中学・高校レベルの英単語一覧、その他NGSLやJACET8000など任意の英単語一覧に、市販の英辞郎の和訳をExcelで設定する方法を説明します。Excelに不慣れな方でも操作できるように、できるだけ詳しく操作方法を記載しました!

Windows OS + Excel + 市販の英辞郎の利用が前提

英単語に和訳・発音記号を追加したい

概要

無料の英単語リストは色々あるけれど…

インターネット上には中・高・大学生向けの英単語リストやTOEIC英文の99%をカバーする英単語リストなど様々な英単語リストが無料公開されています。その他にも、洋書・英字新聞などのた未知語を集めた「自分だけの英単語リスト」を作成している方もいるかと思います。でも正直、「英単語だけ」では使いにくいですよね。発音記号や定義・和訳を付けないと十分に活かすことができません。

そこで本記事では、「英単語を発音記号に変換する無料サイト」と「市販の英辞郎」を利用して、英単語一覧に発音記号と和訳を追加する方法を紹介します。

ボキャビルはAnkiで

英単語リストに発音記号と和訳を付けたのであれば、ボキャビルは暗記補助ツールAnkiで行う方法がオススメです。PC (Win/Mac)、タブレット、スマホで利用でき、それぞれデータの同期が可能なので自宅や出先での隙間時間にボキャビルができますよ! Ankiについては「Ankiを始める/紹介する時に必要な情報を集めたページ」を参照ください。

英辞郎とは

英辞郎とは翻訳家たちの団体 EDP (Electronic Dictionary Project) が編纂している辞書です。アルクが提供している「英辞郎 on the Web」で利用することができますが、パソコンなどで使える辞書データとしても販売されています。英辞郎の第八版まではPDICという付属ツールで英単語と和訳の一覧をファイルで出力することが可能です。

本記事ではこの英辞郎から英単語と和訳の一覧を抽出し、任意の英単語一覧と紐づける方法を説明します。なお、市販の英辞郎にはアルクが作成した頻出順の英単語リストSVL12000が収録されているので、このSVL12000の一覧を出力することが可能です。とくに拘りがなければSVL12000でボキャビルをしてもよいかと思います。

種類ファイル出力出版年見出し
項目数
対応OSメディア
WinMac
英辞郎第一版未確認2002年100万95~XP8.1~9.1CD
第二版未確認2005年130万98SE~XP9.2.2~10.3.6CD
第三版未確認2007年150万2000~Vista9.2.2~10.4.8CD
第四版2008年166万XP~Vista10.4~10.5CD
第五版2010年172万XP~710.4~10.6CD
第六版2011年182万XP~710.5~10.6CD
第七版2013年190万810.8CD/DVD
第八版2014年195万7~8.110.7~10.10DVD
第九版2016年202万7~1010.7~10.11DVD
第十版2018年205万7~1010.10~10.13DVD

英単語一覧の準備

無料の英単語一覧の入手先

インターネット上には、日本の中学・高校・大学生向けの英単語リストや、TOEIC・ビジネスなど特定の目的に利用できる一覧が公開されています。

中学レベル中学校英語教科書
日本人中学生用語彙リスト
高校レベル日本人高校生用語彙リスト
大学入試センター試験 英語語彙表
大学レベル
TOEIC、その他
新JACET8000
NGSL、NAWL、TSL、BSL
CEFR-J Wordlist

それぞれの特徴や入手先は以下記事にまとめているので、ご利用になる場合は参照ください。

マイ英単語リスト

既存の英単語集や小説など、様々な媒体から英単語を集めたい場合は自作するしかありません。一気に何百語もあつめるのは大変ですが、一日に暗記できる単語数は限られているので、英単語リストも1日10~20単語ずつ追加していけばよいのです。それに和訳と発音記号は一括で設定してしまうので、英単語のみをExcelに入力していくだけです。機械的な作業なのでTVや動画を見ながらでもできますよ…!

