NGSLと組み合わせることで学術的な英文の92%の英単語がカバーできるようになるというNAWL。この記事ではNAWLとは何かを説明し、アルクのSVL12000と語彙レベルを比較した結果を公開しています。

NAWL (New Academic Word List) とは

AWL (Academic Word List)

学術的英文に頻出する英単語リスト

AWL (Academic Word List) とは、ニュージーランドの言語学者であるAveril Coxhead氏が2000年に発表した、学術的な英文で頻繁に使われる570の英単語です。一般英文の8割をカバーする GSL (General Service List) 約2000語を前提としているため、AWLにはGSLの単語は含まれておりません。そのため、GSLの後に覚えるべき単語といわれています。

学術的な英文で使われる単語といっても難解な専門用語は殆ど無く、英語学習者から見て中級レベルの単語が中心となっています。また、基本単語でありながらもGSLからは除外された英単語をすくいあげており、簡単な英単語 (goal、job など) も160語ほどあります。そのため学術的でない一般的な英文に使われる単語も多く、多くの方に有用な単語集といえます。

なお、AWL/NAWLはGSL/NGSLが前提となっているため、GSLとNGSLをご存じない方は先に以下の記事を参照ください。



NAWL (New AWL)

NGSLに合わせた新しいAWL

NAWL (New AWL) とはAWLを大幅に刷新した英単語リストです。

2013年、明治学院大学のCharles Browne教授らが従来のGSLを最新の手法で大幅にアップデートした単語リスト、NGSL (New GSL、約2800語)を公開しました。実はこのNGSLにはAWLに含まれていた基本単語が多く採用されています。具体的には、AWL570語のうち約390語がNGSLに移行されました。

そして、同メンバーが改めて学術的な英文で頻出される英単語のリストを作成しなおしました。これがNAWL (New AWL、963語) です。NGSLとNAWLで単語の重複は存在しないため、効率よく新しい単語を学習することができます。

AWLとNAWLは別物

AWL 570語とNAWL 963語を比較すると、AWLとNAWLに共通する英単語はわずか95語のみで、殆どの単語が入れ替わっていることがわかります。AWLには基本語が多く含まれていたため、その多くがNGSLに含まれることになったためです。

種類語数
AWL/NAWL共通95
AWLのみ掲載475
NAWLのみ掲載868

NAWLの特徴

約2億9000万語の英単語を調査して作られる

NAWLに掲載されている英単語の選定には、コーパス (小説、雑誌、日常会話、ラジオなどで使われた言葉の用例集) のデータが参照されています。具体的には、論文・小論文・講義などの英文 (2億4900万語)、大学講師や生徒によるディスカッションなどの口語英語 (310万語)、教科書 (3600万語) を集め、頻出する単語が選ばれたようです。詳細は以下公式サイトを参照ください。

92%もの学術的英文のカバー率

公式の説明では、NGSL (約2800語) で学術的英文の86%がカバーでき、そこにNAWL (約960語) を加えることでカバー率は92%まで向上するとあります。たった6%しか増えないのかと感じられるかもしれませんが、英文カバー率は90%前後になると1%上げるだけでもかなりの語彙を増やす必要が出てきます。わずか963語で6%もカバー率を上げることができるこのNAWLは効率が非常に良いと言えるでしょう。

NAWLの入手方法

英単語リストは無料

AWLやNAWLの英単語リストは無料で公開されているので簡単に入手できます。なお、NAWLはリンク先ページの下部にある[NAWL TOOLS:]の一覧からダウンロード可能です。

リンク概要
AWLAWL 570語の掲載ページ
NAWLNAWL配布ページ

NAWLを学習する

Android/iOS向けアプリ

NAWL Builder 日本語版 (Android)

NAWL Builder 日本語版 (Android)

NGSLがアプリで学習できるように、NAWL向けのAndroid/iOSアプリも登場しています。もちろん無料です。

アプリは2種類あり、NAWLの作成者の1人であるCharles Browne教授が属しているEFL Technologiesが公開しています。1つはNAWLのみ学習できるアプリ、もう1つは、NAWLの作成者が別途作成した、TOEIC向けの英単語やビジネス向け英単語も学習できるアプリです。

どちらも単語カードをアプリ化したようなタイプです。ゲームではありません。なお、若干日本語がおかしい部分がありますし、Word LearnerではNAWLを「新・大学単語リスト」と表記していましたのでご注意ください。NAWLだけで良いのであれば、NAWL Builder 日本語版の方がシンプルでオススメです。

種類リンク概要
NAWL Builder 日本語版Android版iOS版NAWLに特化
Word LearnerAndroid版iOS版NAWL以外の単語リストにも対応

Webブラウザ (Quizlet)

フラッシュカードでAWL、NAWLを学びたい場合、オンライン学習サイトのQuizletを利用することができます。すでにAWL、NAWL以外にGSL、NGSLのフラッシュカードも作成・共有されていますよ!

