な態度を指摘する場合は、”Where are your manners?” になる。

pinky promise

(指切りげんまん)

リアリティーを成功させてくれたら、主人公が知りたいことを教えてあげると Kat が約束した場面。

“pinky” は小指のことで、お互いが小指を出しながら約束する。

without further ado

(前置きはこれくらいにして早速)

色々説明した後、行動に移ろうとした Kat が使った表現。

“ado” は騒動や面倒といった意味。本題に入る時に使われる。Kat は良くこのフレーズを使う。

The coast is clear.

(危険はなくなった、今だ)

誰にも見つからずに図書館に向かうため、人がいないことを確認した Scarlett が発言した場面。

元は密輸入者たちの暗号で「沿岸を見張っている者はいない」という意味。転じて、「誰もいない今なら大丈夫」という意味に。

where the rubber meets the road

(正念場、山場、重要なポイント)

夢の中でとある人物が、ここが正念場だと発言している場面。

“the rubber” はタイヤのゴムのことで、「タイヤが道路に接触する場所」→「肝心な部分」ということらしい。

One’s number is up.

(命運は尽きた、一巻の終わりだ)

リアリティショーに失敗して命運が尽きた時、自分が近くにいれば文字通り斧で命を奪うと、スーツの男が発言した場面。

人間の死ぬ順番は運命で定められており、ついにその順番が回ってきた、というイメージ。

take something for a spin

(something でひと回りする)

海を遊覧したいと Kat に頼んだらボートを用意してくれたと Allie が発言した場面。

ドライブや試運転など、目的地もなくただ楽しむために乗るときに使う表現。

Break a leg!

(頑張れ!)

今日もリアリティショーの出演頑張って、と Kat が発言した場面。

由来がハッキリしない表現だが、これから出番の俳優を励ます時に使うセリフ。これから人の前で難しいことをやろうとする人などにも言う。

Your guess is as good as mine.

(私もよくわからない)

Terra が疑問点を主人公に聞いたが、主人公も分からないと返答した場面。

「あたなの推測は私の推測と同じ程度」という意味だが、自分が理解できていない時に使う表現なので、「あなたと同様に私も分からない」という意味になる。

全体的な感想 (ネタバレほぼ無し)

良質な無料ビジュアルノベル

序盤から会話のテンポが良く、主人公の命が掛かった緊迫感がありながらも全体的にコメディタッチで、最後まで楽しく読み進めることができた。5 人のヒロインも皆魅力的で、各人とデートをして彼女達の内面を知っていくと好ましく感じ、誰を選ぶべきなのか主人公と同じ葛藤を味わうことができた。また、プロデューサーの Kat も良い性格をしており、主人公と Kat の会話も面白い。

主人公の失われた記憶やリアリティショーの開催目的などの設定も面白かったが、斬新とまでいえるような展開はなかったのは残念。また、ご都合主義な展開があったり中盤の展開は少しダレた部分もあったが、キャラクターデザインや BGM が良かったし、全体的には十分満足できた。

英文も読みやすい部類のゲームなので、英語の多読目的にもおすすめ。その他のオススメのノベル・アドベンチャーはこちら「英語ノベルゲームリスト」。