動作確認環境

本記事の内容は以下の環境で確認しています。基本的にはOSやExcelのバージョンに依存しないはずですが、全ての環境で動作保証できるわけではありませんのでご了承ください。

動作確認環境
英辞郎 第六版
Windows 10
Excel 2016
英辞郎 第六版

辞書データVer.128
2011年4月8日版

英辞郎 第八版

辞書データVer.141
2014年8月8日版

英辞郎の和訳を付ける

概要

ここでは任意の英単語リストに英辞郎の和訳を付ける方法を説明します。具体的には以下の2段階に分けて作業していきます。

  1. 市販の英辞郎に付属しているPDICを利用して、英単語と和訳を出力する
  2. 出力した和訳と任意の英単語を紐づける

事前準備

事前に購入した英辞郎のCD/DVDからPDICをインストールしておいてください。

① 英辞郎から和訳を抽出

PDIC: 出力条件設定

全文検索設定

インストールしたPDICを起動し、[Search]-[全文検索]を選択し、検索画面を開きます。

全文検索の条件設定画面では以下の設定を行います。

検索対象見出語にチェック
検索文字列 (半角空白) を含まない
かつ
" (ダブルクォーテーション)を含まない
半角空白を除外することで熟語が除外できる。ダブルクォーテーションがある単語はCSVファイルとしてレイアウトが崩れるので除外
辞書の選択

条件設定画面の[検索辞書対象]をクリックし、辞書の選択画面を表示します。英辞郎の辞書 (EIJI-xxx.dic) を選択し、[OK]をクリックします。

全文検索 – 詳細設定

条件設定画面の[詳細設定]をクリックし、詳細設定画面を表示します。以下のようにそれぞれ設定してください。

単語レベル制限チェックは入れない
出力先ファイルへ
出力先ファイル名任意
出力形式ユーザー定義形式
ユーザー定義未定義の番号 (6~9) を選択

ファイル名は英辞郎.csvのように、.csvで終わるようにしてください。

全文検索 – 書式編集

詳細設定画面で[編集]をクリックし、テンプレート編集画面を表示します。以下の書式をコピー&ペーストし、[OK]をクリックします。

$w\t&N($j,<br>)
書式の最後に改行が入らないように注意

上記書式を利用することで「英単語」と「和訳」に分けて出力することができます。また、改行は<br>タグ (HTMLにおける改行) に置換しており、Ankiで読み込んだ時に改行に変換されます。書式の詳細については「学辞郎、英辞郎からSVLをAnki用ファイルとして出力する方法」の記事中で言及しているので、自分で書式を設定したい場合はそちらを参照の上変更してください。

ファイル出力実行

全ての設定が終わったら、条件設定画面の[OK]をクリックします。するとファイルの出力が始まります。

これで英辞郎に掲載されている英単語の出力は完了です。次は任意の英単語と紐づける操作について説明していきます。

② 任意の英単語と和訳を紐づける

Excelの関数を活用

英辞郎から出力したファイルを開き、見た目を変更

さて、任意の英単語と和訳を紐づけていくので、上記手順で出力したファイルをExcelで開きます。

「-able」のような接尾辞などはExcelの仕様により計算式とみなされて正しく表示されないが (0 や #NAME? と表示される)、特に影響はないので無視

B列の和訳がセルをはみ出して表示されているのですが、邪魔なので以下手順で縮小表示します。

  1. B列を右クリック
  2. [セルの書式設定]をクリック
  3. 配置タブの[縮小して全体を表示する]にチェック
  4. [OK]をクリック
任意の英単語の和訳がある行番号を求める

C列に任意の英単語一覧を貼り付けます。

画像では分かりやすいように背景色を別途設定

次に任意の英単語 (C列)が英辞郎から抽出した英単語一覧 (A列) の何行目にあるかを求めるために、D列1行目に以下計算式を入力だけしてください。Enterキーはまだ押さないでください。

=match(true,exact(c1,a:a),0)

計算式を入力し終わったら、キーボードの「Ctrl+Shift+Enter」を同時に押します。すると、式の前後に{}が追加された計算式が確定され、セルにA列の何行目に該当する英単語があるのか表示されます。

画像の例ではA列の1749行目に一致する英単語があります。

{}が追加された計算式は配列数式と呼ぶ。match関数やvlookup関数では英単語の大文字・小文字を判別できないので、exact関数と配列数式を利用している
任意の英単語と和訳を紐づける

和訳はB列になるので、1749行目のB列を表示するために以下の計算式をE列1行目に入力し、Enterキーで確定します。

=index(b:b,d1)