種類リンク概要
Quizlet (AWL)リンク全570語
Quizlet (NAWL)リンク全963語

英辞郎の和訳をつけてAnkiで学習する方法もある

アルクが提供している英辞郎 on the WEBの内容はCD/DVDで市販されています。この市販の英辞郎とExcelがあれば、任意の英単語一覧に和訳を付けることができます。

英単語一覧が準備できたらAnkiに取り込んでボキャビルする方法がオススメです。Ankiとは世界中の語学学習者に愛用されている暗記のためのツールです。復習期間を適切に管理してくれるため覚えづらい単語のみ頻繁に復習することができます。私もAnkiで数百時間ほどボキャビルしています。

詳細は以下を参照ください。

NAWLに関するツール

任意の英文をNGSL、NAWLの英単語で解析するツール

Vocab Profiler

Vocab Profilers

任意の英文がどれほどNGSL、NAWLの英単語で構成されているか確認できるツールがVocabProfilersで公開されています。基本的な使い方は以下の通りです。

  1. Voocab Profilersのサイトを開き、英文を解析する英単語リストを選択
  2. 画面下半分の枠に、解析対象の英文を入力
  3. 画面右下の[SUBMIT_WINDOW]ボタンを押下

結果画面では、入力した英文の何%が英単語リストでカバーできたか表示されます。

関連する英単語リスト

NGSLやNAWLの他に、TSL (TOEIC向け)、BSL (ビジネス基礎英語向け) の英単語リストがあります。これらはNGSLと組み合わせることが想定されているので、NGSLを覚えた後は目的に応じて各リストの英単語を覚えると良いでしょう。詳細はそれぞれの記事を参照ください。

記事リンク対象語数
NGSL一般的英文向け2801 (Ver. 1.01)
TSLTOEIC英文向け1259 (ver.1.1)
NAWL学術的な基礎英文向け963 (Ver. 1.0)
BSLビジネス基礎英文向け1754 (Ver. 1.01)

また、これら4種類の英単語を全て覚えた時の語彙レベルや英文カバー率などを別途調べています。詳細は以下記事を参照ください。



NAWLの語彙レベル比較 (SVL 12000)

概要

本サイトでは様々な英文の語彙レベルを26000語レベルで分類して評価しています。26000語はアルクのSVL 12000 (1~12000語レベル) と極限の英単語・終極の英単語 (12001~26000語レベル) を基準としています。NAWLに掲載されている英単語もこの26000語の語彙レベルで分類し、比較を行います。

基準となる英単語リスト語彙レベルレビュー記事
SVL 120001~12000レビュー
極限の英単語 Vol.1~412001~24000レビュー
終極の英単語24001~26000
英単語の分類は単語の形が完全に一致したか否かで判断します。例えば beat、beats、beatingは別の単語として扱います。ただし、大文字・小文字の差は判断しません。Beatとbeatは同じ単語として扱います。

解析の対象にする単語

NGSL公式サイトで公開されているNAWL Ver. 1.0の963語を対象とします。

また、比較としてEAPFoundation.comに掲載されているAWL 570語も利用します。なお、AWLにはハイフンでつながれた複合語 (so-called) が1つ存在しますが、本サイトでは単語単体で判断を行っているため、soとcalledに分割して解析しています。

種類語数対象語数
NAWL (Ver. 1.0)963963
AWL570571

語彙レベル比較

26000語レベルで分類

NAWL963語を26000語レベルで分類した結果が上記グラフです。NGSLに掲載されていない3000語レベルまでの比較的簡単な英単語もありましたが、基本は4000~8000語レベルの英単語の構成割合が高く、英検準1級レベルの単語が多い印象です。

NGSL+NAWLの英単語を12000語レベルで分類

NAWLはNGSLと組み合わせることが前提ですので、双方の英単語リストを組み合わせた場合の語彙レベルも確認してみました。上記グラフはNGSLとNAWLの語彙レベルをSVL12000の語彙レベルで分類した結果です。区別がつくようにNGSLとNAWLで色を分けています。

AWL、NAWLの語彙レベル比較

AWL 571語とNAWL 963語の語彙レベルをSVL12000の語彙レベルで分類した結果を併記した結果が上記グラフです。AWLはGSLから漏れていた基本的な英単語が多いという特徴の通り、NAWLと比較すると語彙レベルが低い英単語が多く掲載されているようです。

英文カバー率の確認

NGSLとNAWLの英単語で学術的英文の92%をカバーするとNGSL公式サイトでは記載されていますが、ハリーポッター1巻やTOEIC試験の英文などでどの程度カバーできるのか確認してみました。結果は以下記事を参照ください。