これでC1セルに対応した和訳がE1セルに表示されます。

あとはD1セルとE1セルをコピーし、残りの行に張り付けを行えば和訳の紐づけは完了です。

貼り付け後に内容が変わらない場合、キーボードの[F9]キーを押すと数式の計算が実施されます。

計算のタイミングは[ファイル]-[オプション]画面の数式タブ、計算方法の設定に依存
計算式を文字列に置換

紐づけは終わりましたが、各セルの中身は計算式のままなので、以下手順で実際の文字列に置き換えます。

  1. E列を右クリック
  2. コピーをクリック
  3. E列を右クリック
  4. 貼り付けオプションの[値] (123と表示されているアイコン) をクリック
元の英単語一覧に和訳を貼り付ける

最後に、E列に表示された和訳を、元の英単語一覧の隣に張り付ければ作業完了です。

該当しなかった英単語は手修正

和訳が取得できなかった場合、「#N/A」と表記されます。このケースについては個別に辞書で意味を調べて和訳を追加するようにしてください。



発音記号を付ける

概要

無料の英単語→発音記号変換サイトを利用

英単語を発音記号に変換するサービスを利用します。ただし、発音記号には「ジョーンズ式発音記号」「IPA (国際音声記号)」の2種類使われているので、どちらかを選ぶ必要があります。辞書などではジョーンズ式発音記号が使われていることが多いので、よくわからない場合はジョーンズ式発音記号で良いかと思います。

そもそも発音記号自体がよく分からないという場合はボキャビルの前に発音記号を覚えた方が良いです。英語学習への貢献度を考えたら、数十個の単語を覚えるより発音記号を覚える方がよっぽど有用ですよ! 私は英語耳で発音の基礎を学びました!

ジョーンズ式発音記号

音声学者であるDaniel Jonesが用いた記号が元になっており、日本の英和辞典等で多く利用されている発音記号です。

IPA (国際音声記号)

あらゆる言語の発音に対応できるように国際音声学会が定めた記号です。発音の特徴を細かく表現することが可能ですが、その分記号の種類が多いため、発音の基礎はジョーンズ式発音記号で学んだ方が良いかと思います。

ジョーンズ式発音記号を追加する場合

英単語→発音記号変換フォームを利用

英単語に対応した発音記号を表示

英語(英文)→(発音記号またはカタカナ)変換フォーム」を開き、以下手順で操作します。

  1. 英単語一覧から英単語をコピーしてWebページ内に張り付け
  2. タイプに[発音記号]を選択
  3. [変換実行]を押す
多数の英単語を一括に変換しようとすると処理時間が掛かるので、1回の変換は多くても数百語程度にしておいた方が無難

変換を実行すると、英単語と発音記号が一覧で表示されます。英単語は不要なのですが、とりあえず全部コピーしましょう。

以降はExcelで作業します。

発音記号の一覧作成

Excelで空白削除

Excelで新しいシートを開き、コピーした発音記号を一番左上 (A1セル) から貼り付けます。

空白と英単語の行は不要なので削除していきます。

以下手順で作業し、空白を削除していきます。

  1. A列をクリックし、列全体を選択
  2. [データ]-[重複の削除]メニューを押す
  3. [OK]を押す

空白行が1つだけ残るので、空白行番号を右クリックし、コンテキストメニューの[削除]を押します。

これで空白行の削除が終わったので、次に英単語を削除します。

英単語非表示にし、発音記号だけ表示する

奇数行に英単語、偶数行に発音記号が記載されているので奇数行のみ削除したいのですが、「奇数行のみ削除」のような便利な機能は無いので、行番号を2で割って余りが1となる行のみ抽出・削除を行います。

具体的には、B列の1行目に

=mod(row(),2)

を入力し、Enterキーを押します。

「row()」は行数を、mod()は序数を計算する関数です。この計算の結果、奇数行は1、偶数行は0が表示されます。この計算式を全ての行に設定してきます。

計算式を一括で設定する手順は色々ありますが、例えば以下の手順で設定できます。

  1. B1セルをコピー
  2. B列をクリック
  3. ペースト (Ctrl + V、または右クリックして貼り付け)

もし値が全て「1」となったまま変わらない場合は、キーボードの[F9]キーを押すと数式の計算が実施されます。

計算のタイミングは[ファイル]-[オプション]画面の数式タブ、計算方法の設定に依存

次にAB列を選択し、[データ]-[フィルター]を押します。

  1. AB列を選択
  2. [データ]-[フィルター]を押す
  3. B列の[▽]を押しフィルター設定を表示
  4. フィルターの[1]のチェックを外す
  5. [OK]を押す

上記操作で発音記号の列のみ表示されます。

1行目はヘッダーの役割があるので表示されたたま
元の英単語一覧に発音記号を貼り付ける

2行目以降が発音記号なので、選択してコピーし、英単語一覧の隣に貼り付けます。

以上でジョーンズ式発音記号の追加は完了です。

発音記号が表示されない場合

実はこのサイトでは発音記号が表示されない英単語が若干あります。発音記号の行がないため、上記手順で説明している偶数行に発音記号があるという法則がずれます。手修正で対応してください。

IPAの発音記号を追加する場合

IPA発音記号変換サイトを利用

英単語に対応した発音記号を表示

英単語をIPAの発音記号に変換するサイト「英語のIPA発音記号変換 | toPhonetics」を開き、以下手順で操作します。

  1. 英単語一覧から英単語をコピーしてWebページ内に張り付け
  2. アメリカ/イギリス発音を選択
  3. [変換のみを表示]を選択
  4. [変換]を押す

ページ下部に発音記号一覧が表示されます。

文字色が青くなっている場合、品詞などの違いにより複数の発音記号がの候補があることを示しています。クリックすると表示される発音記号が切り替わるので任意で選んでください。ただ、英単語数が多いといちいち選んでいられないので、初期表示の発音記号で妥協しても良いかと思います。

元の英単語一覧に発音記号を貼り付ける

英単語一覧の隣にコピーした発音記号を貼り付けます。

なお、Excelのセルを右クリックし、[貼り付けのオプション]-[貼り付け先の書式に合わせる]を選べば、文字のみ張り付けることが可能です (コピー元の文字色やフォントは無視される)。

以上でIPA形式の発音記号の追加は完了です。

発音記号が表示されない場合

発音記号に変換できない英単語は赤文字で表示されます。この場合は個別に辞書で調べて手作業で発音記号を追加するようにしてください。

補足

英辞郎に収録されている例辞郎から例文を紐づけられるか?

市販の英辞郎には例辞郎 (英和形式の例文集) が付属しており、こちらもファイルに出力することができます。したがって、特定の英単語とその単語が使われている例文を紐づけることもExcelでできるのではないかと考えて試してみました。が、あまり良い結果を得ることができませんでした。英単語の活用形に対応できませんし、例文中の記号 (.,!?" など) が検索の邪魔となるためです。また、例文と紐づけられたケースであっても、文章が長すぎたり、和訳が意訳であったりと、覚えたい単語に相応しい例文でない場合が多いです。

機械的に英単語と例文を紐づける良い方法は今のところ見つかっていません。

市販の英辞郎を使わない方法は…

任意の英単語に和訳を付ける方法として、市販の英辞郎を使う方法以外もいくつか試していました。例えば、①Google スプレッドシートにある英文を翻訳する関数を使う、②Google スプレッドシートでオンライン辞書をスクレイピングする、③英辞郎ではなく無料で公開されている英和辞書を使う、などです。しかし、①は単語単体では翻訳精度が低い、②は技術的な知識がないと難易度が高く、また処理速度が遅すぎる、③は掲載語数が数万~10万語程度なので少し心許なく、またCSVファイルに加工するには正規表現の知識が必要、と市販の英辞郎を利用する方法と比較すると色々見劣りすると結論づけました。

というわけで上記方法に時間を費やすぐらいなら、英辞郎を購入して和訳を付けた方が時間的にもよっぽど効率が良いかと思います。

Ankiで英単語一覧 (CSVファイル) を読み込む方法

具体的な手順は「Ankiで英単語一覧を取り込む「詳細な」説明」を参照ください。



おわりに

無料の英単語一覧を手軽に活用する方法を提唱したい!

そのためには和訳や発音記号を付ける方法が必要だった

無料の英単語一覧は色々ありますが、そこに日本語訳を付ける方法は殆ど言及されていません。和訳がない英単語一覧に利用価値を感じる人は多くないと思うので、どうにかならないかと思い本記事を公開しました。お役に立てば幸いです。

単語が出力できる英辞郎は中古しかないので入手はお早めに

ファイル出力機能がある英辞郎は第八版までです。第九版以降では本記事の作業はできません。そして、市場に出回っている第八版までの英辞郎には限りがあります。今後ファイル出力などを行いたいと考えている方は、在庫が無くならならず、価格が高騰しすぎないうちに確保しておくことをオススメします。

あくまでも個人利用で

英単語およびその発音記号、訳には著作権はありません。しかしながら、特定の意図をもって作成された「例文」および「訳のレイアウト」には著作権が発生します。

したがって、英辞郎から抽出した例文、訳などをそのままインターネットに公開することは著作権を侵害する行為です。本記事で紹介した方法で作成したファイルは、あくまでも個人利用に留めるようにしてください。

英辞郎 第六版

辞書データVer.128
2011年4月8日版

英辞郎 第八版

辞書データVer.141
2014年8月8日版